漫画の添削をして頂きました!
漫画編集者佐渡島チャンネルにて漫画学校で課題制作した漫画を添削していただきました!
左が私が描いた原稿。
右がごとう先生が描いた原稿です。
面白いことにYoutubeの再生ボタンがちょうどよく「ビフォーアフター」の変化を表してくれています。
さて、こちらの取り上げていただいた作品について、設定や制作の裏側をお伝えしたいと思います!
この漫画はコルク漫画専科第10期の『#漫画つかみ大賞』という課題の中で制作しました。
内容は『32ページ漫画の冒頭4ページを8週間に渡って制作する』というもの。(あとから思いましたが、修行のような課題ですね…描いている時は必死すぎて何も考えていませんでした…)
週替わりのお題で描いた8つの物語
8週連続して新しく32Pの構想をし毎週格闘、、、最初の4PをXで公開し続けました。
漫画つかみ大賞1~8覚書
🕵️♀️ スパイ編:家事代行スタッフ・くまこが気づかぬうちにスパイ生活に!〇連絡報告を繰り返す依頼主の正体は...!?
🤖人工知能編:古物市で見つけた不思議なカップの物語
〇一人暮らし6年目にして出会った運命の(?)カップ
〇まさか話しかけてくるなんて…
🏢復讐編:役場に突如設置された「復讐課」の奮闘記
〇新人職員・小池さんの戸惑い満載の日常
〇市民の復讐心を前向きなエネルギーに変えていく…⁉
👩教師編:笑わない生徒との静かな攻防戦
〇原先生の奮闘記
〇笑いを引き出そうと四苦八苦
👻憑依編:朝のランニング客vs黒い霊vs巫女の三つ巴バトル
〇毎朝の参拝客に憑く謎の存在
〇新米巫女の除霊大作戦!
🍳マニア編:料理マニア2人の成長物語
〇謎の食材をめぐる冒険
〇究極のレシピ開発に奮闘
💪 圧倒的な力編:デキる後輩の赴任で崩れる職場の秩序
〇小田さんのメンタルが崩壊寸前…
〇力の差にどう立ち向かう?
👽取り返せない嘘編:『宇宙人ララと岡』相反する二人の出会い
〇嘘から始まる不思議な同居生活
〇現実主義者×宇宙人の予想外の展開
それぞれのお話の冒頭はこちらから読めます↓
キャラクターデザイン進化録
さて、今回制作して添削をして頂いた『宇宙人ララと岡』の冒頭4Pはこのような始まり方でした。
ジャーナリストの岡まことが、ひょんなことからついてしまった嘘が本当となり、宇宙人と出会い日常が変わっていく…と言うストーリーです。
実は、添削してもらった原稿の前のビフォー原稿がありまして…
ビフォーのビフォー
こんなふうに、最初の原稿はSFギャグを想定して絵柄もちょっと違う雰囲気になっていました。
この後に受けた講義では、「ぱっと見のキャラクターの魅力が大事」と教わり、少し可愛らしい岡ちゃんが誕生。宇宙人ララも当初考えていたE.T.のような見た目よりもキュート系のにデザインに変更したのでした。宇宙人もイメチェンは大事ですね👽✨
『宇宙人ララと岡』設定資料
基本設定
時期:2024年夏
主人公:31歳女性ジャーナリスト(元営業職)
現実主義者で宇宙人の存在を信じていない
外見はふわふわしているが、考え方は堅実
ストーリー概要
恋愛に消極的な主人公が「宇宙人みたいな彼氏がいる」と嘘をついたところ、実際に宇宙人が現れる。しかし、この宇宙人には「嘘を本当にする能力」があり、主人公の嘘を実現するために地球にやってきたのだった。
コルクマンガ専科の講義ではストーリ漫画を制作する前に4枚紙芝居と8枚紙芝居を制作しました。32Pのマンガの展開を4つに分けたり8つに分けたりして紙芝居を作る、というものです。
私が制作した4枚紙芝居はこちらです。
4枚紙芝居のポイント
導入:宇宙人との予期せぬ出会い
展開:嘘から始まる同居生活
山場:葛藤の瞬間心の距離が縮まる瞬間
結末:心の距離が縮まりハッピー
さらにこの内容を膨らませて8枚にしていきます。
8枚紙芝居で描くのは以下の内容。
1 壁(他者)
2 したいこと
3 コレドナ感
4 情報
5 余韻
6 クライマックス
7 キャラ深部
8 葛藤・対立
今回制作する内容だと8枚紙芝居はこのようになりました。右上から読みます。
4枚紙芝居の内容から、8枚紙芝居、そして32Pの漫画にするために、削ったり付け加えたりしたエピソードもありました。
伝えたいことを32Pで伝えるって難しい!
当初考えていた設定だと、主人公の心の葛藤になる場面が盛りだくさんでした。(ごとう先生、編集さん、仲間からのフィードバックにより、情報が盛りだくさんということで、思い切って削減!「主人公が持つトラウマ心情」は削りました。)宇宙人ララならいらない設定を瞬時に消してくれたはず…!
以下は、設定の中のひとつを箇条書きにしたもの。
主人公の内面(最初に考えていたもの)
恋愛における問題点
過去の恋愛でのトラウマ体験
外見と性格のギャップで誤解されがち
よく言われる言葉:
「思ってたイメージと違う」
「もっと気が合うと思ってた」
「外見に騙された」
「全然ロマンチックじゃない」
「もう少し素直だったらよかったのに」
心情の変化
当初:人間の彼氏が欲しいのに宇宙人が来てしまい困惑
共同生活を通じて:
宇宙人への先入観が崩れていく
新しい価値観との出会い
予想外の魅力への気付き
宇宙人について
特徴
優しく、攻撃的ではない
地球に興味津々
実は「嘘を本当にする能力」ではなく「願いを叶える能力」の持ち主
展開
期間限定で主人公の家に住むことに
共同生活を通じて主人公との友情が深まる
最終的に人間の姿になって地球に残る
クライマックス
重要な出来事
小惑星爆発のニュース
主人公が合コンに参加するも楽しめず
宇宙人との別れが迫る中での心情の変化
「もう一度、一緒にいてほしい」という本心の告白
テーマ
先入観と実際の違い
本当の自分を見つめ直す心の旅
予想外の出会いがもたらす人生の転換
そして、描き進めるうちにビフォーが変化。添削課題の募集をされていた時期に直していた原稿です。
添削であったように冒頭の主人公の悩みと主人公・岡の状況が相反していて伝わりにくくなっています。どうしたどうした。
講義の中のフィードバックで、上記の件についてご指摘を受けたので、さらに描きなおして現段階がこちらになりました。(1/25には講師陣による最終講評が行われるということで、そちらを踏まえて描きなおし、岡ララの良い状態を試行錯誤していきます。)
いいね、ご感想下さった方、本当にありがとうございました✨温かい気持ちとたくさんの気づきを得られるコメントに心から感謝しています!!!
オリジナルストーリー制作では、決められたページに「伝えたい事を伝わるように入れながら」描く、というのは、とても想像力が必要な作業だと感じました。
漫画は「心の料理」である
動画内で佐渡島さんが仰っていたように、意識していないと「居酒屋のメニューがあれもこれも並んでいる状態」になってしまいます。
ストーリー展開の無駄をそぎ落として、読者に「伝えたい事」と「主人公の感情」をしっかり届けるのが大切なんだな…と感じました。
目指すべきは…
余計な設定を削ぎ落とす
感情の流れを大切にする(受動的感情と能動的感情)
読者を惹きつける展開を心がける
キャラクターの魅力を最大限に引き出す
そうして、お客さんが感動する居酒屋メニューをサッと出せる大将のような存在になりたい。
現在は「心を打つ一品」を作れる漫画料理人を目指して修行中です。いつか宇宙人も唸るような作品が描けたら楽しいだろうな...!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
もし宇宙人ララが読んでいたら、私の願いは「漫画家として成長すること」です。もしかしたら、夜中にドアをノックする音が聞こえるかも…。