『本日の一冊』
今回ご紹介するのは、「FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」という本です。ビジネス書ランキングで長くランクインしているベストセラーですので、すでに読まれた方も多いかもしれません。
著者はスウェーデンの医師で公衆衛生学者のハンス・ロリング氏です。彼は世界中で様々な活動をしていく中で、人々が世界をとんでもなく誤解していることに気がつきます。教育レベルの高い人や、世界を飛び回るビジネスマン、ノーベル賞受賞者さえ正しく世界を把握していなかったのです。
この本の初めには、13の質問が書かれています。例えばこのような問題。
世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
A.約2倍になった B.あまり変わっていない
C.半分になった
さて、あなたは自信を持って答えられますか?ちなみに、上記の質問の正解はCで、正解率は、平均で7%だそうです。これはチンパンジーが適当に選んだ答えよりも低い割合。つまり、私たちはチンパンジーより世界の現実を知らないかもしれないのです。
このような質問に答える形で、この本はいかに人間が、思い込みや感情に訴えかける報道やアップデートされていない知識などで、世界を誤って把握しているかを徐々に解き明かしていきます。
さて、もう一問。自然災害で亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?
A.2倍以上になった B.あまり変わっていない
C.半分以下になった
これも自信を持って答えられますか?
答えはC。そうです、自然災害で亡くなる人は格段に減っているのです。これ以外の質問もほとんどが、世界がいかに昔より良くなっているか、人々の生活が向上していて社会が進歩しているかを示すものです。
自分も含めて私たちは、毎日、殺人事件や自然災害などのショッキングなニュースに触れています。その報道がセンセーショナルであればあるほど、事件事故は増え凶悪化し、世界は段々と悪くなっているのではないかと考えてしまいがちです。
しかし、この本が私たちに教えてくれるのは、今この瞬間が人類の歴史上最も良い時代であること、それは常に更新されていくのだということです。
きっとあなたは、この本を読み進めるうちに、事実(ファクト)に基づく世界の見方を知り、明日が今日よりもっと良い日になることを信じる気持ちになるでしょう。毎日の悲惨なニュースにうんざりしているあなたを元気にする、オススメの一冊です。
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