【フォルトゥナの瞳】

映画について、色々残しておきたいなと思いついたので、過去にみたものから少しずつ書き残そうと想います。
映画以外のことももちろん、だけれども!


今日は、公開してからもうすぐ1年経つけれど、いろんな意味で特別な作品の『フォルトゥナの瞳』。
神木隆之介さん主演、有村架純さんや時任三郎さん、志尊淳さんも出ていて、優しい、綺麗な映画だったなあ。

「人の死の運命」が見えてしまう男性が、ずっと心を閉ざして生きてきた中で、大切な人に出会って恋をする、
そんな中、その大切な人の、「死の運命」が見えてしまう、という少しSF要素も織り交ざったラブストーリー。

作品の中身ももちろんそうなのだけど、一番私が好きなのは絵の綺麗さ。
光が綺麗なシーンが沢山ある映画が好きなので、フォルトゥナの瞳はまさにそういう絵が沢山あって、すごく素敵だった。
木漏れ日の光の透ける感じだったり、2人がデートしているときの「暖かい」と分かるような気温が目に映るように伝わるところだったり、
「しあわせ」な、「あたたかな」ものがスクリーンから伝わってくるのがとても印象的でした。

だからこそ、この物語の「大切な人の死の運命がみえてしまった」ときの、神木さん演じる木山慎一郎の落胆であったり、焦りであったり、悲しみ、葛藤、そこの落差が激しくてよかったなあ。

あと、なんせこの木山慎一郎という役が、神木さんにぴったりだった。
神木さんの白くて線の細い感じ、と言ってしまえば見た目だけになってしまって、そうじゃないんだけれど…
神木さんって、やっぱりどこか不思議な、神秘的な演技や表情がすごく綺麗なので、
「人の死の運命が見える」という設定が全然浮いてないのがすごいなと…。
浮いていないからこそ、本当に「悲しんで」「落胆して」るのが伝わってくるのがすごい。
だから、神木さんのふとした表情が、本当に「木山慎一郎」で、ああ、本当にすごい俳優さんだな、と再確認した。
いままでの役、多分大体の人があげると思う『SPEC』のときのニノマエなんかも、まさに「ニノマエ」でしかなくって。
ニノマエとは全然違う役だし、全然違う能力なんだけれど、もうただただ『フォルトゥナの瞳』を持つ、「木山慎一郎」だった。
こんな力を持ってしまって…と想っている表情、大切に想われているのにどこか困っている表情、
有村架純さん演じる葵と一緒にいることで、普通の男の子の顔をしている表情…
能力、設定を持っているのに、こんなにも一人間としての顔を持ちつつ、能力を持っていても違和感がない演技ができる神木さんだからこそ、
この『フォルトゥナの瞳』ができたのかなあと想ったのです。

あと個人的には、時任さんが本当に本当に本当にいつも、どんな役でも素晴らしいなと想っているのだけど、
この映画でも時任さんの包容力、なんていえばいいのだろうか…
SFっぽい設定や、ラブストーリーというだけで、なんかこう、少し、離れてしまう層の方って一定数いると想っていて。
だけどそこをしっかり引き締めてくれる、品質保証が時任さんの演技のすべてな感じがしました。個人的にですが…!

志尊淳さんもとてもよかった。
正直それまで、こう、あまり志尊さんの演技とかをちゃんと見たことがなかったのだけど、えー!すごい!ちゃんと性格悪い!(これは見た人は分かるはず…)となったし、だからこそ愛しさ倍増な役でしたね…!


泣ける、とか、ラブストーリー、って言われると、なんかこう、ちょっと反感をもって、
「別に泣かないし」「泣けるっていわれると逆に…」みたいなところあるじゃないですか…私はあるんですけど…!
なんか、こう、ラブストーリーではなかった、です、私的には。
いやうん、とっても素敵なカップルだった(本当に綺麗だった、神木さんも有村さんも!)んだけど、
2人の愛や想いに泣けるのではなくて、なんというか、「木山慎一郎」の思い出を、足跡を、みんなで「こんなふうに想ってたんだね」「そんなふうに、大切にできたんだね」なんて、思い出を見返す映画に感じました。

運命を変えるってすごく難しい。ね。
だから、運命を変えようと走る人は、本当にすごい。
「木山慎一郎」が変えた運命の先が、誰よりも何よりもしあわせでありますように。


…ということで主演を務めた神木さん、12月にも映画に出ますね…!
『屍人荘の殺人』という映画ですが、これも気になる。大学生役ってことでしょう…?絶対似合う…。
予告からだとあんまり正直ミステリー感は感じていないけど、果たして…!

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