見出し画像

相変わらず生きている

 筆不精なもので、noteを更新しなくなってから大分日数が経過してしまった。思考がTwitterの投稿に特化しているため、どうしても140字を超える文章はハードルが高い。今後は思考の整理を兼ねて、もう少し文章を捻り出してみようかと考えている。

 2021年の7月は、新型コロナワクチンの接種に始まり接種で終わった。
 自分は職域接種でモデルナのワクチンを接種したが、6月後半に上司から「接種枠が空いているがどうか」という話があった時は即決で接種希望の回答を出した。基礎疾患を持たない中年男性という国や行政から見れば「一番どうでもいい」分類の人間なので、得られる機会は最大限に利用せねばならない。

 7月1日、大雨の降る中を出かけた1回目の接種は特に何事もなく終わった。久しぶりの筋肉注射は全く痛みを感じず、腕に違和感もなかったのでそのまま事務所に戻って定時まで滞在してしまったほどだ(あまり働かなかった)
 事前にあれやこれやと聞かされていたワクチンの副反応も翌日に注射した左腕が若干上げづらくなった程度で、それも翌々日には治っていた。念のために接種した翌日は在宅勤務にしていたが、特に苦しむこともなく時々メールチェックしながらコーヒーを味わうことができた。
(1回目の副反応については個人差があり、自分の翌日に接種した上司は微熱が出て一日寝込んだという)

 2回目のワクチンを接種したのは7月29日で、前回とは一転した青空の下を接種会場に向かった。接種自体はスムーズに終了し、1回目に比べると左腕が上がりづらい印象があったものの午後はそのまま在宅勤務で終えることができた。
 明確な副反応があったのは接種後14時間ほど経過した真夜中のことで、全身の熱っぽさと筋肉痛、関節痛で目が覚めた。「これが噂の副反応」と内心テンションを上げつつ用意してあったアセトアミノフェン系頭痛薬(ノーシン)を飲み、水を多めに摂って眠ったが、翌朝も症状は改善しなかったので起き上がらずに再び寝床へ。体温を測ると38.0℃あったので、頭痛薬を飲んでひたすら眠ることにした。
 全身の痛みが消えたのは接種から28時間経過した頃で、通常の発熱時と同様に一眠りして汗をかいたのが良かったのだろう。体温も平熱に戻り、若干の頭痛が残るのみとなった。
 その後も唐突に喉の痛みが出て数時間後に治ったり、全身が重く気だるい感覚が数日間続くなど副反応と思しき症状は続いたが、カレンダーが8月に改まった頃にはすっかり正常に戻っていた。モデルナのワクチンは副反応が起こりやすく、また症状の重さや期間も個人差が大きいというが、自分の場合はそれなりの体調不良が三日間ほど続いたことになる。

 予防接種というものはその効果を明確に実感することが少ないかも知れないが、ひとまず安心感を得られたことによる精神的なメリットは大きいように感じる。もちろんこれまでと同様に衛生には気を配らねばならないが、不安が小さくなるということは体調にも良い影響を及ぼすはずだ。
 自分の場合は若干アーリーアダプター的な気質があるのかも知れないが、今回の新型コロナワクチン接種は「最新の技術を自らの体に適用できる」高揚感に包まれる一種独特なイベントとなった。楽しかったと言ってしまえば不謹慎に取られてしまうかも知れないが、筋肉注射をされる瞬間も、経過観察の待ち時間も、移動時間も、副反応の発熱で寝込んでいる間も変わらずテンションが高いままだった。人生の中でこういう機会は何度巡ってくるか分からないと考えると、何事も脳内で「楽しいイベント」に置換されてしまうのかも知れないが、自分のこの性格で救われた部分もあったと思う。

 新型コロナワクチンに関しては肯定論から荒唐無稽な陰謀論まで無数の言説が飛び交っているが、2回接種を済ませた自分としては(副反応で寝込むとしても)接種できる機会に接種しておいた方が良いのではないかと思う。
 とかく現代社会は様々な利害が複雑に絡み合っているものだが、ワクチン接種に関しては自利と公益を明確に両立できる滅多に経験できないケースなのかも知れない。

●まとめ
・接種前に体調を整える(禁酒、たっぷりの栄養補給と睡眠、入浴)
・副反応に備えて翌日は休暇を入れておく
・水分補給と安静に過ごせる環境整備
・人生のレアイベントだと考えて楽しむこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?