結局、デグロムは何がすごいのか
ペトコ・パークで観た試合の動画を見返して、ファストボールをゾーンに投げまくるデグロムへの愛がほとばしり、statcastのデータで彼のボールの優位性について王道な観点から分析してました。
(結論から言うと、微妙なものなのであまり期待しないでね。)
まず、どんなボールを投げているか。投球割合。
FF(4シームファストボール)が約44%。MLB平均は35%程度なので、FFは彼の投球の中心。
カウント別のFFの投球率はこちら。
初球(0-0)、追い込んだカウント(0-2、1-2、2-2)でよりFFを投げています。
データからも、FFが彼にとって勝負球であるということ。
正真正銘のパワーピッチャー。
実際FFで抑えているの?という答えはこちら。
球種別被打率(AVG)、および被長打率(Slug)。
AVGが.214、Slugが.344。全然打たれてない!
ちなみにスライダー(SL)、チェンジアップ(CH)も一級品です。
と、ここからがメインのモチベーション。どうして打たれていないの!?
球種ごとの縦変化、横変化がこちら。
pfx_xがホームベース中心を0とした横の変化量(cm)。
pfx_zが自由落下の影響を除いた縦の変化量(cm)。
FFの縦変化(pfx_z)が+44cm!めっちゃ伸びてるやんけ!
と思いきや、MLB平均と同じくらい。自由落下の影響をのぞいているので、基本的にFFのpfx_zはプラスになります。
横変化(pfx_x)の-20cmもMLB平均。
つまり、FFの変化だけを観ると、平均的なボールなのです。
ただ、SL(スライダー)については特徴的で、縦変化はMLB平均より+9cm。横変化は-9cm。
"曲がる"というより、"FFより伸びない"球で、ヒットされるのを防いでいます。
いきなり、変化量を見るのではなくて、おとなしく球種別のスピードと回転数を見ましょうね、と。
speedがその通りスピード(km/h)。
effective_speedが打者の体感速度(km/h)。リリースが打者寄りだと数値が上がります。
spin_rateは分間の回転数(rpm)。
FFのMLB平均は150km/h、回転数は2255。
ここから考えると、
純粋に速い、回転数も高くてキレ抜群、リリースポイントも打者寄りで体感速度が速い
ことがデグロムのFFが絶品である所以みたい。
意外と普通な結論。。。
本当は前後の配球でFFがどれほど効果があるのか調べたいのだけど、ボクの分析力ではここまでです。。。
おそらく、基本的には10km/h遅いSLでカウントを稼いで、FFで仕留めているのかと。
ちなみに、2017年に限ると、FFの体感速度は155km/h、回転数は2360。
成績も15-10 3.53で過去最高。
今年も追い込んでからの高回転FFに注目してます。
2020/7/19
デグロムについては新しい記事も用意しています。