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第3回 (完):松永梨加~「好きな歌手」から「尊敬する人」への変化

松永梨加。特典会で思いっきり僕をイジってきたり、一緒に笑ったり、たまたまチェキスタッフをされていた時に声をかけてきたり、僕の家族の事を気にかけてくれたり、あまりにも贅沢な思い出を作ってくれた地下アイドルの名前だ。

梨加さんが所属していた通称「こるまい」の「CALL MY NAME」というグループのライブを今年の2月に初めて観て以来、僕は梨加さんのライブが好きになっただけでなく、彼女の存在に救われた。

梨加さんは5月25日にこるまいを卒業しており、今日から一カ月後の9月30日に新グループ「Karman」のメンバーとして再デビューする。そんな梨加さんが僕にとってなぜ大切な存在になったかには、以下の3つの理由がある。

①歌声、歌い方、歌う姿が素敵だから
②歌う姿を見て、僕は涙を流したから
③僕が理想とする人物像だから

上記の理由について書く記事も、今回で最後。今回は3つ目の理由である「僕が理想とする人物像だから」について綴って終わる。

序章第1回第2回の記事も宜しければ。多くの方々に読んでていただけて嬉しい。


・自分の自信を取り戻したきっかけ

前回の記事で少し触れたが、梨加さんを見ていると「ありのままの自分でいて良い。ちょっとふざけてる自分のままで人生を生きていけば良い」と思わされ、背中を押されたような感覚になる。

というのも、僕は家族や友人をアメリカに置いて帰国し、5年の間に色んな事を経験した。突然、身近に親友や下の兄弟がいない生活を送る事になったり、それがとても寂しくて悲しくて、人生を共に歩もうとした人と決別したり、キャリアも上手くいかなかったり。30代が近づく中で「僕は何をしているんだろう」と思い始め、自分の性格や価値観など全てが馬鹿に思え、自分に対する自信が消えかけた。最終的には心が病み始めた。

そんな中で音楽鑑賞が趣味になり、その先に梨加さんの存在を知った。梨加さんのライブに通い始め、Instagram配信やライブの特典会で梨加さんと交流を重ねるうちに、僕には梨加さんの人柄が垣間見えた気がした。

少し自信なさげで、でも明るくてユーモアもあるから冗談をブチかますし、辛い事があったってそれを乗り越える。そして、好きな事に燃やす情熱に溢れている。

自信を無くす前の自分を見ているようだった。

それは正に僕が理想とする人物像だった。僕はそういう人になりたいと思って少しずつ、なりたい自分になっていけた時期があった。その事さえも馬鹿に思えた時期に病み始め、その先に梨加さんの存在を知った。

自分の事を馬鹿に思う必要なんてない。嫌な事で溢れている世の中だし、少しふざけてるぐらいが丁度いいし、それで自分や周りを笑顔に出来るなら、それで良い。今僕の目の前に、そういう人がいる。だから、そうやって生きていきたいと思っていた自分は間違ってなかった。

梨加さんを見ていると、そう思えるようになった。

「僕に少し似てるかも」と思える人に出会えた事が嬉しかった。とても単純な理由だが、この出会いが、今後の人生を歩む上で僕にはどうしても必要だったと思う。自分が理想とする人や自分に似てる人を周りに持つ事は必ずしも必要とは限らないが、持つと心強い。

2023年5月6日 白金高輪セレネでの特典会にて。
お互い、髪を染めていた夏。

おかげで僕は以前よりも楽観的になり、今後の人生を形成するために今、人生で一番自分と向き合う時間を送れている。嫌な事ばかりある世の中なので、どのように人生を歩み、幸せになりたいか。自分の価値観は何か。本人にその自覚があろうがなかろうが、気が付いたら梨加さんはライブや特典会などで、いつも僕に歌以上の元気をくれ、心の支えになってくれた。家族でも友人でもなく、梨加さんでないと起こらなかった事だ。

この事はファンレターでも、実際にお会いした時にも本人に伝えた事がある。その度に梨加さんは僕の目を見て「ありがとう」と、とても安らかな表情で言ってくれた。人生なんて本当に何が起こるかわからないので、伝えられる時に自分の気持ちを伝えて大正解だった。

自分に自信を取り戻したと自覚した日から数カ月。その後も、CALL MY NAMEのライブを思いっきり楽しみ、梨加さんの歌う姿があまりにも素敵で涙を流す事もあった。歌で人を感動させるだけですごいのに、僕の自信を取り戻させてくれるなんて。こうして、梨加さんは僕にとって「好きな歌手」から「尊敬する人」に変わった。

・娯楽が持つ力

少し余談になるが、僕には、梨加さんがいた頃のCALL MY NAMEを通して学べた事がある。それは、娯楽が人に与える影響。

僕は「自分以外に自分を幸せに出来るのは家族と友人だけ。趣味に楽しむ以上の価値はない」という考え方をしていた。自分にとって大切な人といる時間を過ごす事でしか幸せを感じる事が出来なかったからだ。だから一人でいる時間が好きじゃなかったし、些細な事で孤独を感じ、酷く気分が沈む事も多かった。

でも、今の自分はどうだろう?「あの梨加っていうお姐さん、歌う姿が素敵だ!また生でライブを見て、あの人のファンになりたい!」という興味本位で行き続けたライブで、僕は沢山の物を得た。彼女の情熱的な歌う姿、感動、素敵な人柄、嬉し涙、学び、一方的に僕をイジってきた事 (笑)、自信を取り戻させてくれた事。その全てが素敵な思い出となり、僕の日常を彩ってくれた。そしてCALL MY NAMEの格好良いパフォーマンスを鑑賞する度に、とてつもない量の元気をもらい、娯楽について考えさせられた。

2023年4月30日 CHIC HALL SHIBUYAの特典会にて。
既に卒業した水谷潤さんに敬意を表したく、ピンクのネクタイを身に着けた僕。

誰かが情熱を持って創り上げる娯楽や芸術というのは、人に元気、勇気、希望、心の余裕を与える。誰かの人生に大きな影響を与える事もある。娯楽のおかげで新しい事に挑戦したり、誰かが救われる事だってある。娯楽こそ、もっと称賛されるべき職業だ、と思うようになった。特に、音楽を職業にしている人たちは。

大切な人と過ごす時間が幸せである事に変わりはないが、僕は一人でも楽しみや幸せを少しずつ感じれるようになった。自分の心を満たす娯楽に出会えた。だから、音楽鑑賞を趣味にし始めた頃よりも、音楽や人の歌声がもっと好きになった。

それ以来、僕は趣味を楽しむ時の感情や、趣味で得られる出会いや影響について考えるようになった。思い返すと、素敵な思い出や出会いを沢山、人生で経験していた。僕は5人兄弟の長男として、弟や妹たちに教えてあげられる事は何かと考える事があるのだが、娯楽の大切さや影響力というのは、彼らに今後伝えていきたい。

僕が出会ったCALL MY NAMEは7人体制だったが、今もサポートメンバーやダンス講師として活躍されている元メンバーの水谷潤さんを含めた8人のメンバーがいたからこそ、僕は学びを得ながら大切な青春を謳歌する事が出来た。その経験の中心にいたのは、紛れもなく梨加さんだった。

・最後に

9月30日のKarmanのデビューライブが僕にとって何を意味するかというと、僕の恩人の音楽活動が、また本格的に再開するという事だ。

生歌さえ聴ければ満足だったのに、僕は梨加さんから十分すぎるぐらいの元気をもらった。梨加さんが僕にもたらした影響はあまりにも大きく、今でもその事を考えるだけで涙を流す時がある。

僕はこれから続く人生で、梨加さんと過せた時間を間違いなく振り返る。「あの頃の自分は、本当に幸せだった」と考えると思う。今後、僕の人生に大切な人が増えた時、僕はその人に絶対に梨加さんの事を話し、自慢する。

2023年7月31日 新宿SAMURAIでのソロの対バン出演。
この日の僕は、最前のど真ん中で梨加さんのステージを鑑賞出来た。

それぐらい、僕は梨加さんに恩を感じてる。だから、自分が娯楽を楽しむためというのもあるが、僕の日常を良くしてくれた恩人の今後の芸能活動を見届けたいという意味でも、僕は梨加さんのファンを続けたいと思っている。

アイドルとしてデビューして約2年。2つのグループで活動して、路上ライブやソロのライブ出演、カバー曲の披露、別グループのダンス講師などを経験し、人としても大きく成長した梨加さん。

そんな今の梨加さんがKarmanのメンバーとして、どんな景色を見せてくれるか、僕はとても楽しみだ。

2023年5月21日 CHIC HALL SHIBUYAの特典会にて。
僕がCALL MY NAMEとしての梨加さんを見た最後の日。

・松永梨加 - SNS

Twitter: @Rika_Karman
YouTube
Instagram: @__maturika
TikTok: @_richan

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