二つの発展の可能性(ミニマル彫刻&シュルレアリズム絵画への、歴史的中途介入)

私は美術史をこれから先、展開する上で、ロバート・モリス、またロバート・スミッソンの初期にも見られたミニマル・彫刻の発展形の可能性は、一つには最も大きなものだと考えている。

Lot 10: ROBERT SMITHSON
Sotheby's
November 14, 2006
New York, NY, US
https://www.invaluable.com/auction-lot/robert-smithson-10-c-r9ze7husk5

スミッソンのそれは、後のジェフ・クーンズ初期にもポップ化を加え反覆されているように見えるが、

Jeff Koons
Inflatable Flowers (Short White, Tall Purple)
1979
http://www.jeffkoons.com/artwork/inflatables/inflatable-flowers-short-white-tall-purple
Jeff Koons
Five Double-Sided Floor Mirrors with Inflatable Flowers (Short Blue, Short Orange, Short Pink, Short Purple, Short Yellow)
1978
http://www.jeffkoons.com/artwork/inflatables/five-double-sided-floor-mirrors-inflatable-flowers

その後、ステンレス鋳造の(バルーンの)ラビットを頂点とし、ロココ彫刻等を参照した拡大化をさらに経て、行き詰まりは確定していったように思われる。ジェフ・クーンズの歩みは、最初から行き詰まりの反復であり、行末に向けてのその産業化・巨大化だったように私には思われる。

現在、私はモリス、スミッソンのミニマル・彫刻の展開の可能性(=ポップ化により安易に脱臼させない方向の、「歴史」への中途介入)を、技術的には3DCADの上に見ている。私の能力はしかるべく生成した形態等を瞬時に選択・決定することなので、共同作業できる相応しいエンジニアと組むことを欲望している。

もう一つは、絵画方面の展開であり、これは(ダリではない)シュルレアリズムの発展上の可能性として捉えるが、(奇異に聞こえるかもしれないが)現代にほど近いものでは、マイク・ケリーの初期・モノクロのドローイングの一部に、その歴史への中途介入の先を、私は一つには見ている。

以上は、以下で書いたことと、私は同時並行して考察しているものである。

新しいギャラリー形態の提案(プロトタイプ)|加藤 豪 #note https://note.com/naar/n/nf5d9b7bb7a5c

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