『戴冠詩人の御一人者』(1938年)

愛知県豊橋市出身の格闘家は女子にもいるらしく(藤野恵実)、この動画を見ていたら、私はなぜか数年前に自宅読書会で読んだ、保田与重郎の『戴冠詩人の御一人者』を思い出した。藤野恵実は、豊橋随一の資産家の生まれだそうで、聖心女子大入学後に親の監視を離れて格闘の世界へ。その間、バイク事故で左足を切断すれすれの負傷をする。そして再起後、今日に至る。現役。他の動画で試合を何本か見てみたが、ノーガードで顔面をボコボコにされながら突進するファイトスタイル。これを「男だ」と、多くの(男子)格闘家から称賛されているが、私は正直感心しなかった(笑)。

昨日のRIZIN30の試合後インタビューでも、こういう状態(鼻が折れ・眼窩骨折・口を縫う怪我)。

藤野恵実 試合後インタビュー / Yogibo presents RIZIN.30
https://www.youtube.com/watch?v=-Pi3FgNpG7I

金持ちで、足から骨が出て、切るかどうか医者が相談するような大怪我をし、再起し最初の、男子でも過酷な合宿で、二日酔いの状態で参加するなど。これも「(昭和の)男だ」と各人から称賛をされている。試合を見て、繰り返すが私は良いとは思わない。

[追記] というか、日本の弱さはこれでしょうね。

『戴冠詩人の御一人者』(1938年)は、当時出征する若者が多く影響を受け、読んだと言われる。これをテキストとして読書会で勧めたのが、演劇批評の海上宏美氏。柄谷行人に若年期に影響を受け、ドゥルーズ・ガタリ派からの、ゼロ年代以後ラカン派への転向組で、しかし私は氏から数年前に勧められて読んだ『戴冠詩人の御一人者』に、同じくドゥルーズ・ガタリを感じたんですね。卑怯な手口を使い、敵に背後から切り掛かって勝つが、どちらが勝っても負けても同じことだというように笑っている神話上の人物。この時の海上さんの口癖が(新自由主義的に)「勝っても負けてもどちらでも良い」、「戦争も同じく」ということで、つまり「欲望」だけだと。分裂病的ではない、正常な思考では、「勝っても負けてもどちらでもよいと(薬物的に陶酔的に)笑っている人が、戦争を指揮したり扇動したりしちゃいかんでしょう。」と、なると思うが。

RIZIN.30で浜崎朱加と戦う藤野恵実インタビュー!実家は豊橋イチのお金持ち?中学でエ◯本所持で呼び出し?大怪我から突然復帰!ブッ飛びすぎの過去を懺悔
https://www.youtube.com/watch?v=5iUETt_W7bQ

海上宏美氏「だって、世の中つまんないから。」

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