今週読んだ小説の軽い感想(2/26-3/4)

刑事物多め。シリーズものはシリーズものでまとめる。

・京都謎解き四季報シリーズ

 設定はそこそこ無茶な感じはあるけれど、人が死なないタイプのミステリーとしてはそこそこ謎解きのレベルは高いかも。話自体は綺麗にまとまっていて、短編集なこともありサクッと読める。
 しかし、メインヒロインのキャラがいまいち弱い上に、キャラを強くしようとした時のイベントも「面倒くさい女」感が上書きされただけ感が強くて、バーテンの相馬さんととサブ枠の女性キャラの個性が悉く強烈で、相対的に彼女たちに食われてしまってる感が否めない。もうちょっと魅力的だと主人公の行動動機もすっきりする気はするんだよなあ。

・メゾンドポリス4

 やっぱこの作品は短編のが映えるな、と再認識。3みたいに事件が大きくなりすぎると警察の無能感が強くなりすぎるので、短編くらいのスケールで起こる事件の方がわちゃわちゃしながらおじさんたちが解決するのに相応しいスケール感な気はする。
 全編通して夏目さんのルーティーンが少なかったのは少し物寂しい感じはあるけど、彼の過去をガッツリ掘り下げる話もあるのでまあ十分。健康診断の話なんかはうまく設定を生かしてコミカルに描いているので、やっぱ安定して読めるシリーズだよなーって思う。

・目白台サイドキック 女神の手は白い

 正しい順番がわからず、なぜか3作目を読んでしまった()
 バディものとしての独自性を狙いすぎた結果、「こいつ刑事じゃなくてもよくない?」ってキャラと「こいつミステリーに出す意味薄くね?」ってキャラ同士がバディを組んでる上に、必要性が薄い設定がめちゃくちゃ多いのでなんとも言えない感じになる。あと最後まで読んでも誰と誰をサイドキックとして描写したいのかなのかいまいちわからねえ〜〜という感覚が抜けなかった。これに関しては半分くらいは何故か3を3作目を読んだ俺も悪いとは思うけども。
 事件の規模・猟奇性共に長編にして問題ないタイプのものではあるとは思うんだけど、正直間延びしてる感は否めず。オチも正直かなりいまいち。
 BLっぽい掛け合いだけはまあまあうまかった気がする。今週だと1番のハズレかなあ。

・オニマル異界犯罪捜査班シリーズ

 それらしい異界は絡まないのに異界とはこれいかに(上手い駄洒落)。捜査班も作中で登場しないので、割とタイトル詐欺ここに極まれり、みたいな作品ではあると思う。
 血界戦線とかそれ系の作品を期待して読んだが、どっちかって言うと割とシンプルな刑事ものという感じの作品で、バディ物の要素のが伝奇的な要素より強い。一応「物っ怪」という怪異的な存在が登場するし、主人公が鬼の「物っ怪」なので、これがまあ異界要素なんだとは思う。ただ、シリーズ9編中「物っ怪」が犯人なのは2作品しかなく、それ以外の作品では鬼の主人公が最後に鬼の姿で事件の陰で法で裁けない形で暗躍していた人々に制裁を加えるシーンくらいしか伝奇的な要素がない。正直拍子抜けした。
 ただ、キャラは割と魅力的に描けている上に、事件の真相もしっかり捻って作ってあるのでシンプルな警察物としてのクオリティはそこそこ高い。タイトルが違えば評価も違うんじゃないかなーという感じの作品。まあ元々はホラー文庫の作品だし仕方ないのかな。ちなみにホラー要素はほぼゼロだが。

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