クアーズ・フィールドの楽しみ方
今回紹介するのは究極の打者有利の球場、クアーズ・フィールド。コロラド州デンバーにあり、ロッキーズの本拠地である。
標高1600メートルの高地にあるため気圧が低く、打球が異常に飛ぶことで有名であり、標高0メートルの球場に比べて打球が10%伸びるという打線全員がギガキングで振り回りているようなチート球場。
例えば、通算HR数294本、通算打率.238の終身名誉ブンブン丸マーク・レイノルズ。ロッキーズ移籍前まではOPSが.700をウロウロしていたところ移籍後2年間は.806、.839を記録しスラッガーに変身。また、打率3割以上がなかったマイケル・カダイヤーがロッキーズに移籍して、こちらもいきなり.331で首位打者をとってしまうなど、まさしく打者再生工場と化している。
逆に、ピッチャー、特にフライでアウトを取るタイプのピッチャーには地獄である。
と思いきや、単純にフライが伸びるのではなく、ゴロでも打球が早くなるので結局ゴロ系のピッチャーを揃えても結局は打たれまくるという・・・
空気抵抗が低いので変化球も曲がりにくく、ってことはストレートの”ノビ”も出ないわけだ。自由落下のフォーク、チェンジアップ投げるしかないのでは。
ちなみにこの投手地獄の球場で唯一のノーヒッターはフォークが武器の野茂英雄である。
うむ、よく落ちている。
クアーズ・フィールドはマイル・ハイと言われる高地にあるので、さぞかし山奥にあると思いきや、アクセスはとても簡単でダウンタウンから徒歩圏内で行ける。
ダウンタウンにもデンバー国際空港からRTDという電車で40分、確か10ドルくらい。
RTD。ユニオンステーションにて。
電車から見えるクアーズ・フィールド。毎回球場を初めて見るタイミングはかなり高ぶる。
デンバーのダウンタウンは活気があるし、とてもきれいで街の人はおしゃれ(いい感じの写真がないけど)。
今までアメリカのいろいろな都市に行ったけど、ほとんど街に歩行者がいないし、まれに見る村人たちは基本的にパーカーにハーパン、もしくはスパッツみたいなファッション。実はこれが真のアメカジなのである。
Safariを読んでいるメンズ諸君。間違わないように。
デンバーの雰囲気としてはボストンに近いかもしれない。
無料の公共バスが走っているので、ダウンタウン内の移動はとても楽。
ちなみに、何度も言っているように公共交通機関の利用者の多様性は日本の比ではなく、基本的に車内では誰かが叫んでいる。それをThis is Americaと思うか、治安が悪いと思うか、あなた次第。
デンバーではぶらぶら歩き、美術館にも入ったりしつつ、小さい街なのでそれでも時間が余ったので開場より早く球場へ到着。チームストアへ。もちろんメニメニダラーを握りしめて、アレナドのレプリカユニフォームを買うつもりである。
しかし、ない。全くない。9月、更にプレイオフ争いもしていないとなると、人気選手であってもこの時期はもう在庫の補充はしないのだろうか。
非常に声の低く、今にも”どうもすいませんでした”といいそうな体格、髪型、性別の女性職員に”May I help you?”を問われたけど、丁寧にお断りした。
さて、球場入り。1995年完成し、今のMLBでは古い部類だけど、とてもきれいな球場。天気もよく、芝生がすごく映える。
以前、大谷がクアーズ・フィールドでバッティング練習をしていたとき、このライト二階席にガンガン打ち込んでいたのを覚えている。どんな飛距離だ。
ちなみにこのライトフェンスに直撃のスリーベースで、イチローは3000本を達成。
クアーズ・フィールドは内野席にネットもなく、誰でも前方に行けるので選手がよってきさえすればサインはもらいやすい。
この日はトレバー・ストーリーからゲット。
アレナドからはもらえなかったけど、ここまで近寄れたので十分である。
チケットは、ここでもアレナドを拝みたく3塁側ベースよりの前方席。
対戦相手はメッツで、隣のおばさんがメッツファンだったのだけど、この日先発のマッツが絶不調で”マザー○○○○”連発。
低気圧を生かしてか、この日はストーリーが特大弾に加えて三遊間の打球処理、セカンドフォースアウト時の超美技などで活躍して、ロッキーズが勝利。
ストーリーってただのブンブン丸のイメージだったけど、守備めちゃくちゃうまい。
目の前をメッツの大物ルーキー・アロンソが走ったのだけど、アスリートとは言えないフォームだったな・・・※上記2:15くらい
ピート・アロンソ。この日は長打力ではなく激走を見せる。
クアーズ・フィールドは立地ゆえ日本でも有名な球場。アクセスもいいし、おすすめである。ただし、春先はかなり寒いらしいのでご注意を。
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