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『心の内戦』

昨日、本紹介した五木寛之著『大河の一滴』にて、ある部分が特に印象に残ったので、「1%のかけら」というマガジンの別枠としてここに書き残したいと思う。

私たちは戦争のない平和な時代に生きている。


しかし、本当にそうだろうか。



一昔前、交通事故による死者数が年間で1万人を超えた時期があった。

かつて、それを私たちは<交通戦争>と呼んでいた。

<交通戦争>と呼ばれて以降、歩道,信号機等の交通安全施設の整備充実、効果的な交通規制の推進、車両の安全性の向上、交通指導取締りの強化、運転者対策の充実、交通安全運転及び交通安全教育の普及等の様々な交通安全対策や取り締まりなどにより、交通事故による死者数が年々減ってきており、2020年では2839人で、統計が残る1948年以来の最小を更新した。


まだまだ交通事故による死者数は多いが、『交通戦争』と呼ばれた時期と比べれば激減している。





しかし、未だに死者数が多い死がある。

それは、自殺である。
年間の自殺者数は約2万人

また、自殺を試みて蘇生した人の数は、実際に亡くなった数の約4倍だという説もあり、自殺を試みた人は1年間で約10万人もいるそうだ。


こんなにも多くの人が自殺を試みている。

この状況を著者は『心の内戦』ではないかと呼んでいる。

現在は平和な時代ではなく、じつは大変な戦いの渦中にあるのかもしれない。

この『心の内戦』を止める術は一体なんなのだろうか。


失業だったり、過労、生活苦などといった社会的問題が原因で自ら死を選ぶ人もいる。
自殺を選ばないために、あらゆる社会的問題を解決するのと同時に相談窓口とかを世間にもっと浸透するように働きかけるとかなのかな。
自分にできることとしては周りに抱え込んでいる人がいたら、話を聞いてあげるとか、相談窓口を教えてあげるとかくらいしかできないな。頼りないなぁって思う。

0人にする。それは不可能かもしれない。それでも1人でも救える命があるなら救いたい。「誰も自殺に追い込まれることのない社会」の実現。いつかそんな日が来てほしい。

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