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A級スピード昇格がかかる石本裕武、どれだけの快挙? ~85期以降のデビュー3期の成績から見る将来の行方~

(※以下、選手名は敬称略でお送りします)

131期・石本裕武の快進撃

初優出となった若松ルーキーシリーズ

デビュー初優出を1枠解禁節で決めた石本

ここ最近話題になっている131期生石本裕武。
前節の若松ルーキーシリーズ(8/22~27)から師匠の藤山雅弘の許しが出て1枠にも入るようになり、予選では全ての枠を経験。結果は予選4勝で、末永和也や高橋竜矢などを抑えての予選2位通過。

準優1枠も「経験があるので緊張はしないと思う(4日目9R1着時)」という本当にデビュー1年目なの?という強気なコメント通りに逃げてデビュー初優出。優勝戦は2枠という難しい枠で先頭争いには加われずも、差してきた上田龍星には冷静に対処して3着。ファンに顔を売った1節間になりました。

デビュー3期目での初A級が見えてきた

師匠は藤山雅弘、尊敬する人も藤山雅弘

そして、石本の今期勝率(5/1~10/31)は若松を終えての数字で5.62。どれだけ高くなっても5.50とボーダーを想定しても、今はそのボーダー超え。デビュー2期目でのA級昇格が見えてきました。
ここ最近ではハイスピードの勝率UPで、銀河系85期や岡崎恭裕などのスピード出世が思い浮かぶほど・・・。

デビュー3期以内にA級に昇格できることはどれだけすごいのか?

ここで気になった疑問として、
「デビュー3期目でのA級昇格はどれだけすごいのか?」
「A級スピード昇格は将来の出世が約束されているのか?」

この2つ。

どんなスポーツにも、鳴り物入りで入って早速活躍できる人もいれば、期待を裏切って低迷して業界を去る人、ましてや5,6年目から急に伸びだす人もいますし選手人生は千差万別。

というわけで、級別の成績が調べられる85期以降、つまりおおよそ4000番台以降のデータを集計してみました。

デビュー3期でA級昇格の数字を出せるのは1%程度

  • 対象は85期~131期(デビュー後の期別成績が残っている選手)

  • 選手名の赤塗りはSGタイトルを持つ選手、オレンジ塗りはG1タイトルを持つ選手(赤塗り対象選手除く)

  • 1期目の成績による級別は2期目に反映されます。2期目以降も同様。つまり、田村隆信の場合はデビュー最初の半年で5.88の成績を残して2期目はA2で走りました。

  • 1期目~3期目の太字は勝率5点超え。赤塗は次の期でA1昇格、オレンジ塗りは同様にA2昇格。

デビュー3期以内にA級昇格を決めた選手一覧

まず、131期石本裕武がデビュー3期目でA級昇格出来た場合、85期以降では114期の松尾拓以来12人目の快挙です。85期~131期が1260名ぐらいですので、1%ってことですね。

デビュー4期目まで延ばした数字で載せていますが、これまで29名がデビュー4期以内にA級昇格しています。逆に、デビュー1期でA2の成績を残したバケモンは銀河系85期の田村隆信ただ1人です。多分シードレース過多の現代ボートレースでは今後も田村一人ではないですかね・・・。

ちなみに、デビュー2期目の成績で勝率5点台に載せた選手はこの表以外にもいます。
勿論、2期目に5点取れたから3期目はA級まっしぐらと行かないのがボートレース(競艇)で、事故パンや不調で早々に調子を落とすのも珍しくありません。

A級スピード昇格=記念戦線での活躍は明暗分かれる

デビュー期で5点に載せて、9ヶ月で初優勝。
23歳でSG笹川賞を制した岡崎恭裕

銀河系85期で言えば、田村隆信・森高一真・清水敦揮・湯川浩司がデビュー4期以内にA級に昇格。このうち、SGは3名が制覇。
そして注目は90期台。8名中7名がSG制覇。うち、グランプリを制したのは石野貴之、峰竜太V2、茅原悠紀の3名。今でもSG戦線で活躍する選手ばかりです。

しかし、全体で見るとこれまでに達成した29名の内、SGを制しているのは10名、G1以上を制しているのは14名ということになります。半分にも満たない数字。
勿論、昇格したての定松勇樹はまだA1になって現在2期目。SG・G1もこれから経験を積んでいく立場なので、「SG・G1を取っていない」という見方をするのは誤り・・・だとしてもちょうど半分の数字です。

例えば、古賀繁輝。デビュー2期目に5.91と6点に迫る数字でA級昇格。90期台の中ではここに乗っていない選手を含めてもダントツのトップの数字です。その後、数字を落としながらも6期目でA1初昇格。
一般戦では年間最多V6を挙げる活躍がありながら、G1タイトルも後一歩となっている状況です。2012年地元唐津周年で1号艇などの準優勝が最高。

86期~89期で唯一のSG覇者の柳沢一

その他、86期~89期の4期だけでも11名がA級スピード昇格を果たしているのに、この11名だけでいえばSG覇者は1名もいません。ましてやG1覇者も3名のみ。意外や意外・・・という状況になっています。

ちなみに、86期~89期で見ると柳沢一のみが2019年の多摩川グランドチャンピオンでSG制覇。柳沢のデビュー3期の勝率は4.37→5.11→4.31→5.70でした。4期目で5.70を叩き出してデビュー5期目でA2。
色々な成長曲線があるとはいえ、柳沢もデビュー後から高い数字を出していました。

110期以降は3名のみ・・・とはいえ。

そして、110期以降は3名のみという数字。つまり、10年間にデビューした選手の中の数字。

とはいえ、シードレース過多のこの時代でデビューから4点5点出せるだけでも相当凄いと思います。今は、ほとんどのレース場でシードレースが1個は組まれています、多いところは半数以上がシードレース。
デビュー1戦目からシードレースに組まれるのも珍しくないですし、90期台のスピード出世の頃とは状況も変わっています。

118期は板橋侑我・栗城匠がG1制覇、新開航がG2制覇、宮之原輝紀も時間の問題

特に、118期からはデビュー3期以内のA級誕生はありませんでしたが、板橋侑我が3期目に5.10を叩き出しています。その後の結果といえば、エースモーターの動きを存分に活かしての地元浜名湖賞制覇。

ここ最近のA1なりたての新鋭選手はA1やA級に上がれても多少揉まれて成績を落とすケースがありますが、女子戦で7点出したけどSGや男女混合のG1に出る女子選手が6点台に数字を落とすのと同様、その後に花開く傾向があります。

結論

石本裕武のA級昇格は通過点、石野貴之のような成功パターンに期待!

まずは石本裕武について・・・。級別審査終了まで残り2ヶ月。今後の成績がどうなるかは本人のみぞ知る・・・ですが、A級昇格の可能性が大きくなってきただけに決めてほしいですね。
デビュー1年以内にルーキーシリーズとはいえ高橋竜矢や上田龍星と対等にやりあえているだけでも、わざわざ書くまでもないですが、素質は相当高いと思いますし。

大阪支部でいえば石野貴之もデビュー4期目にA級昇格。もし石本が勝負駆け成功すれば石野先輩より1期早いスピード昇格になります。大阪支部の若手が粒ぞろいで抜けた存在がいない今、彗星のごとくあらわれて、大阪支部の次世代エースに躍り出るようなシーンも見てみたい気はします。

現在でデビュー3年以内の中で5点を超えているレーサー

前述のとおり、110期以降で3期以内にA級昇格の数字を出せたのはわずか3名・・・ではありますが、シードレースが多くなっても5点を残せている選手は今後の活躍に特に期待できるのではないか?とは思います。

というわけで、結びにデビュー3年以内の127期~132期(132期はデビュー期ですが)の中で3期以内に5点以上の数字を出していた選手をピックアップして終わりにしようかなと思います。(記事を書いている9月1日現在)

F癖が心配だが、藤原碧生はいつかどの水面でも大暴れできそう

5217 藤原碧生(岡山・129期生)
2.74→4.51→5.01
2021年11月のデビューから8ヶ月で初優出。デビュー2年目の今も予選通過率が高く、129期の中で現在西のトップは藤原じゃないでしょうか。
ただ、前期がF2で事故パンで1期棒に振りそうな予感がしちゃうので、そこだけは何もなく順調に勝率を上げて岡山支部の先輩に並ぶのを期待です。

多摩川×内枠で本領発揮の藤田俊祐

5226 藤田俊祐(東京・129期生)
2.15→3.02→5.04
129期の今の東のエースは藤田俊祐でしょうか。今年8ヶ月を終えて、既に9節多摩川で走っています。多摩川のフレッシュルーキーではあるものの、過半数多摩川で走っているほど是政に愛されし男。
イメージとしては、内枠の適応力が早かったイメージ。勿論新鋭らしく外枠でも結果を出す時は出すのですが、内枠でもう成績を出せているのはA級に昇格できても大きいのではないかと思います。
2023年9月1日現在の勝率は5.52。あるぞ、デビュー5期目でのA級昇格。

以上の129期2名と、131期石本裕武の3名がデビュー3年以内の選手で5点を超しています。(石本はまだ暫定の数字ですが)
ちなみに、129期は西岡顕心やオサカベ、竹間隆、若林樹蘭も来期適用勝率が5点超え。今の118期のように2年後ぐらいに129期が記念を取っててもおかしくない気がします。しかも、上位選手の支部がほぼ被ってないのも面白くて。(藤田と若林が東京)

おわりに

ちなみに、「デビュー3期以内でそれぞれの期の勝率トップは、後々の活躍に直結するか?」というのも調べてみたかったのですが、色々書いてたら4000文字超してたので今日はここまでにしておきます。

調べてみたいことがあったらまた記事に書きますね。

後、X見ていただいている方いつもありがとうございます。競輪も面白いですが、夏に久々に浜名湖に旅打ち行ったり、先日の福岡メモリアルを追ってボートレース熱も取り戻しつつあるので、また色々と見てみようと思います。

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