アーロン・ジャッジの打ち取り方
※3/23 修正
近年MLBではstatcastというレーダー技術で、1球1球のスピードなり、回転数なり、打球速度なり詳細なデータを取得していて、何が凄いかって、
csv形式で誰でもダウンロードできるんです。
で、データ分析のスキルアップもかねて、研究結果をまとめていこうかなと。
まずとりかかったのが2017年新人王アーロン・ジャッジの打ち取り方。
ジャッジは昨季は52HRで1987年のマグワイアの新人HR記録を更新。
1本1本の飛距離も凄まじく、特に好きなのがシティフィールドで打ったこちら。
シティで3階席弾なんて見たことがないし、レフトは一歩も動かないし、
笑みがこぼれる打球ですよね。
ジャッジ様2017年の全打球の打球速度、打球角度がこちら。
緑が長打(2塁打、3塁打、本塁打)。青がアウトも含む、それ以外の打球。
打球速度100mph以上、打球角度10°〜40°あたり(赤枠。いわゆるバレルゾーン)で確実に長打にしています。
もう、こんな打球打たれたらゲームオーバー。
ってことで、ジャッジにハードヒットされないためには何投げればいいの?っていうのが今回のゴール。
まず、対右の球種別平均打球速度&角度(右投手)
ちなみにジャッジは対右の打率が.298、長打率.662と右のほうが得意です。
FS(スプリッター)、KC(ナックルカーブ)は、サンプル数少ないため今回は除外。
一番赤枠のバレルゾーンから一番遠い球種が、FT(2シーム)とSL(スライダー)
実際に2球種の打率、および長打率は
FT .301 .614
SL .161 .305
SLは有効そうだけどFTはヒット自体は打っている。
ただし、それは内角の話。
ホームベースを左右に分割したコース別のFTの打率、および長打率は
内角 .354 .729
外角 .229 .457
さらに、SLは外角が全く打てないようで、
内角 .229 .543
外角 .133 .205
SLに関してはアウトローに投げられて、見事に三振に仕留められています。
ちなみに、FTの質(変化量)を分析。
pfx_xがホームベース中心を0とした横の変化量(feet)。
pfx_zが自由落下の影響を除いた縦の変化量(feet)。
緑が長打。青がそれ以外の打球。
変化量と打球の結果にはあまり傾向がなさそう。
ということで、ジャッジを打ち取りたければ外角にFTかSL!
内角は厳禁よ。