2017年GW 東武東上線ハイキングきっぷの旅
今回は5年前のゴールデンウイークでの日帰り旅行の記録です。
使用した切符は東急線発で東武東上線の坂戸から先が乗り降り自由になっている「東急東武東上線ハイキングきっぷ」です。2013年3月に東急東横線が副都心線・東武東上線と直通運転を開始した際に発売開始した切符でしたが、残念ながら2019年9月末で発売終了となってしまいました。
お得な切符は発売終了になってしまいましたが、通常運賃はそこまで高くないので、今でも気軽に行くことはできると思います。
ちなみに西武線方面へのお得な切符「東急線西武線まるごときっぷ」は現在も発売中です。こちらは西武線全線乗り降り自由で、小竹向原ー渋谷間の副都心線も乗り降り自由です。
越生へ
東急線内から森林公園行の直通電車に乗車し川越の少し先の坂戸へ向かいます。直通開始時は東上線の地下鉄直通は普通のみでしたが、2016年3月に速達便の直通列車へ「Fライナー」という愛称を付けるようになり、Fライナー便は東武東上線内は急行で運転するようになりました。※東上線内快速急行の直通便も一部あるようです。
坂戸で東武越生線に乗り換えます。越生線は1時間に4~5本程度走っており、東上線への直通列車はありません。4両編成のワンマン運転となっており、10両編成の電車が走る東上線とのギャップが大きいです。
このあたりでは小川町駅や寄居駅も共同使用駅となっており、当時越生駅はJR管理、小川町駅は東武管理、秩父鉄道も乗り入れている寄居駅はJRが管理しているそうです。
五大尊つつじ公園
越生は梅林が有名ですが、シーズンではないので、今回は五大尊つつじ公園へ行きました。12種類、約10,000株のつつじが咲き誇る関東屈指のつつじの名所だそうです。駅からは徒歩20分くらいです。
つつじは都市部でもいたるところに植えられておりとても身近な花ですが、こうして山の斜面に色とりどり咲いているつつじは、都会で見るつつじとは違った魅力があります。
越生は「谷口集落」と呼ばれる街の一つで、山の恵みと平野の恵みが集まり市場が開かれ発展した場所でした。JR八高線は飯能、越生、小川町、寄居といった谷口集落を結ぶ路線となり、東京から伸びる私鉄線は繁栄していたこれらの谷口集落を目指して路線が整備されていきました。
越生→寄居
次の目的地は寄居ですが、坂戸経由で行くと時間がかかり、ちょうど八高線がいいタイミングで来るので小川町まで乗車することにしました。
車内はGW中ということもあり、大回り乗車中と思われる乗り鉄の皆様(自分もやったことがあるので否定はしません。)や観光客等の利用客も多く混雑していました。
そのまま八高線に乗って寄居まで行くことができますが、フリー切符があるので東武東上線に乗り換えます。
鉢形城
この日の最終目的地は「埼玉県立川の博物館」です。川の博物館の最寄り駅は東上線の鉢形駅ですが、鉄道路線の完乗も旅の目標にしているので、わざわざ寄居駅まで乗車しました。寄居駅から川の博物館への道中には鉢形城跡があるため、せっかくなので歩いて行くことにしました。
鉢形城は室町時代に築城され、戦国時代は北条氏の拠点でした。豊臣秀吉の小田原攻めの際に前田利家、上杉景勝、本多忠勝、真田安房守などに包囲されて、三か月ほどの戦いの後、落城したそうです。
荒川と深沢川(支流)に挟まれた天然の要害を成しており、現在もそうですが昔から交通の要衝であったため、城としては最適な場所でした。
川の博物館
鉢形城を散策し終え、埼玉県立川の博物館へ向かいます。
川の博物館は荒川のことや流域の人々の生活の歴史や文化について学ぶことができる施設で、施設の見どころは直径24m程度の日本一の大水車(木製)と、荒川流域の地形を1000分の1に縮小した大模型です。
河川洪水への対応といえば木曾三川の「輪中」が有名ですが、荒川では熊谷から東京の北区付近にかけて、家単位で「水塚(みづか)」と呼ばれる洪水避難場所が作られていました。
河川周辺の集落は自然堤防と呼ばれる微高地(河川が運んできた土砂が堆積した土地)に形成されましたが、「水塚」は母屋よりも一段高くなるように人為的に土盛りし、その上に洪水時の避難場所や食糧の備蓄庫として使用するための蔵などの建てた場所のことを言います。
川は流域によって地形も大きく変わるため、人と川の関係も流域によって大きく異なります。川の博物館では荒川の流域における地域ごとの特徴を学ぶことができ、とても勉強になる施設でした。
鉢形駅から東武東上線に乗り、この日の旅は終了です。
読んでいただきありがとうございました。