iPhone前夜
数日前、1)Amazonプライムビデオから、GENERAL MAGICと言う映画の案内が届き、早速視聴。1986年からMacの代理店を手がけていたせいで、当時のアップル関連の動向も逐一把握してましたが、GENERAL MAGIC社の経過は、この映画を観るまでよく知らなかった。ただ、この映画で述べられていたiPhone登場への起爆剤的な紹介は少々疑問を感じる点があり、iPhone登場までの道のりは、1970年にアラン・ケイが提唱した、後述7)のダイナブック基本構想まで遡らねばならない。後述2)へつづく。
2)iPhoneの登場は、1988年に目にした、後述5)のナレッジナビゲーターの動画を、アップルから届いたCD-ROMで見た時から、いづれ、こうしたマシンが登場すると頭で描きつつ、2000年初めにはiPodと友人がくれた年間1万円の通信料プリペイド・スマホらで寄り道しつつ、2010年頃ようやく、完熟途中のiPhoneユーザーに仲間入りした。
3)ジェネラル・マジック:マックの開発主力メンバー数人を交えたチームで結成され、市場にも期待されつつスタートしたが、多くの部品や通信環境が非力な時代で、総合的にアイデアを具現化するには時代が早すぎたものの、個々のアイデアは、その後開花したインターネット、iPodやスマホ、タブレットなどの成功のヒントになる部材が生まれた。HyperCard開発者のビイル・アトキンソンがインターネットの認識が足りなかったことは残念である。
4)Newton:アップル社が、シャープのザウルスや3)ジェネラル・マジックの構想から、ジョブスの後任スカリーの元で内部で開発が進められたPDAだったが、マイクロソフト同様、ペン操作が仇となり失敗作に。
5)ナレッジナビゲーター:80年後半に、Apple社から送られたCDーROMに用意されていたマックの次に目指す未来像が読み取れる動画。90年頃から、マックの後に登場するマシーンを夢にながら待つだけだった。
6)ビバリウム:下の図表を見て、将来のiPhoneが、こうしたイメージの、子供も楽しめるあらゆるものがそこから噴出するデバイスを想像していることが読み取れた。マックが目指す未来像も、5)のナレッジナビゲーターからも読み取れ、90年頃から、あとは登場するのを待つだけだった。
7)ダイナブック:この存在を知ったのはいつだったか記憶にないが、アップルフェローとして在籍したアラン・ケイを、ジョブスが招き入れ、マック誕生に寄与したことを知り、彼のことをあれこれ調べることで、メディアラボ、戦時中の原発開発チームとコンピューターのアイデア誕生にまで話が広がったことを覚えている。
8)パソコンと中世ヨーロッパの写本との共通項とは”編集”~『17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義』松岡正剛氏(2006)この本の解説文との出会いは、GENERAL MAGICについてあれこれ調べているうちに見つけたものですが、聖書文化の写本や清書の歴史的背景から6)ビバリウムや7)ダイナブック構想が生まれ、図書館のアイデアや、その分類法から目次や索引、さらに、インターネットやハイパーリンク、ハイパーテキストらのアイデアなど、いまのコンピュター時代へと繋がる時代の変遷を、改めて学ぶことができた。