「恥をかくのがイヤだから伸びない」と主張する子ども
うちには2歳の娘がいます。イヤイヤ期の真っ最中で、「こりゃどうしたものか」と悩むこともしばしば。とはいえ、「イヤ」と言うのが仕事くらいにとらえて、親はどーんと構えています。
その2歳の娘の話なんですが、1歳のときには「この子、語彙が増えないな」と思って心配に見守っていたのですが、2歳の誕生日あたりを境に語彙力が爆発的に伸びたように感じています。めちゃくちゃ話すし、めちゃくちゃ歌う。当然ながら、正確に言える単語もあれば、言い間違えをすることもあります。(その言い間違えがめちゃくちゃカワイイのは別の機会に譲りますね。)1歳のときはきっとインプットの時期だったのだろうと考えています。そこから、日に日に伸びていくのが目に見えているのですが、言葉の学習が好きなぼくとしては「なんでこんなに伸びるのが速いんだろう」と疑問に思ったわけです。大人の英語学習にも活かせる部分はあるのではないか、と。
娘に聞いてみました。
ぼく「なんでそんなに話せるようになったの?」
娘「……ちーらちーらひーかーる(キラキラ星の歌)」
まあ、当然答えられませんわな。聞いたぼくが間違いでした。彼女の言動から伸びている理由を探りましょう。その理由は彼女の行動にあると考えています。
「恥をかく」という言葉や考え方を知らない。
ここに尽きると思います。英会話を伸ばす秘訣として「恥をかくことを気にしないで話そう」というものがあります。それを体現しているのが彼女、というか、一般的な子どもです。聞いた言葉をすぐに真似して(インプットして)、すぐに声に出す(アウトプットする)。その繰り返しを人目を気にせずに行っているわけです。うちの娘は、電車の中でびっくりするほどの音量で歌いだすことがあります。アウトプットをしたくて仕方がないのでしょう。
この「インプットとアウトプットのサイクル」に加えて、周りの人がその言葉を聞いて「それって○○だよね」とフィードバックをくれます。それを聞いてはまた声に出す。このサイクルが出来上がっているからこそ、加速度的に伸びていくのだと考えられます。
そして、言えることが嬉しいのか、調子に乗って、同じ言葉を繰り返すこともあります。きっと「できる」という事実が楽しいんでしょうね。うまく言えれば褒められますし。同じことを何度も口にすれば、定着していくのは当然の流れですよね。最近、娘は「洗濯物」を「洗濯も」と言えるようになりました。ほぼ言えているので、「洗濯物だよね、すごいねー」と褒めていると、今は洗濯物を見るたびに「洗濯も」「洗濯も」とやかましいです。調子に乗っています。でも、その「調子に乗る」姿勢が話せるようになることにつながっていくのでしょう。
ぼく自身、英語学習コンシェルジュと名乗っていますが、「話す」のは得意とは言えません。その原因に、話すのを恥ずかしがったり、話すのを怖がったりしていることにあります。インプットばかりして、アウトプットをしない。それでは、フィードバックをもらえる機会ももちろんない。この姿勢では伸びていきません。
娘から学んだ教訓を具体的な行動に落とし込むとしたら、
・聞いたり読んだりした新しい表現をインプットする
・オンライン英会話などの場で実際に使ってみる
・講師からフィードバックをもらう
・言えたら調子に乗る
というところに落ち着くでしょう。なんと当たり前で、繰り返し言われていることでしょうか。「恥をかくのがイヤだから伸びない」のだと子どもは行動を通じて、ぼくに訴えかけてきているようです。イヤイヤ期でも恥をかくのは「イヤ」と言わないようです。
子育ては大変な部分がありますが、言葉の成長という観点で見ると、楽しくてワクワクします。子どもの成長に引っ張られるように、自分も成長していきたいものだなと感じる今日この頃です。
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渡邉 淳/porpor(英語学習コンシェルジュ)
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