混迷のセリエA、ユベントスはどこへ?
こんにちは、Kanです。
全世界を巻き込むパンデミックの影響により、我々カルチョファンの生きがいであるセリエAも含めて、数多くのスポーツが無観客試合での開催か実施の延期が発表されています。
そんな中、ユベントスからもルガーニ、マテュイディ、ディバラ並びに彼らのパートナーからの新型コロナウイルスの陽性反応が報告されました。
今のところは無症状ということですのでこのまま終息に向かってほしいものです。
またイタリアではウイルスの影響による世界最多の死者数を記録しているというニュースもあり、心が痛みます。亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共に、一刻も早くいつもの日常が戻ってくることを願っています。
さて、今季のセリエAはスクデット、CL・EL出場権、残留争いの全てにおいて熾烈を極め、DAZNの解説でもお馴染みの隠れ(?)ユベンティーノでもある細江克也さんも度々おっしゃる通り、今年のセリエAは過去一面白いと僕も思います。
そんな中でもユベントスは辛うじて首位に立ち、UCLのリヨン戦においては完敗でしたが無観客で行われたイタリアダービーでは素晴らしいパフォーマンスを魅せました。
この試合でサッリ監督は絶対的なアンカーとして起用していたピアニッチをベンチに置き、今季成長著しいベンタンクールをピアニッチのポジションに起用しました。このことが勝利を手繰り寄せる大きな要因であったことは間違いないでしょう。今まで手を加えなかった中盤の底に手を加え、それが目に見える2-0での勝利という形で結果が出たことは監督にとって大きな自信となったことでしょう。
そしてこの勢いのままにカンピオナートを戦おうというところでしたが、前述したようにセリエAは長い長い中断期間へと突入しました。
そこで僕は一度立ち止まって、最近のユベントスと僕が好きになった頃のユベントスとの違いを考えてみました。僕が「ユベントス」というクラブチームの名前を知ったのは小学5~6年生、2012年頃のこと。当時の僕はサッカーを習っていたわけではなく、休み時間や体育でやる程度で、どちらかといえば従兄弟の部屋にあったPS2のウイニングイレブン2008を食い入るようにやっていたことが海外サッカーにハマるきっかけになったと思います。
周りの友達もサッカーにハマる中、彼らが注目していたのはメッシやシャビ、イニエスタを擁するバルセロナ、今はユベントスのゴールマシンとなったクリスティアーノ・ロナウドが在籍していたレアル・マドリードや、日本代表の10番である香川真司がいたマンチェスター・ユナイテッド、本田圭佑が移籍したミラン。小学生のころから誰かと同じというのは嫌だった僕は、エンブレムとユニフォームのカッコよさ、そしてYouTubeか何かで見た永遠のアイドルであるアレッサンドロ・デルピエロの優雅なプレーに惚れ込んでユベントスのファンになりました。
そして僕は中学校からサッカー部に所属して本格的にサッカーをはじめたわけですが、両親がスポーツに関心がなかったこともありユーベの試合をフルタイムで観れたわけではありませんでしたが、YouTubeのハイライトなどで情報を得ていました。短い時間ながらもユベントスというチームの「勝利こそがすべて」という哲学を感じることができました。また、先に挙げたようなメッシやロナウドといった世界的なスーパースターがたくさんいるようなチームではないながらも、熱い魂を持った男たちが、しぶとく、粘り強く、泥臭く勝利を掴みに行くというのは他のどのチームよりも輝いて見えました。
そこから月日は流れて2018年、僕が17/18シーズンの終盤からDAZNでユーベの試合を観るようになったその矢先、ブッフォンはPSGへ向かい、「小さな王子」マルキージオもロシアへと飛び立ちました。そして夏のメルカートでは泣く子も黙るスーパースター、クリスティアーノ・ロナウドが加入しました。彼の加入はそれだけでチームの力を引き上げることは間違いなく、大きなアドバンテージになる。もちろんそのことは嬉しかったのですが、自分の中では引っかかるものがありました。
前述したように僕がユーベを好きになった理由は、誰もが知るスター揃いではなく「渋い」メンツを揃え、どんなサッカーをしながらも最終的に勝利を手にする姿が何よりも美しかったからに他なりません。しかし遂にはサッカー界のアイコンを獲得したユベントスはもうあの頃のユベントスではなくなって、銀河系軍団と化してしまった。
サッカーチームというのは生き物であり、常に移り変わっていくもので、彼の獲得は95/96シーズン以来のビッグイヤー制覇に向けたフロントの決断であり、我々サポーターはそれを受け入れてついていくしかない。それでも僕は違和感を拭えずにいました。その恩恵を受けアトレティコを2点ビハインドから打ち破り、ビッグイヤーは掲げられなかったもののユーベは3つのタイトルを獲得しました。しかしフロントは偉大な功績を残したマッシミリアーノ・アッレグリ監督を解任、ポゼッションサッカーという確固たる思想をもつマウリツィオ・サッリを監督に招聘。ここでも僕は違和感を覚えました。確固たるスタイルを持たずとも勝ち続けていたユベントスがサッリ監督を後任に選んだわけです。
新スタジアムの建設、クラブエンブレムの大幅な刷新、CR7の獲得。それでも手の届かなかったUCLのタイトルを獲るために招聘したのはマウリツィオ・サッリ。選手層は欧州屈指と呼ばれながらも、カンピオナートも折り返してUCLのラウンド16も行われる3月となっても不安定なままでいる。時間をかけて成熟するスタイル故に長い目で見ることが必要なのかもしれませんが、ユーベにそれはあっているのか…。
往年のセリエA、ユベントスファンの方々からはクソガキが何を言ってるんだと思われても仕方ないですが、僕はあの頃のようなユベントスをいつまでも追いかけ続けるのかもしれません。
ただ、どんな指揮官や選手がやってきても、先の見えない暗黒期が訪れたとしても、真夜中に起きて眠い目を擦りながらエナジードリンクを流し込み、画面に映る白と黒のチームを声や涙が枯れてでも僕は応援し続けます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは。