ブラジャーとパンツの脱走
またやってしまった。
先日、「今年は文章を書くぞー!とにかく30分で書いて出すを毎日続けるぞー!」と宣言したが、ものの2日で終わってしまった。
やらなかった理由を挙げればキリがないので、
本件に関しては未来しか見ないことにする。
「30分でとりあえず書いてみる」を今日から再開していこう。
記念すべき再開日である本日は、どうでもよくて仕方ないことを書こうと思う。
「ちゃんと書くぞー」と考えると、途端に身動きが取りづらくなってしまうので、「ちゃんと書かないぞー」という気概でいこう。
突然だが、私は温泉地に住んでいる。
今は営業していない元ペンションで、男女複数名でシェアハウスをしている。
お風呂は温泉である。
ペンションとしては営業していないが、現オーナーさんが温泉に入れるように整えてくれている。
お風呂は2つ。
以前は男湯、女湯として使われていたのかもしれないが、今は特に男女で分けていない。
入りたい人が、入りたい時に、空いている方に入るルールにしている。
それぞれの脱衣所には、脱衣カゴが2つ。
銭湯や温泉で見かけるような脱衣カゴを想像していただけると良いだろう。
とある日、朝風呂に入ったときのことだ。
温泉から上がり、服を着て、荷物をまとめて脱衣所から出ようとしたところ、脱衣所の床に先ほどまで身につけていたブラジャーが落ちていた。
危ない危ない。
男湯・女湯で分けていないから、私の後に男性が入る可能性もあるのだ。
第一発見者が女性シェアメイトの場合、「誰かの落ちてたよ〜」とこっそり連絡を回してくれれば解決するが、男性シェアメイトに見つけられると、流石にお互い気まずそうだ。
小学生のプールの授業後、「パンツの落とし物がありました」と先生が高らかに呼びかけ、誰も手を挙げない光景を思い出す。
ブラジャーを拾い上げ、脱衣所を後にする。
同じ日の夜。
パジャマと新しい下着類、タオルなどを持って温泉へ向かう。
脱衣所にて、身に着けている服をいそいそと脱いでいく。
同時に、お風呂上がりにすぐに着やすいように、脱衣カゴの上にパジャマや新しい下着を広げていく。
ふと、その中にはお風呂上がりに着用するパンツがないことに気づいた。
おそらく自分の部屋に置いてきてしまったのだ。
お風呂上がりに使用済みのパンツを身に着けるのは私のポリシーに反する。
パンツを履くのは自室に戻ってから、それまでは素肌に直接パジャマを着ようと決め、温泉へ入る。
温泉から上がり、素肌の上にパジャマを着ていく。
脱衣所を出る前に、なんとはなしに脱衣カゴをどけると、カゴと壁の隙間に新しいパンツは落ちていた。
これまで脱衣所に私物を忘れたことはないのに、同じ日に、よりによって下着を危うく忘れるところだった。
朝のブラジャーも、夜のパンツも、「周りをよく見なさいよ、」というメッセージだったのだろうか。
とにかく今後、脱衣所を出る時には入念なチェックをしよう、そう決めた一日だった。