色々と脱線しつつ…地方創生とDX化

今週末に再び山形県のとある田舎町へ行く予定なので、昨日の感想とあわせ、以前のFacebookの投稿をこちらにも。

先ず、昨日9/21日は予定上ではポケモンカードの大型大会(5000人規模)に参加予定だったものの、あえなく0回戦で撃沈(抽選に落選)したため、有楽町の国際フォーラムで行われた、ふるさと回帰フェア2024に行ってきた。

天気があまり良くなかったこともありますが、色々な所で広告をかけていた割に人はまばらでした。

仕方ない気はしますが、「移住」にフォーカスしているため、取り合いの構造に…
どこも積極的な勧誘を行っていなかった(もしかすると事前に言われてたのかもしれないが)ので、ギスギス感がなかったのは不幸中の幸いという所だろうか。

「移住」は例えば、両親の介護が…であったり子どもが転校したくないから…などなど様々な事情でハードルも高いため、以前から思っていたことですが、「移住」に重きをおく取り組みは、効果的なのか疑問がわくところです。

たしかに、今すぐ移住を考えている人を取り込むためには、アリなのですが、マーケティングの観点からみてもいわゆる「今すぐのお客様」というのは非常に少ない。

つまり、長期的にみると、移住よりハードルが低い拠点の一つにして先ずは短期で生活をしてもらったり、観光で来ていただいたり、ふるさと納税をしていただいたりといわゆる「関係人口」を構築・設計していく方が、より効果的、いや明らかに効果的ではないかと感じる所である。

あとは、自治体間でのITリテラシーの差を強く感じるフェアであった。その辺りは、この後続く投稿にて。

一方で、特産物を販売するマルシェは出展地域の特徴がそれぞれ出ていて良かった感じた。
これは、西川町に訪れた後日談ではあるが、移住フェアには出店しないが、マルシェには出店するという切り分けた戦略をとっている自治体は、片手に数えられるぐらいしかないのではなかろうか🤔。

マルシェならその場でマネタイズもできるし、その商品に満足してもらえれば、ふるさと納税であったり、通販などリピートにも繋げやすい。

一方で、移住フェアは、たしかにその場や後ほど移住を決めてくれれば良いのだが、良くも悪くも説明に時間が取られてしまうし、その場でのマネタイズは困難である。通販やふるさと納税のチラシは渡すことはできるが、実際に商品を味わっているわけではないので、一度この町に行って食べたことのあるような方でもなければ、購入率は前者と比べ著しく低下するのはいうまでもない。

これは、次回の感想でも記載すると思うが、そもそも移住フェアにくる方はどのような層になるかを考える必要がある。

例えば、移住に興味がない人は来場しないし、◯◯に移住を決めている人は来場こそする可能性はあるが、すでに場所が決まっている以上、見込みのお客様とは言えない。

つまり、移住は決めていて、候補もいくつかに絞ったがまだ決めていない方を頂点に、移住は決めているが、まだ場所が決まっていないから知りたい(熱い🔥見込み客)。移住に強い関心があり、情報を得たいので、話を聞きにきた。なんとなく、移住に興味があるのでどんなイメージかしりたい。たまたまやっていたので寄ってみたなどなどあげたもの以外でも様々な層が存在していることを理解していると、移住フェアの効果は、例えばテレビで移住のニュースに取り上げられたなど、よほどの知名度があるなどしないと、とりあえず実施はしたで終わってしまうだろう。
もちろん、やらないよりはやった方がいいのだが、予算は有限という現実的な大前提を考えると、どこに予算を投下するのかは、トップの選択と集中がものをいう。そこで、既得権益が…など私利私欲のために投下していると、今すぐの影響は出ないかもしれないが、徐々にその町を死神が蝕んでいく…

では、ここからはほぼコピペで。

【地方創生とDX化】
※今回は、いつもよりさらに長文です。

先月、山形県の西川町という人口約4800人ほどの町へ行ってきた。高齢者率も約50%と何も情報がなければ、あぁ典型的な消滅候補である名もなき町の一つにしか見えない(思えない)だろう。

自分は年明けぐらいにこの町を知り、4月頃に結構色々とやっているな🤔と強めの関心を持ちはじめ、うーんとなっていた矢先…

ちょうど、移住・体験ツアーが山形駅までの交通費のみでなんと無料で行けるつよつよイベント(補助金などを活用して賄っている)が案内されたため、それは行くしかないな!と予定を立てた。ついでに、仙台や気仙沼、秋田、函館エリア等へも訪れていたことは先日のストーリーズにも流した通り。あれは、あくまで延長戦でメインは一応こっちだった。

交通費ほどなるべく安くしたいものはないから、プチ過酷までを許容し、コスパを考えるとやはり高速バス。特に夜行バスは、宿泊代を浮かせつつ座って移動でき、それだけで神と言っても過言ではない。寝台特急サンライズ出雲には敵わないが、コスパ面では圧勝である(そもそも、サンライズは東北に行かん🙄)。

今回は、平日の真ん中だったこともあり、クーポンなども活用して、1270円と青春18きっぷも真っ青な値段で乗ることができた(もっとも、さらに前から準備していたら0円でいけた可能性もあったが…)。

夜行バスは300キロ程度であれば、23時頃に家を出て、翌朝には着くから事前に数時間でも仮眠しておけば、最悪寝られなくても問題なく翌朝は行動できる。もちろん、500キロ、はたまた1000キロの移動もできるが、400キロ(約7時間)を超えると色んな面でしんどいと思う。

名古屋がギリライン。大阪はあまりやりたくない。500キロ以上はマイルで対応したいところ(京都は近くに空港がないので、どうしても翌朝に着く必要があるなら夜行バスを選びそうだが、特別の事情がなければ、こだまでも新幹線がいい😅)。

我々、客は座っていれば勝手に移動して万々歳だが、運転手さんは仕事とはいえ大変だろう。
ほぼ高速移動だから運転嫌いでなければそうでもない…か🤔。

便利さの裏には、そこに人がいるから成り立っている。いずれは自動運転に置き換えられるとは思うが、特に高速の自動運転はまだだいぶ先の話だろう。

さて、町へ到着後はいきなりお昼ご飯。
普通のところなら、お昼は食べてきてくださいでご飯は出さない🍚。他にもこの1年ほどで数ヶ所訪れたことがあるが、全てお昼は事前に食べてきてね❣️だ。この対応がスタンダードだと思っているので、出ないから不快とは全く思っていない。

これについて、町長はLINEのオープンチャットで次のように話されていた(一部略)

西川は、アンケート結果から、高齢者ほど「若者が増えてほしい」と望声が大きく、また、もともと古くから自然と共生して、三山信仰の参拝客をもてなしてきたことから、人の温かさがあります。

私は、先入観で考えず、現場を見て、困っている人から情報を直接聞いて、対応を考える現場主義を徹底しています。ぜひ、西川みきて、人に接して見て下さい。ここに地方創生のヒントがあるので、年間450人ペースで視察がくるのです。普通の中山間の町ではないのです。〆

この町の凄い所はまぁ色々とあるのだが、今回は3つあげようと思う。先ず最初は、この西川町を好き、いや好きを超え愛がある町民が多いことだ。たしかに、地方へ行くとこの場所が好きなんだなという人を見ることは決して珍しくはない。

ただ、この町にはさらに一体感を感じる。
全ての人(実際は100%全員ではないと思うが)が町の飲食店のような、そんなおもてなしの心だ。これは、他所では感じたことがなかった。

同じ言葉であっても、人の話に熱量があるかないかというのは案外分かってしまうもので、少なくとも私が2日間話をした人の中では熱量を感じられないという人はいなかった。

予定では、町長と直接話しができる時間が設けられていたのだが、残念ながら今回は中止になってしまった。とはいえ、オープンチャットには町長がほぼ毎日見にきているので、大枠の質問であれば、行うことができる(直接だと個人的な所も聞けるので、そこは小さいようで大きな差はある)。

この程度といってはいけないかもしれないが、この程度すら未だ行えていない市区町村がはたしてどのぐらいある?良くて5%ではなかろうか🤔。

移住者を増やしたいという気持ちはよーく分かるのだが、今だと多くの自治体は1回きてもらって、良かったです、移住します!と決めてもらえる人をメインにしか取り込めていない状態。

もちろん、1回きてもらうだけでもすごく難しい話で、それはそれで素晴らしいことではあるのだが、これだといわゆる「最大化」はできない。

いわゆる、「今すぐ客」の確率は少ないということを知る必要がある。これは、アンケートを取るとよく分かる話だが、決めた人の多くは、いったん関係を築き、その後も定期的な関係性を続けることで、だんだん気持ちが変わっていく。もちろん、1回で決まることがあるぐらいだから、2回目、3回目で決まることもある。低額であったり、リスクやハードルが低ければ3回以内で決まることも決して少なくないが、移住は人生を変えますレベルの話で、気持ち的には行きたくても様々な理由で今は行けなかったり…

1発で決めようとするより、長期的な関係に築き、普段はふるさと納税や通販、観光などでお金💰を落としてもらい、きたるときには移住はこの町しかありませんの状態にしておく方がより効果的なように思う。→続く。

【地方創生とDX化】続き その2

ビジネスは恋愛とよく似ている言われているのはまさにこの部分である。一目惚れのケースはたしかにある…が、その多くは一目惚れではなく、ザイオンス(単純接触)効果などによってだんだんと発展していく。要は「今すぐ客」以上に、「見込み客」をいかに取りこぼさないようにしていくか?肝となる戦略はこっちだ。

このことを事例をもとに理解できたのが、LINEマーケティングをやっていて良かった点の一つである。おそらく、西川町の…少なくともブレーンとなる人は、これらのこと、人間とは?を理解していて、意図的に移住イベントにはあまり予算をだしていないのだろう。人口5,000人(約半分は高齢者)の町に関わらず、今や2000人に迫るコミュニティが形成されている。

次に「オープン」のレベル差…だろうか。

私が、西川町を後にした約2週間後に新たな施設がオープンした。これについて、町長は次のようにコメントしている(原文ママ)

➊目的:西川町に住む方々は、大自然を抱えながら自然とともに生き、古くから参拝客をもてなした精神文化が根付いてきました。これがわが町の強みです。ここに住みたいと思ってもらい移住者が増え、社会減が止まりました。2023年度、人口が増えたのは、沖縄だけです。この背景には、若者への理解度、地域の協力が指数が最も高いのが沖縄。西川町もその温かさがあり、町民と町民、町外の方々が交流し、温かさを体験できる施設にしていきたい。

➋今後の活用
・すでに2社の入居が決まり、現在5社以上と交渉しています。工場敷地を用意できない西川は、こうのようなサテライトオフィス誘致に努めます。

・ここでは、地区を越えて世代を超えて交流、連携企業も現場の話を聞ける、対話の絶えない場所にしていきたいです。

➌財源:デジ田交付金(拠点)、過疎債、企業版ふるさと納税、運営:デジ田交付金(推進)+集落支援員、協力隊と、9割が国の財源を活用しています。
何度もワークショップに参加頂き、ありがとうございました。もっとも意見の多かった、公営コインランドリーも実現しました。ぜひ、ご活用ください!

これを見てどのような感想をもたれたかは個人的にかなり興味はあるところだが…先へ。

結構な自治体がやらかしていることが、他の
成功事例をそのままマネてみたり、自治体主導で進めていってしまうパターン。これで、うまくいっている確率はかなり低いようだ。

面倒なのは、良くも悪くも民間企業であれば倒産してなくなるが、自治体にはそれがほぼなく、見る人がみないと存続している=経営が成り立っているように見えてしまう所である。

本来、「マネる」は非常に重要なことではあるのだが、こと地方創生においては、その場所だからこそ、その施策は成功した(できた)というケースが多くある。なぜなら、場所によって、状況、条件は全く異なるからだ。

難しいのは、過去に成功事例があると今回もそれでいける!と思い込んでしまうことである。脳死で考えるのではなく、本当にそれでいいのか?を複数人で議論して決めていかなければならない。

これまた厄介なのは、過去の成功事例でまた成功することもあり得るのだ。ただ、確率上やればやるほど地雷を踏む確率は確実に上がっていく。

ポケモンカード(トレカ)、株、FXなどの投資でも最初に+数百万だぁぁウホウホ🦍🦍となる人はわりといるのだが、気づいたら退場してるというケースはわりとよく見かける。

なお、私も見事にこの罠に今年ハマり、一時期は−300万超の含み損を叩きだした。(現在は−180ほどになっている)。一応、私なりには考えてやったつもりなんですがね、トホホ😱。

ただ、もし仮に、FXである程度のレバレッジをかけていたらマイナス数千万円単位というところで、余裕で破産レベルのマイナスだったでしょうから、現物投資な点はまだ不幸中の幸いだとは思っている(将来性もなくはないので)。

去年のバブルのおかげで、おいしい思いもできましたが、良いことはそんなに長く続かないので、次やらかさないようにルール設定はしましたりまぁ、作ってもそれだけでうまくいけば誰も苦労しない話やけども…

とにかく、過去の成功事例にとらわれるとロクでもないことになる可能性が高いので、面倒でも脳死ではなく、その都度やり取りを行うのが賢明だということである。

最後にDX、デジタル化の話だ。
元々、私はここに興味をもったのがキッカケ。私の他にも数名が同じ理由でかつ西川町へ初めてきたようである。

ちなみに、他の参加者は西川町にすでに来たことがある、もしくは初めてではあるが、知人が西川町にいて招待されたという方だった(千葉や東京から車できたという猛者もいた)。

少子高齢化で人口減少が今後しばらく続くからDXによる業務効率化は必要不可欠という理屈だが、今回は少し別の視点から。

我々の世代には正直ほぼ関係ない話だが、すでにau、ソフトバンクでは3G、いわゆるガラケーの通信は終了しており、docomoも2026年で終了予定。つまり、後2年ほどでガラケーは事実上消滅(自宅のWi-Fiでなら使えると思うが)する予定だ。

そうなると、主な選択肢は、携帯を持たない、スマートフォン、タブレットに替えるの3択になる…が、困ってしまう人が実は結構いる。そう高齢者の方々だ。

そもそも、なぜ高齢者がガラケーをもっているのか?から本来は考える必要があるのだが、今回はそこを飛ばし…このまま予定通りに行くと、2年後に困る高齢者が多発する未来が迫っている。

今から準備を行えば、来年には実行できるだろうからまだ間に合っている気はするが、来年の今頃になってからとなると、町村レベルの規模ならいざ知らず、都市部では詰み、良くて王手やチェックの状態だろう。

西川町はすでに全戸にタブレットを配布し、定期的にワークショップ(スマホ教室)的なものも行っているため、すでに大半の高齢者はタブレットを扱える状態。さらに、デジタル住民票やNFTも活用しており、市区町村のDX化という観点では全国でも最も進んでいる場所の一つで、この3点だけをみても地方における良いロールモデルだと言える。

そのため、この町に視察へくる市区町村は少なくない。私がきた時にも静岡県牧之原市から視察にきた方が2名おり、翌日の道中8キロの徒歩がある区間では、ポケモンカードの話で盛り上がり、名刺交換をして、もし全国で行うことになった際は「牧ノ原市」でもぜひやりましょうと言っておいた(気がする)。

お二人の話を聞くと、やはり移住ありきで考えている市区町村はまだまだ多そうに感じた(特に上層部が)。

もちろん、移住してもらえるならそれに越したことはないのだが、やはり移住というのはハードルが高く、様々な理由で今すぐには難しいというケースが圧倒的に多い。

現時点、今すぐ移住するのは難しい方にも、ふるさと納税、通販、観光など何らかの形で関わっていただき、定期的な関係をもつことで、一定の関係を維持し続ける。

事前にこれらでエンゲージメントを高めておけば、時が経ち条件が整い、よしいざ移住だとなった時には、余程のことがない限り、その場所が選ばれるし、その土地のこともある程度分かっている良い方が来られる(確率が非常に高い)。

これは、企業の人材採用とほぼ同じ考え方だ(実際は、そうなっていない所が多いけど)。教育で何とかなると思っている企業がこれまた、まだまだ多いようだが、よく考えなくとも、20数年培ってきたものをわずか数ヶ月で変えようとするのは難しい。たとえ、正しいことを言っていたとしても、そう簡単に「相手は変えられない」。

相手を変えようとするのではなく、こちら側にできるのは、気づきを与え、あとは自らで変わってもらうしかない。もちろん、元々合っている人は教育でさらに良く変わりうるのだが、元々の方針が合わない人とは99%ムリで、やがて辞めてしまう。

もちろん、絶対ではないのだが、確率よくいくためには、採用の段階でふるいおとさねば、結果的に時間もお金をムダにする確率が高まってしまう。

無限に予算があれば、まだ良いのだが、そんな余裕のある会社はほぼ存在しない。悲しく、せつない話だが、教育の限界もまた存在するのだ。

地味なことやけど、その時は満足してもらっても、定期的な関係がなければ、だんだんと忘れていってしまう(悲しいですが、良くも悪くも人間というのはそういう生物です)ので、このような取り組みを今しているかしてないかで、将来的な移住率には大きな差が出てくると思っている(過去の類似したデータ上では、まず間違いない)。

と幾つか良いところをあげてきたが、反対に悪いところはないのか?という話である。

もちろん、悪い所もある。一つは、山間部ということもあり、虫が多い。もう一つは冬はドカ雪が降るので、除雪が大変なことだ。そこで、この町は大学生を中心に休み期間に宿泊付きのアルバイトとして誘致し、若い層にこの町の認知活動を行っている。そして、一度きたら多くの人は好印象をもち(特に大都市の学生ほど魅力的に感じるハズ)、再び1人であったり、知人を連れて訪れるを繰り返し、良い循環で関係人口の増加を続けている。

通常ならば、なんと6月でもスキー場ではスノボーやスキーが滑れるそうだ(豪雪地帯には、悪い所もあれど、良いところもある)。

初夏でも屋外でスキーができる所があるとは知らず、とても驚いた。

もう少しいたら、悪いところがまだ出てくるのかもしれないが、1泊2日で感じたのは、本当にこれぐらいしかなく、町長と話ができなかった点を除けば、大変満足なツアーであった。

仙台や庄内方面から高速バス。最寄駅から路線バスが通っている事も分かったので、またそのうちもしかしたら今年中に行く可能性があるかもしれない→実際行くことになりました😇。

ここまで見られたおそらく数名の方、最後まで読んでいただきありがとうございました😭〆。

ぜひ、思ったことをコメントまで📝

※予告したので、「長いね」はキレます💢😤(笑)。




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