プロジェクトの始まりはつらいもの
私はプロジェクトの始まりが好きではありません。
なぜなら、プロジェクトマネージャーはプロジェクトの始まりや、終わり(システム完成後の公開や運用開始)が最も忙しくなるからです。
今回は、なぜプロジェクトマネージャーがプロジェクトの始まりはつらいと感じるのか。について書き連ねていきたいと思います。
プロジェクトの進め方
プロジェクト前期
プロジェクト前期はプロジェクトマネージャー中心に下記の準備を進めます。
契約関連業務 ※営業担当が実施する場合あり
リソース(人員)調達
プロジェクト概要、要件整理
コスト(売上、原価)計画作成
マスタスケジュール策定
成果物確認(スコープ管理)
プロジェクトリスク(課題)整理
連絡手段、会議体整理
キックオフ会議準備
契約関連は営業担当者が実施することが多いと思いますが、場合によってはプロジェクトマネージャーも関わります。
プロジェクトが何を目的として、どのような成果物が必要なのか?
進行するための全体スケジュールはどれくらいになるのか?
必要な人員は何名か?社内から調達可能なのか?社外から調達が必要なのか?
調達した人員のコストは?売上と原価から利益率目標は達成できるのか?
計画段階で想定できるリスク(課題)は何か?どうやって解決するか?
ステークホルダー(顧客など)とどのようにして会議を行い、連絡し合うか?
キックオフ会議に向けた準備など……
PMBOKのプロジェクト計画を基に、プロジェクトマネージャーがプロジェクト初期に準備すべき内容を少し噛み砕いて書き出してみたのですが
準備することや、考えることが多く、ゲンナリしてしまいます。
また、プロジェクト初期段階は要件定義など不確定要素が多く、各ステークホルダーとの調整ごとも多く、大変な時期です。
プロジェクト中期
要件定義が終わり、プロジェクト全体として実施する内容が定まった後、
とくに開発段階では作業主体がエンジニアなど開発や制作担当者に変わります。
プロジェクトマネージャーは進捗管理やリスク管理メインとなり、状況把握や課題に対して調整と決断をする立場となります。
プロジェクト後期
プロジェクトの後半は、開発、制作した成果物が定めた品質を満たしているか?を確認する試験を実施します。
自社で実施する試験はもちろん、外部接続をするようなシステムの場合は接続試験も実施が必要になります。
更に受託案件であれば、顧客環境で問題なく動作することができるか、受け入れ試験での問い合わせ対応や、運用をするための説明会の実施もします。
自社サービス開発であれば一般公開準備を進め、公開に伴う広報(周知)作業や一般ユーザーが利用することができるよう、公開作業を進めます。
サービスやアプリでは、公開してからの運用も大事ですので、公開は一つの節目に過ぎません。
ここで実施する試験や公開作業でトラブルが発生すると一大事です。
プロジェクトマネージャーにとって、プロジェクトの後期は胃がキリキリと痛む思いをする瞬間で、忙しさだけでなく精神的にもタフなタイミングです。
実際はプロジェクトマネージャーずっと忙しい?
プロジェクト期間の中期に入っても、全体がバタついていて、常にプロジェクトマネージャーが忙しくしているようなプロジェクトがたまにあります。
調整していなかった事が見つかり、調整に奔走している。
スケジュールの実施項目が漏れていたので、全体スケジュールの再調整が起こる。
スケジュールの調整をしたら、リソースが足りなくなりリソースの調達を行う。
スケジュールが変わるので、顧客に説明をする。
リソースを増やすと原価が増えてしまい、利益率が下がるので報告を求められる。
プロジェクトがこの状態になっている場合、工程の手戻りが起きていて、計画に遅延が生じていることが多いと思います。
プロジェクト前期の計画内容や、要件定義や設計が網羅されておらず、ヌケモレがあると発生しやすくなります。
「面倒だからフワッと認識合わせだけしておき、後でみんなで何とかなるだろう」
と疎かにすると痛い目にあいます。
それだけ最初の計画は大事なので、最初がつらくなるのです。
「最初が肝心」
一般的に「最初が肝心」と言いますし、メーカーや製造業では「フロントローディング」という言葉をよく使うそうです。
「フロントローディング」とは、できることは前倒して前工程で実施し、後工程の製造段階で発生する不具合の予測と対策を実施することで、手戻り発生を防ぎ、手戻りによるコストを発生させないようにすること。
システム開発に限らず、最初を疎かにすると後が大変だ。という事を先人達も数多く経験したことで生まれた言葉なのだと思います。
もちろん、事前準備や計画をどんなにきっちりとやっても、ヌケモレを100%防ぐことはできませんし、後工程で多少の手戻りは発生します。
では、何故やるのか?
この手戻りをなるべく小さくするためです。
手戻りが小さければ、課題の解決や軌道修正にかかる時間もコストも小さくなりますし、事前に計画にどれくらい余裕(バッファ)があるか把握できていれば、その余裕のなかで解消することができます。
余裕があれば、気持ち的に楽になります。
プロジェクトマネージャーが慌ててバタバタする姿を見せれば、プロジェクトメンバーも不安になってしまうものです。
プロジェクトマネージャーは心構えとして「プロジェクトの最初の工程は大変なもの」という認識の上で、「大変で無かったら、なにかを見落としているかも」というくらい慎重になると良います。
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