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【就活】030 事例1:バスケの青年⑤

【就活】なべじゅんコーチの「みんな 自分らしく」 No.30

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* 自分らしく、自分の魅力を伝える就活へ*
* 第2章 自己分析編         *
*  8.事例1: バスケの青年⑤   *
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就活学生さんを コーチングで支援している”なべじゅん” コーチです。
  

前回までで、「価値観」の言葉化と、ESにどう記載したらいいかの説明までお伝えしました。
今日は、このAさんとのお話で、さらに別の場面(3年生、主将としての体験)でのエピソードも ご紹介したいと思います。

 *前回までを読んでいない方は、No.26から読んでくださいね。

*記載の内容は、実在する学生さんではありません。これまで相談を受けた事例を土台に、よくあるケースとして一部創作しています。
  
*以下、
 Co: コーチ役、なべじゅん の発言です。
 CL: 学生Aさん の発言です。
 

3)別の場面から「価値観」に迫る

Co:Aさん、素晴らしいお話を聴かせていただき、ありがとうございました。
ここまで、話してみて、どうでしたか?
 
CL:そうですね。これまでの経験を思い出しての自己分析を 自分なりにはしていたつもりだったのですが、今回ほど明確には、自分の「価値観」を言葉化することは出来ていませんでした

 *補足:ここに書いている手法を使うと、このように言ってもらえることが多いです。
 
CL:これまで 自分なりの自己分析で、「周りの人に働きかけて、目標を達成する」ということから、「リーダーシップ」という言葉には行きついていたのですが、
今回の相談で、具体的に自分の体験した場面(シーン)と紐づけて、再認識できたこと。特に、「最後まで伴走する」「支え切る」といった、自分そのものを示す言葉(修飾語)が出てきたのは、びっくりしました。
 

Co:そう言っていただけると、ありがたいです。
 皆さんは、既に素晴らしい体験をたくさんされており、その記憶もあるのですが、それを今回行ったほどに、丁寧に再体験すること、すなわち「(深く)自己分析する」ことはできていない方が多いんです。
 
「感情」⇒「ニーズ」⇒「価値観」と丁寧に追いかけることで、誰もが、どんな場面からでも、自分の大切にしたい「価値観」を言葉化できますので、今回の場面に限らず、他の場面も思い出しつつ、同じステップを行うことをおすすめしますよ。
 
CL:この話をしていて、不思議と 別の場面も思い出していました。それについても、話していいですか?
Co:もちろん、聴きますので、話してみてください。
 他の場面が 自然と思い出される場合は、今回、言葉化した「価値観」に関連する場面の可能性が高いですからね。
 
 

1. 別の場面:主将としての経験から

Co:それは、いつ、どんな場面の話なんですか?
CL:その後、レギュラーメンバーになり、3年の時には 主将として部を引っぱる立場になりました。
Co:そうなんですね。目標(全国優勝)に向かって ずっと努力し続ける姿が、周りの方にも伝わってたのでしょうね。
CL:努力は人一倍してきましたけど、周りの仲間あってのことだと、今でも思っています。
 
CL:3年となり、これが最後の全国優勝を勝ち取るチャンスとして、3年のメンバー同士では、常に良い結果を出すために、強いチーム作りにと お互い意識して努力し合っている状況でした。
Co:うん、それで。
CL:予選も勝ち抜け、全国大会の出場メンバーを決めないといけない段階となったのですが、3年生だけでなく、優れた2年生も何名かレギュラーメンバーに入っていました。
その中に一人、2年生でレギュラーの枠に入っている C君がいたんです。
 
CL:C君は大変努力家でして、予選では選手としても非常に活躍してくれていました。
しかし、全国大会を前にして調子を崩しているというか、プレーでもミスが目立つようになっていました。
Co:ほう、それで、どうしたんですか?
 
CL:レギュラーメンバーを決める必要があるのですが、C君をレギュラー枠から外すかどうかが議論になりました。
メンバーの決定は、同じ3年の幹部が集まり協議して決めるのですが、他の幹部からは、「勝つためには、その時のベストメンバーで臨むのが当然だろ。だから C君は外そう。」という意見が大半でした。
Co:その意見も一理ありますね。
CL:はい、理屈で言えば、その通りです。
実力があったとしても、それが発揮できていないのであれば、C君以外の人をメンバーに入れるべきで、それは頭では理解できるんですけどね・・・ 

 *補足:ですけど、だけど、など、逆接言葉がある場合には、まだ言えていない後半部分に、Aさんが本当に言いたいこと、Aさんのこだわり部分が隠れているのです。なので、そこを掘っていきます。
   

CL:でも、なんか、イヤだと感じている自分が居るんですよね。その時、内心では 「その結論はイヤだ!」と感じていました。
Co:ほう、Aさんにとって、何がイヤだったんでしょうね?
CL:そうですね、なんか、上手く言えないんですけど。
最初から一緒にやってきたメンバーで、やり遂げたい、という気持ちというか・・・。
 
*補足:Aさんが大切にしたいこと(ご自分のこだわり点)のキーワードが、少し見えてきました。
 
Co:C君を見捨てる のが、イヤだったんですかね?
CL:「見捨てる」という感覚では、なかったと思うんですが・・・。
 
Co:なら、さきほどと同じように、その場面にタイムマシンで戻って、もう一度、丁寧に体験すると はっきりしてきますよ。
 3年生の幹部で集まって、全国大会のレギュラーメンバーを誰にするか、議論している時、その場面を思い出してください。
 その場面で、自分の「感情」が大きく動いた時、発言や周りの幹部の表情など、思い出してみてください。
 
CL:はい、・・・
 

CL:「C君を入れると、能力的にベストメンバーではないよ。」とか、「スランプで、この先に復活するとも思えないので、C君は外すべきだ。」と、他の幹部からは言われました。
Co:そうなんですね。その時に、どんな「感情」が湧きましたか?
CL:うーん、「そんな、決めつけるなよ!」と強く想いました。
Co:何を、決めつけられた感じがしたんですか?
CL:C君は、「この先に復活しない」と決めつけているけど、「そんなの、わからないじゃないか!」「勝手に決めつけるなよ!」と思いました。
Co:そうなんですね。そんな決めつけられて、どんな「気持ち」でしたか?
CL:「イラつく」し、「もどかしい」とかですね。
 
Co:何が、「もどかしい」んでしょうね。
 何か、Aさんの中に、「私は〇〇したい」というニーズがありながら、それが実現できないから、マイナス的な感情(もどかしい)が出てきているんです
 そこには、どんなニーズが、あったと思いますか?
 
CL:C君も自分が実力発揮できなくなっていることは分かっているし、それを解消したいと一生懸命努力しているのに、それが解消できていないんですよね。
C君の気持ちも知っていながら、★<それを手伝えていない自分に> 「もどかしい」と思っていたんだと思います。
 
Co:あぁ、そうなんですね。
では、「イラついて」いたのは、そんなAさんの中にある気持ちも含めて、周りの幹部が理解してくれていないからですか?
CL:それも、少しはあったと思います。
けど、周りの幹部へのイラ立ちよりも、<自分が、自分でそれを解決できていない>、という 自分へのイラ立ち の方が強かったと思います
Co:なるほど。
 
Co:その後、C君については、どうしたんですか?
CL:他の幹部の意見も正しいところがあるので、C君には一旦、レギュラーから外れてもらいました。
 自分の内心としては、「C君を外したくない」という気持ちも強かったんですけどね。それで押し切ることは、しませんでした。
Co:そうでしょうね。話し合いとして、客観的にも判断しないといけない 主将の役割を果たしたんですね。
CL:それでよかったのかは、わからなかったですが、結果そうしました。
  

CL:でも、一旦C君を外したことで、自分のすべきことというか、<自分がやりたいと思う行動>が はっきりしたんです。
 
Co:「やりたい行動」というと?
CL:C君が、その後もレギュラー復帰に向けて、諦めずに努力を続けているのは、わかっていましたので、「じゃあ、レギュラー復帰まで、私が支援しよう」と思ったんです。
具体的には、①練習の中でも、常にC君の動きを見続けるように意識し、何が彼のポイントなのかを見抜こうとしました。 ②その上で、全体練習後にも、C君の練習に付き合って、見ていて感じたことのポイントを伝えながら、一緒に自主練をするようにしました。
Co:その結果、どうなりましたか?
CL:2ヵ月くらいは掛かりましたが、C君の動きが 以前よりも良くなったんですよ。幹部メンバーからも レギュラーに戻そうと言ってもらえ、レギュラーメンバーになれました。
 
Co:よかったですねー。
 Aさん、その瞬間、とても嬉しかったと思うのですが、「何が、嬉しかった」のだと思いますか?
CL:そうですね。C君は時間を掛けたら、一人でも戻る力はあったとも思いますが、
「私が客観的に見て感じたことを伝え、C君がそのフィードバックから気づき、さらに動きを高めていく」というサイクルが上手く回ったことですね。なんか、一緒にやり遂げた、という感覚がありました
Co:そうですね。ここまで、伺っていて、感じたことを言わせてもらってもいいですか?
CL:はい、お願いします。
 
Co:この話(体験)からも、一つ前の場面(1年生の時)と、同じ価値観が表れていると感じませんか?
 だって、「最後まで伴走する リーダーシップ」なんでしょ。
「自分から相手に働きかけて、実現するまで一緒に努力し続けること」を大事にしている、と先ほどもおっしゃっていましたね。
 
CL:あっ、まったくその通りですね。(笑い)
この時にも、同じ「価値観」で私は動いていたんですね。
Co:そういうことですね。だから、この場面が自然に思い出されて来たんですよ。
 
Co:人間の脳って、上手くできていましてね。
★一度、「価値観を言葉化」すると、その価値観に関連する体験(場面)を連想ゲームのようにどんどんと思い出して行くんです
 なので、自然に思い出される場面に対しても、今日と同様に「感情」⇒「ニーズ」⇒「価値観」と段階的に言葉化していくことで、
① ご自分の「価値観」がよりはっきりしていきますし、
② それに紐づく体験談(エピソード)がどんどん思い出され、複数用意できることになるんです。
 まるで、「芋づる式」と言うのと、同じ感覚です。

****** 
Co:「価値観」とは、ご自分の中で、何度も繰り返されるものです。
 何度も経験する度に、喜び・満足 を感じることができるものですから、あっ、あの時もそうだった。また、あの時もそうだ。と いくつもの場面が、串団子のように、一つの方向性の串に刺さっているような感じなんです。
 
 それに気づくことができると、これから先の未来にも、同じく「価値観」を見たそうとする行動をしていきますが、自分にとって大事な事を「言葉化」して認識しているので、より能動的にその行動を目指して動けることにもなるのです。目標が明確だと、その実現力が高まるのと同じです。

 
Co:なので、就活における面接の場面で考えても、
「価値観」を言葉として明確に認識し、その体験エピソードの内容と一緒に面接官に伝えて行くことは、
①「この未来、御社に入社しても、私は、この価値観の実現に向かって、邁進していきますよ。」
②「私は、自分と周りの仲間に、こんな良いことを起こせる人材ですよ。」
③「だって過去の体験エピソードで、それを実現しているじゃないですか。」
という 納得性の高い証明(説明)をしていることでもあるのです

 

*補足:未来、御社で働く姿に向けて、どのように未来のエピソードを話すかは、この先 第4章 面接編でご紹介したいと思います。
 
 

―――――――
今日は、ここまでにしましょう。
ここまでで、別の場面からも「価値観」に迫ることができました。
 

次回は この続きで、もう一つ深い【信念】として、Aさんの中にある「価値観」の言葉化に迫ってみましょう。
 
 

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■ Finding Mine 代表  なべじゅんコーチ
 感情に着目した自己分析から「自分らしさ」を引き出す 寄り添いコーチ




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