打開せよ先入観

人は見かけによらないとか、本当にその通りだなと思う。
しっかりものに見えて実はちょっと抜けてて可愛いとか、太っているふりして実はお腹に生首隠しているとか（コナンくんネタ）。

勝手な先入観や固定観念のせいで酷い誤解をしたり、無駄な回り道をしてしまったり。
それは何も人間相手に限ったことではない。

私が通っていた高校は田舎にありながらも私服校だった。
スクールカーストという言葉があるが、私の通っていた高校での私服はそれを一目瞭然にする役割を担っていた。お洒落な人はカースト高め、運動部でもないのにいつも指定ジャージかチェックシャツばかり着ている人はカースト低め、こんな具合に。
勿論例外もあるが、はっちゃけイケイケ女子なんかは漏れなく都会にまで足を運んで服を買っていた。いろんな意味で意識の高さが全面に出ている。

ある時、好みドンピシャな服を着ていたイケイケ女子に購入したお店の情報を聞き、興味本位で通販サイトを見たことがあったが、値段を見た瞬間に本気で後悔した。そこに並んでいる服のほとんどが当時の私が奮発して買った服の倍の値段だったのである。

そんなイケイケ女子たちがこぞって飲んでいたものが、500mlのリプトンだった。何故かみんな自分の机の右上端に常備していた。
紅茶と無縁の人生を歩んでいた私はリプトンと聞いても何か分からなかったが、教室全体に響き渡る大声でイケイケ女子たちが「リプトンのミルクティー激うま～～」とか言っているのを聞いて、初めて紅茶だと知った。

「リプトン？あんなお洒落なもの見たことないけど…どこまで意識高いんだイケイケ女子…。あんな見せびらかすように置いちゃって。でもリプトンって何処で売っているんだろう？服を買うついでに都会で大量購入して、それを持ってきているのかな。それとも通販？どちらにせよ高校生の分際で普段着に一万円を越える服を着ている人たちが飲んでいるものなのだから、なんとなく高そう。しかも彼女たちはそれをほぼ毎日飲んでるから、１個200円だとして、それを５日で1,000円。それを４週間で…4,000円…？！てか紙パックの飲み物で200円って…。私は１週間頑張った自分への褒美に自販機のカフェオレ（90円）を買うので精一杯なのに。これがカースト上位の力…。」

とかなんとか嫉妬なのか羨望なのかよくわからないことをドロドロと考えながら私の華の高校生活は終わりを迎えた訳だが、皆さんご存知の通り、リプトンは100円ちょっとで何処にでも売っている。リプトンはみんなに愛される飲み物として、存在感を放ちながらコンビニに普通に佇んでいる。
紅茶に対するトラウマ（昔、午後ティーのミルクティーで吐いた）があるから紅茶なんて見向きもしなかったし、イケイケ女子たちの華やかさ、私の性格の歪みと世間知らず加減が相まってとんでもない思い違いを引き起こしていた。ごめんね、リプトン。
ちなみに、その後しばらくして友達に「リプトンって高いよね」と言ったら思い切り馬鹿にされ、そのままコンビニに連れていかれた。

人の勝手な思い込みって本当に怖い。そして勝手に思い込まれる方も全然良い思いをしないことも結構ある。
先日、職場の方から「若いからSNS得意だよね？」と言われて居たたまれない気持ちになった。自分がまだ若い内に入っているのかどうかはさて置くとして、私はTwitterこそ辛うじてやっているが更新頻度が壊滅的だし、Facebookもインスタもやっていない。こうやってnoteだのYouTubeだのminneだのをやっているのが奇跡なほど、ネットやSNSにはめっぽう弱い。
「年配者と比べてネット社会と距離が近い若者はSNSが得意そう」というイメージはわかる。だが、それが「＝若者はSNSが得意」とするのは安直な気がするが、どうだろうか。

…なんてことは、自分が思われた側だから気付けたことである。思う側は、そんな疑問を誰かが抱いていることを微塵も察することないまま生活をしている。きっと自分もどこかで、それこそリプトン事件のようにとんでもない思い込みや思い違いをしているのだろう。
捻くれている自分を正当化してくれる自分だけの自己中ワールドを広げることも大好きだけど、まずは物事を色眼鏡を使わずに見つめれるような人間にならないとなあ～

みたいなことを先日ぼんやり考えていたら、いつの間にか寝落ちしていました。久々に真面目そうなことを考えて相当頭が疲れたんだな。
今日は早めに寝ることにします_(:3 」∠)_