【就活】028 事例1：バスケの青年③

【就活】なべじゅんコーチの「みんな　自分らしく」　No.28

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＊　自分らしく、自分の魅力を伝える就活へ＊
＊　第２章　自己分析編　　　　　　　　　＊
＊　　８．事例１：　バスケの青年③　　　＊
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就活学生さんを　コーチングで支援している”なべじゅん”　コーチです。
　

前回は、Aさんと仲間　４人での自主練のシーンを語っていただきました。
今日は、そこから、その瞬間の「感情」を取り出し、「ニーズ」に迫っていきたいと思います。

　＊前回を読んでいない方は、No.26　から読んでくださいね。

＊記載の内容は、実在する学生さんではありません。これまで相談を受けた事例を土台に、よくあるケースとして一部創作しています。

＊以下、
　Co：　コーチ役、なべじゅん　の発言です。
　CL：　学生Aさん　の発言です。
　

２．場面の特定（臨場）

Co：Aさん、すごく良い話（体験）を聴かせていただきました。
　　その中でも、この瞬間が、本当にうれしい！　ワクワクする！　っていう、強い感情になった瞬間　を思い出して、教えていただけませんか？
　（＊具体的な一場面に、もっと深く臨場していただきます。）
　
CL：そうですね、色々とあるんですけど・・・、中でも、・・・
　
　１軍に上がれるかの入れ替え戦（テスト試合）の時に、コート脇で全員がその試合を見ているんですが、仲間のＢ君が、狙った通りに体を動かすことができていて、どんどん相手を抜いてゴールに迫っていく姿を見た時に、「行ける！　行けるぞー！」って、すごく興奮して叫んでいたことを思い出しました。
　

Co：へー、もっと教えてください。
CL：Ｂ君の課題は、ボールを持ってゴールに向かう時、相手を抜き去る際に無意識なんでしょうけど、ちょっと止まる瞬間があるというか、流れが途切れ途切れになってしまうクセがあったんですよね。
Ｂ君本人もその問題は理解しているのですが、なかなか解決できないと悩んでいました。
それを４人の自主練の中で、動画を繰り返し見ながら、意見を出し合っては、また動きを変えてみる、そんな練習を繰り返していたんですが・・・。
　
CL：この入れ替え戦の時のＢ君は、まさにイメージしていた通りの　全ての動きが無駄なく流れるようにつながっている。そんな　私たち４人が理想としていた動きが、目の前で起きているのを見て、すごく興奮しました。
「それだよ！、その動きのまま　相手を抜き続けろ、ゴールまで走り抜けろ！」「行ける！行けるぞー！」ってね。
Co：すごいですね。そんなシーンが目の前で見れたんですね。
CL：ええ、本当に望んでいた世界が、そこで起きていた。って、今でも思います。
　
＊解説：Ｂ君が半年前から４人で特訓してきた、相手を抜き去る　＜理想とする動きが当たり前にできている場面＞を、もう一度　映画の場面のように再現しながら　目の当たりにしている。
　この一瞬の場面を再体験している状態を「臨場」と言います。特に深く深く再体験できていると、次の「感情」の言葉化がスムーズにできるようになります。
　　
　

３． その時の「感情」を言葉化する

Co：Aさん、ちょっと想像して欲しいのですが、今、その瞬間にタイムマシンで戻っています。
Ａさんがコートの横で、Ｂ君の動きに目が釘付けになっている、そんな自分をもう一度、味わって欲しいのですが・・・。
CL：はい。
（＊ゆっくりと、Aさんの中で、繰り返し　その場面を再体験してもらう）
　
Co：その時、Ａさんは、「Ｑ．どんな気持ちだった？」　それを言葉にしてみて。
CL:そうですね。
「すげー、すごいぞ！」「そうだ、それでいいんだ！」「やったー、達成したじゃないか！」　って思っていました。
Co：なるほど、そう思っていたんですね。
　

＊補足：厳密に言うと、上記は、「思考（思ったこと）」になります。
「思考」と「感情」は、相互に影響を及ぼし合いますので、どちらが先か、また思考と感情を厳密に分ける必要はないですが、今の段階では「思考」しか言葉にしていませんので、「感情（気持）」側ももう少し尋ねてみましょう。
　
Co：これ以外にも「Q.気持ちが、あったと思うけど、どんな気持ちがあったかな？」
　例えば、「うれしい」とか、「誇らしい」とか、「うらやましい」とか、「夢中になる」とか、色々な表現の仕方があると思うけど。
CL：そうですね・・・
　「うれしい」は当然ありました。
　
Co：人間の「感情（気持ち）」って、複数のものを同時に持てるんですよ。他にも、何か浮かんでいるものは、なんでしょうね？
　
CL：ここまで努力したことが、報われて「よかった」という気持ちも出てきました。
　あとＢ君が、まるで考えることなく　自在に流れるように体を動かせている姿を見て、「驚き」と「うらやましい」という気持ちもありましたね。
Co：そうなんですね。ご自分の中にある「気持ち」を全て言えた感じがしますか？
CL：ええ、言えた感じがします。
　
　

４． 「感情」から「ニーズ」を言葉化する

Co：その瞬間にあったAさんの感情を言葉で捉えることができましたね。
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＊　・ここまでＢ君が努力してきたことが、
＊　　報われて「よかった」。
＊　・まるで考えることなく　自在に流れるように
＊　　私たちが目指していた理想の状態を
＊　　実現して　体を動かせている姿を見て、
＊　「驚き」と「うらやましい」とも感じた。
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Co：プラス側の感情が出ている瞬間なので、実は、この時、Aさんの潜在意識にある、まだ言葉化してはいないけど、「私は　〇〇したかった」というニーズが、実現した瞬間でもあるんです。
　とすると、Aさんの中で、どんなニーズが、実現した瞬間だと思いますか？
　

CL：うーん、「Ｂ君に　テストに合格して１軍に挙がって　欲しかった」と思っていました。
Co：確かにそうですね。頭の中では、そう思っていたと思います。
　けど、この試合の瞬間にも、「受かれ！合格して！」と、ずっと思っていたんですかね？
　

CL：あーそれは違います。試合中、Ｂ君の動きを見ている時には、その流れるような動きに　魅了されていました。
Co：そうですよね。すると、Ｂ君が相手選手を流れるように抜き去り、ゴールに迫る動きを見ている時には、もっとより具体的な「私は、〇〇したい」というニーズがあったのかもしれませんね。どうでしょう。
　
CL：そうですね・・・
「私は、Ｂ君に　自分の持っている実力を最大限発揮して、実現したいと思っているＢ君らしいプレーをしっかりと実現して　欲しかった。」のだと思います。
　
Co：なるほど、それが見れた瞬間だから、Aさんの内面での感情（気持ち）が、「実現できている瞬間であって　よかった」と、なっているんですね。
　
CL：そうです。半年間、一生懸命練習してきた、その成果を出して欲しいと思っていました。その中でも、
「★理想として追い求めてきた姿・プレーが、この場で【実現できている】からこそ、よかった」だし、私はめちゃくちゃ興奮・感動しているんですね。
　
Co：Ｂ君、すごいよ！　あの追い求めていた動き、流れるようなプレーが、当たり前のように今できているよ！、と。だからこそ、「そんな成長したＢ君を見ていると、驚くし、うらやましい」のですね。
CL：そっかー、そういうことだったんですね。
　
　
Co：また、Ｂ君が理想の実現に向かって成長できた、それに　Aさんが貢献できているから、それもうれしいのではないですか？
　
＊解説：Aさん自信の口からは明確に出ていませんが、コーチとしてお話を聴いていると　自分がその練習に関われたこと、そのような結果に周りの仲間が協力できていることも　なんらかの喜びにつながっているとの仮説を持てたので、（決めつけずに）提案の形で考えてみてもらいました。
　
CL：そうですね、諦めることなく、仲間４人で一緒に実現まで手伝えたことは、嬉しいですね。
Co：「一緒に自主練しよう！」と声を掛けたのも、Aさんですからね。自分が目標に向かって働きかけることができたことも、例えば「誇らしい」のではないですか？
　
CL：私が提案したから、私の提案が素晴らしかったから、ではなく、
「諦めることなく、実現に向かって誰一人欠けることもなく、一緒に４人で　頑張れたことが、誇らしい」のだと思いました。
　

Co：そっかー。
「★誰一人欠けることもない、一緒に最後まで走り続けることができたから」誇らしいんですね。
　
＊解説：同じ場面・同じ感情が湧いていたとしても、人それぞれに、その理由（意味付け）は異なるものです。
　なので押し付けはせずに、「Ａさんが言い出したことが　誇らしい」との仮説を口に出してみて、耳で聞いてもらうことで、「そうそう、その通り！」なのか、「イヤ、ちょっと違う気がする」と、Ａさんの内面に判断してもらっているのです。
　
＊解説：普段、私たちは　自分のニーズを言葉にしていません。（それを省略している）
　言葉にすることで、その瞬間における　自分が求めていたもの（ニーズ）が明らかになります。ニーズが明らかになると、この先にある「価値観」にもアプローチできるようになるのです。
　

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　今日は、ここまでにしましょう。　

次回はこの続きで、「ニーズ」から、ES＋面接で伝える中で一番大切なものである「価値観」を取り出していきます。
　
　
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