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失礼な言葉がモチベになることもある

「お前さ、女捨ててる自覚あんの?」

そう言われて「あるよ。なかったら今、この状態じゃない」と笑って返した。
そのときは笑っていたけれど、ずいぶんと時間が経ってからだんだんと腹が立ってきた。

言われてから何年も経つのに、今さら? と自分でも思う。
でも、何度も思い出すくらい、自分にとってインパクトのある言葉だったんだろう。
ずっと目を背けてきた「容姿を磨くこと」に最近興味を持ち始めたから、それに関することとして思い出しているのかもしれない。

そして何度も思い出すうちに「あれ? 私、だいぶ失礼なこと言われてない?」と思うに至った。
関係性や人によっては、言われた側がブチ切れてもおかしくないくらいの言葉だと今では思っているんだけれど……どうなんだろう?
言った方は、失礼だったなんて1ミリも思っていなかったはずだ。そういう人だったし。
だいたい彼女でもなんでもない、ただの友人である私にこの言葉を投げられるって、なかなかな神経だと思う。
こんなこと平気で言ってくる人、彼氏でも嫌だけど。

ただ、この言葉を思い出してイラっとするおかげで、モチベを保てているところもある。
面倒だと思ってスキンケアを手抜きしそうになったとき。
1日に最低でもこれだけは! と思っているエクササイズをサボりそうになったとき。
食べないほうがいいとわかっているお菓子に手が伸びそうなとき。
「女捨ててる自覚ある?」が脳内再生され、自分をちょっとでも磨く方の行動が取れるようになってきた。

「女だから」って必ずしも自分磨きが必須かといえば、そうでもない。
何を基準に、何を優先して大切に生きるかは人それぞれだし、それは他人がとやかく言わなくていいところだ。
ただ私は、ちゃんと身なりに気を使っている女性や女装の人たちを見て「ちょっと気を遣おう」と最近になって思ったから、できることから始めてみている。それだけのこと。

くじけそうになったとき、応援や励ましの言葉も力になるけれど、怒りのパワーも意外と侮れない。
言われて嬉しかった言葉ではないけれども、今の私のモチベになる、大切な言葉だ。


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