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現代は少年サッカーの情報があふれています。情報の選び方で悩んでいませんか?
ナボコーチです。
訪問いただきありがとうございます。
この記事はちょっと長い文章になってしまいました。
最初に結論を書いておきます。
結論を見てから、読むかどうか決めていただけば時間の節約になります。
ちなみに無料です。
昔(20年ほど前)は少年サッカー指導の情報が少なかったので、指導する時に苦労した。
現在(ここ10年ほど)は少年サッカー指導の情報がたくさん手に入るようになった。その反面、何が正しいのかわからないという悩みが生まれた。
そんな現在は、情報の選び方が大切。
目的にあった情報を選ぶためには、サッカーの本質と小学生の特性を理解する必要ある。
「サッカーの本質と小学生の特性を理解する必要ある」
これが流れと結論です。
サッカーの本質と小学生の特性を理解して指導すること
一言で言えば「焦点を絞る」ってことです。
私が受けてきた講習会の中に「ランダムコンプレインにならない」と何度も出てきました。
情報過多の世の中で情報コレクター状態で何をすればいいか迷っている人にアドバイスできればと考えています。
なんかもう既に長いですね。
興味のある方は最後までお付き合いください。
これが筆者のnoteのテーマなので、今後、書き綴っていきます。
まず20年ほど前の話に付き合ってください
プロフィールにも書きましたが、少年サッカーの指導に関わってからいつの間にか20年も経ってしまいました。
その間にJFAのC級ライセンスを取ったり、普通のコーチからヘッドコーチへ昇格(?)したり、監督を引き受けたりと変化もありました。
20年前の少年サッカーを取り巻く環境を知らない人もいると思います。
当時は、インターネットでサッカー指導関連情報を探しても数が少なかったです。少年団の指導メニューなどがアップされていました。
YouTubeなんてものはなく、SNSも当時はミクシー(mixi)くらいしかありませんでした。
ミクシーには貴重なコミュニティがあってそれはそれで貴重でした。
サッカー指導に関する情報が喉から手が出るほど欲しい当時の自分としては、指導現場を見ることしかありませんでした。
「サッカークリニック」がバイブル
もちろん、本屋に行けばサッカー関連の本は売っています。
本からも吸収しました。
でも今に比べたら少なくて、指導関連としては「サッカークリニック」がバイブルでした。
当時の思い出としては、ある年ある月のサッカークリニックの特集でコーンドリブルの練習方法が取り上げられていたんです。
その特集の監修者は、知る人ぞ知る(私の世代では) 佐々木博和氏だったので目を皿のようにして読みました。
解説図もあったのですが文章と図でもどうしても理解できないポイントがあったんです。
「インで2タッチしてコーンを回る?コーンを回る時にどっちの足を使う?」
どうにもわからないので、疑問点をサッカークリニックの編集部にメールしました。
普通はこんなことする人いないですよね。少なくとも自分の周りにはいませんでした。
この特集はとてもいい内容なので、動画にしてくださいとかDVD化を希望しますなんて書いてました。
するとさっそくサッカークリニック編集部から返信がありました。
「佐々木氏に確認して返信します」とのことでした。
次のメールでは
「次号で解説します、ぜひ読んでください」との返信でした。
さすがサッカークリニックさん。雑誌の中で回答してくれました。
疑問点が解決してスッキリ!
その後、佐々木氏のドリブルドリルはDVD化されました。
(今はもう販売終了です)
2006年頃、季刊「ジュニアサッカーを応援しよう」って本が発売されました。こちらはDVD付きだったので発売日に書店に飛び込んだものです。
VHSビデオを買う
もうちょっと古い話をします。
サッカー動画がスマホで見られる現代から想像もできない20年前のことです。
ネットで情報収集をしていると、リフティング王で有名なケンさんを発見しました。
ケンさんのデモンストレーションを撮影したVHSテープを購入する機会に恵まれました。
電話で申し込んで現金書留で送金したという記憶があります。
動画を食い入るように見ました。
リフティングだけでなく、体の使い方の解説など本当にタメになりました。
その後、フリースタイルフットボールもブームになり、ケンさんはある出版社から本やDVDを次々と出し、海外版も販売されました。
ある日、ケンさんからアドバイスをいただきました。
「フリースタイルフットボールとサッカーは別ものだからね。
サッカーに役立つリフティングやジンガを僕は伝えて行くんだ」
情報の意味、技術の意味や質の違いについて考えるきっかけになりました。
足を使って情報収集
大会を見学に行ったり、強豪チームの練習を見に行ったり、ビデオを撮ったり、コーチングの声を録音したり、涙ぐましいことをしていたもの。
試合の見学では、両チームの監督に許可をもらって、ベンチ近くにボイスレコーダーを置かせてもらって録音しました。
これもいい勉強になりました。どんなタイミングでどんな声がけをするのか、コーチング用語とはどういうものなのかなどが学べました。
JFAのコーチングライセンスはD級から取ったので、講習会で知り合った他チームのコーチとの交流も貴重な体験でした。
その後、C級コーチも取得しましたが、合宿制だったのでより親密な交流ができました。
サッカー指導に関わる人々の熱さに触れました。
20年前はとにかく情報がなかった。情報を集めないと手に入らなかった。
お金を使ってあちこち行って、膨大な時間を使って編集しました。
情報の良し悪しなんて比べようもない。
なんでそんなことをしたのか。
チームの先輩コーチに聞けばよかったのではないか。
チームの先輩コーチ、監督、ヘッドコーチ全員に聞いての行動なんです。
私は今でも先輩たちをリスペクトしていますが、先輩たちも手探りで情報を集めていました。その情報をもとに指導して、成功や失敗を繰り返していました。
当時、2002年の日韓ワールドカップ開催前でサッカーブームの真っ最中でした。
サッカー経験者の発信はたくさんありましたが、サッカー指導者の発信はほんとに少なかったですね。
先輩たちを超えるコーチになりたい。
目の前の選手たちによりよい指導をしたい。
よい選手を育てたい。
そんな思いで奔走する私を見守ってくれた妻には今も頭があがりません。
サッカー・ウィドウって言葉があります。
ググってみてください。泣けます。
メルマガを発行する
少年サッカー指導者からの情報発信を目的に、2008年10月にメルマガ配信スタンドの「まぐまぐ」からメルマガを発行しました。
発行当時は数十人しか読者がいませんでしたが、一時は2,000人近くまで読者が増えました。
私のメルマガの特徴は「3つのB」を教えることでした。
3つのBとは次のとおり。
●Ball-Control (ボールコントロール)
●Body-Balance (ボディバランス、フィジカル)
●Brain (ブレイン=頭脳=頭を使う、知識、アイディアなど)
小学生を指導していて、この3つをバランスよく指導することの大切さをつくづく感じていました。
文字での情報なので、練習メニューは図解を用いました。
エクセルの図形描画ツールを使って作りました。
こんな感じです。
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DVDがどんどん発売されてきた
日韓ワールドカップの後、サッカーに対してメディアの動きが活発になりました。
2006ドイツワールドカップ、2010年南アフリカワールドカップと連続出場する日本代表の活躍を背景にサッカービジネスも盛んになりました。
サッカー上達法のDVDが発売されるようになりました。
しかも小学生や中学生向けの内容です。
大人用のものはいくつかありましたが、小中学生用のDVDが出るなんてなんていい時代になったんだ。そう思って小遣いをつぎ込んだものです。
日本代表選手のDVDも多く、阿部浩之、城彰二、福西崇史、前園真聖などなどの選手がDVDを出しました。
解説の早野宏史さんもDVDを出しましたね。
その他、地方のサッカークラブの監督やコーチもDVDを出すようになってきました。もう取材のためにあちこち行かなくてもよくなりました。
ほとんどのDVDを購入して何度も見て、自分のチームで実際に試してみました。
しかし、DVDの中には買って失敗だったものもあります。
また、小学生のサッカーにマッチする内容とそうでもない内容と別れます。
DVDの販売はほとんどがネット通販でした。
1枚1万5000円ほどするDVDですが、本屋には売られていません、ネット通販です。最初は不安でした。
しかし、本屋のDVDではありえない「メールサポート」がついていました。
これを活用しました。サポートの方も大変だったと思います。
メルマガ読者との交流
毎週発行しているメルマガでは、自分が新しく購入したDVDを紹介することもありました。
すると、読者の方から内容について質問をいただくこともありました。
メルマガの読者の方との交流はとても有意義なものでした。
練習メニューのPDFを送ったり、選手たちの動画をDVDでもらってコメントするなど、オンライン指導も有意義でした。
東日本大震災
2011年の東日本大震災は未曾有の災害を日本にもたらしました。
多くのサッカー少年、保護者、指導者が犠牲になりました。
10年以上経ちましたが、あらためてご冥福をお祈りします。
日本サッカー協会も、サッカーをしている場合じゃないという状況から、サッカーで復興しようと立ち上がりました。
全国少年サッカー大会は、決勝大会の開催地を福島県のJビレッジから鹿児島へ移して行われました。実は8人制サッカーの導入はこの年からです。
サッカーで復興を!という旗頭になってくれたのは、なでしこジャパンでした。
2011年、なでしこジャパンがワールドカップで優勝しました。
決勝戦、澤さんのシュートに鳥肌が立ったものです。
被災した日本に、サッカーがしたくてもできない地域に
日本中のサッカーファンになでしこジャパンが勇気をくれました。
私は、なでしこジャパンの活躍で力をもらい、チーム活動、メルマガ、ブログの活動を再開することができました。
必死に復興に立ち上がる日本人のたくましさを感じました。
YOU TUBEがサッカー指導現場を変えた
震災以降の数年で、高速ネットワークが普及しました。
日本人の手にはスマートフォンが当たり前になってきました。
パソコンやスマホでYOU TUBEを開くと、サッカー上達に使える関連動画がたくさんアップロードされるようになって来ました。
動画の内容は小学生向けだったり、ドリブル専門だったりとバリエーションも豊富になりました。
クリエイターの方々も、高校サッカーの指導者として活躍している方だったり、全国大会で活躍するクラブチームの関係者だったりと有益なものが増えて来ました。
いつしかサッカーの練習でYoutube動画が話題になり、動画で紹介しているスキルにトライするという風景も見られるようになりました。
一方、DVDはいつの間にか発売されなくなりました。
今も発売されているのは城彰二さんのDVDでしょうか。
定番中の定番でしたからね。
情報を選ぶこと
YouTubeでサッカー上達法がたくさん見られるようになった現在、あらたな悩みが生まれています。
それはどの情報を選べば失敗しないのかという悩みです。
どの動画も間違ったことは言っていないように見えるけど、やり方や考え方が違う。
ドリブル、キック、コントロール。すべてのスキルが動画で学べるけど、どれをどの順序で練習すればいいのかわからない。
そもそもチーム練習でコーチが言っている内容と動画の内容が違う。
動画VS指導現場。みたいな様相ですね。
サッカーの本質と小学生の特性について
で、結論です。
「サッカーの本質と小学生の特性を理解する必要ある」
サッカーの本質とは、ボールをゴールに入れること、ゴールを目指すこと
ゴールを守ることです。
相手チームとの戦いなので、ボールを持ったら必ず奪いに来ます。
奪われないようにボールを相手ゴール方向に運ぶこと。
Youtube動画もチーム練習もここで必要なスキルを身につけるための方法が紹介されているはずです。
ただし、最近ですが、ゴールに向かう迫力(気持ち・意志)が足りないのでは?と感じる場面が多いです。
ドリブルでボールを持ち続けること、パスを回してボールを持ち続けることで優勢勝ちにはなりません。
小学生の特性ってどういうこと?
それは、小学生とひと口で言っても小学1年生から6年生まで6歳の違いと6年間の発育発達の違いがあるってことです。
小学生スポーツは特別な存在です。
さらに、親、保護者の関わり方がとても重要なことです。
中学生ならもう大人と言えても、小学生はまだ子供です。
生活の基本から身に着けなければなりません。
何人かの小学生にボールを1個渡したら、ボールの奪い合いになるでしょう。ゴールを作ってもボールの奪い合いになるでしょう。
サッカーの本質が小学生には通用しない場面がたくさんあるのです。
それは保護者にとっても同じことです。
サッカーチームでは自分のことは自分でしなければなりません。
しかし、選手が家を出てくる時にはサッカーシューズやシャツやらソックスやら飲み物やら一切を親に渡されて、バッグに入れてもらって出てくる。
保護者はサッカーの本質と小学生の特性の両方を理解する必要があります。
小学生本人よりも大変なのです。
生まれてはじめてサッカーを始めることと
生まれてはじめてサッカー少年の親になることが同時にスタートするのが少年サッカーなのです。
まとめ
私がここに気づくまでに何年かかったでしょうか。
どうすればいいのかわかるまで何年かかったでしょうか。
このような考え方に立って、少年サッカーのこと、保護者としての行動などについて記事を書いていこうと思います。