見出し画像

最近、落語に目をつけている

こんにちわ。
今回は「落語に目をつけている」というお話です。

在宅ワーク中、ラジオを聴いているのですが、ジェーン・スーさんがパーソナリティを務められている「生活は踊る」のコーナーで「文章がうまくなるにはどうすればいいですか」という相談がありました。その中で話題に上がったのが、立川志の輔さんの落語。冒頭の世間話(まくら)から本編への導入が秀逸で、起承転結を大事にする文章屋も唸るお話の構成だと絶賛されていました。

雲田はるこさんの「昭和元禄落語心中」や、週刊少年ジャンプの「あかね噺」も話題を呼び、落語に注目が集まりました。タレントや役者として活躍している落語家さんもいらっしゃいますね。

今回は、そんな落語について、注目すべき点を書いていきたいと思います。


起承転結 話の基本に基づいた構成


数年前までは落語といえば「笑点」ぐらいで、なんの関心もありませんでした。しかし、冒頭に述べた漫画やラジオで「落語」の話題を聞き、「寿限無」や「死神」が話題となると「話に起承転結があり、オチもきっちりしている。ユーモアも効いてテンポもいい。物語としては最高クラスなのではないか」と注目するようになりました。

落語のすごいところは以下の通り

  • 噺のジャンルが多彩:落語の演目は、滑稽話、人情話、ホラー話など、幅広いのが特徴です。それでいて、現代でも共感できるエピソードが多く、思わずほろりと涙が 出たり、腹の底から笑ったり、背中がゾクリとするような、聞き手の感情を揺さぶるお話ばかり。登場人物たちは個性豊かで、のんびり屋やせっかち、怒りっぽいなど、友達にいそうな身近な市井の住人たち。そしてなんといっても、その多彩なエピソードや個性豊かな人物を、噺家ひとりで演じているのには、驚きです。

  • 起承転結がしっかりしている:起承転結は物語の基本です。また、何かしら教訓があると、より作品に深みが増します。落語にはその両方があり、適度な笑い・滑稽さを含みながら、義理人情でもって、聴いている人々の心に深く刺さるオチがあります。また、噺に入る前の助走にあたる「まくら」は、噺家さんによってつかみが異なり、それぞれの特徴が出ていて面白い。文章を書く上での導入としても非常に参考になります。


噺家さんの技量に頭が下がる


NHK Eテレ「にほんごであそぼ」でも、落語の一節を取り上げたりしていて、子どもたちの耳にもよくなじんでいました。言葉遊びの面白さ、当時の江戸風俗や慣習を知ることもでき、教養としても非常に良さそう。

川端誠さんという作家が、落語のお話で絵本を出版されているので、この世界をもっと知ってもらおうと、読み聞かせをしてみました。


全然うまく読むことができない!!!

噺家さんの小気味よいテンポが全然出てこない!
軽快なやり取りや、鋭い切り返しもイマイチ迫力がでない!!
登場人物たちの演じ分けもうまくできない!!!
そもそも、嚙むし、つっかえるし、口が全然回らない・・・


あたらめて、噺家さんたちの度量を思い知りました(当たり前)
寿限無なんかは、いくらか調子よく読み聞かせられるのですが「時そば」は難しいですね・・・勘定をごまかすための蕎麦屋とのやりとりが肝なのですが、演じ分けができずに聞いている子どもたちもぽかんとしてしまいました。
それでも、そばをすするシーンは面白がってくれて「もう一度やって!」と何度もせがまれました。蕎麦屋の看板の意味合いにも興味をもって聞いていてくれたようです。

読み聞かせの後に、改めて噺家さんの演目を拝聴しましたが、やり取りの演じ分けや小道具の使い方など、本当に巧みですね。頭が下がる思いです。


いつの時代も変わらない「義理」と「人情」


忙しい毎日をなんとか乗り切ろうと、自己啓発を勤しんだり、マネジメント本を読んだり、タイパ・コスパを考えたスケジュールを組んだり・・・と、充実した毎日のはずが、なんだか擦り切れる思いがしている今日この頃。

「無駄を省け」「人づきあいは最低限でいい」「自分のことを愛しなさい」と、とにかく「省エネ」で「コスパ良い」人生が最近の流行りとなりました。

なぜか無味乾燥で味気なく、心が乾いていくばかりです。

落語の世界に浸ると「人情」や「義理」、笑いの奥にある「人間らしさ」を垣間見て、自分自身やこの日常を見つめなおすきっかけを与えてくれます。
子どもたちにだって伝えていきたいのは、テストで高得点取れる方法とかいい大学に進むことではなく、人と人が生み出す温かな感情の大切さです。

耳で聞くだけでも面白いので、家事の合間や車の移動中なんかにもオススメですよ。
興味が出た方は、落語を聞いてみてくださいね。

読んでいただきありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!