ピーターパンとアート

オマル マン氏との対談、第35回目。

K「オマル マンさん、こんにちは。パープルーム・梅津庸一さんの議論。」

パープルーム|(梅津庸一)@parplume· 3月13日
(昨今のアートマーケットでよく見かける生っぽい絵の具盛り盛り系/プリマ描きのペインティングの流行はどうかと思う。けれども、それに対して元芸大作家が技法材料的な知見からグレーズを持ち上げるのもナンセンス。大事なのは手法ではなく主題でしょ。手法に主題が規定されてしまうことはあるにせよ)
https://twitter.com/parplume/status/1502921652929458177

パープルーム|(梅津庸一)@parplume· 3月13日
(芸大の技法材料研究室の先生方は佐藤一郎をはじめとしてみんな作家としてはかなり微妙だった。そんな足枷でしかない「教え」を今更思い出してどうするのか。みんなそれぞれの方法で好きにすればいい。絵の具なんて厚くても薄くてもいい。
時代、世代ごとの作風の流行り廃りとは切り離して考えるべき)
https://twitter.com/parplume/status/1502925541988790272

パープルーム|(梅津庸一)@parplume· 3月13日
(技法材料的な知見を過度に内面化しまった作家は僕の偏見もあるけど、絵画を気楽に楽しんで描くことは難しいように思う。
ガチガチの表面的強度を求めるか絵画の形式を使ったシミュレーションに行く傾向がある。そこには一種の絵画コンプレックスが確認できるだろう。まぁ、一長一短ですな)
https://twitter.com/parplume/status/1502927850059743233

パープルーム|(梅津庸一)@parplume· 3月13日
(絵画技法にこれが正しいとか存在しない。それぞれにチューンアップしたりデチューンして良いはずだ。
昨今の絵画シーンにおける問題は作風なんかではなくアートバブル禍で作家も観客も売り上げやそこでの評判ばかり気にするようになったこと、そして美大における美術教育のひどさ。その2点だと思う)
https://twitter.com/parplume/status/1502932566529437698

会田誠の以下のツイートへの、対応する形として読める。

会田誠@makotoaida·3月12日
そう思う。油絵の具の盛り上げ、その粘性、キャンバス上で起きた偶然性の多い混色などの強調。それはファン・アイクが発明した油絵というシステムからの逸脱が甚だしい。蔑ろになった技術の代表格が計画的なグレージング。
引用ツイート

貴族@hasegawa_fusao · 3月12日
デジタルペイント普及の反動か絵具の物神化が甚だしいと思う
https://twitter.com/makotoaida/status/1502620419085328384

会田誠@makotoaida·3月12日
グレージングのためには絵の具層の乾燥を待たねばならず、それを何度も重ねるとすると制作に日数がかかる。今の日本の(世界も?)若手に流行っているのは、要するに一発描き。それは下手すると舞台の上でハサミを動かして最後拍手をもらう切り絵の演芸に近くなる。
https://twitter.com/makotoaida/status/1502637856199634946

O「加藤さん、こんにちは。梅津氏、こう改めてツイートを羅列すると、会田氏へ几帳面に応対していますね。」

K「そうですね。繊細な応答の形が見られる。これを私はリツイートしました。私の発言と、被っていたためです。それを肯定的に捉え。」

O「加藤さんと梅津氏は絡みはあるのですか? ちなみに。」

K「あります。生須芳英・矢田滋・梅津庸一・彦坂尚嘉・大木裕之(以上、敬称略)出演の何年か前のトークショーを聞きに行って。そこで初めて喋りました。」

O「アーティストとして頭角を現してきたのは、たしか10年代の前半あたり。そのときから、黒瀬との絡みを見て、「ちょっと違うな」という印象は私もありました。アーティストっぽくない面を有しているような。腕力の強さというか。」

K「「腕力」ですね。直接私が一対一で喋った感触は、対して、極めて柔らかいもの。」

O「彦坂グループと一瞬だけフィーチャーしていた時期ですね。」

K「そうですね。」

O「奇妙な価値観をもっているようで、そこに惹かれる面がある。受験絵画を好きなところとか。」

「日本の批評と美術、という文脈がありますよね。たとえば、小林秀雄や、洲之内徹ですが。作品にセットで、批評文がついている、というやつ。」

K「小林秀雄、皆が現在も参照しますよね。私は、したことがない。」

O「加藤さんは認めない画家だが、松本竣介や長谷川利行、等は、そのような文脈から評価されてる面があると思います。その効力は、今も非常に力を持っている。」

K「あ、なるほど。そういうことですね。彦坂氏が松本竣介に積極的に言及するのも。「権力」へのおもねりですね。嫌な性格です。」

O「彦坂氏は「そういう話をするのは、嫌です」と。突然チャットは終了した。何か強い口調で。自己の共同体を破壊しかねない存在だと察知。」

「[上記トークショー出演者]作品よりも、それぞれの人格の方に興味がある。率直に。」

K「真面目そうですよね、美術に関して、梅津君。」

O「梅津氏が「真面目そう」というのがカッコつきな感じがする。個人的には。」

K「議論に挑戦的なので、会田の自閉症の、芸大(技法材料)・権威主義より良い。」

O「逆説的になるが、会田誠 vs 加藤豪は、いかにも様になるが、」

K「そういう構図なんですか?」

O「加藤さんと梅津氏が、なんだか、マッチしない。構図ですね。断じてそこは。」

K「言説者として、マッチしない。なるほど。何も生産しないと。」

O「そこが、私が言っている、カッコつき「真面目そう」というニュアンスですね。卑怯でしょう。なんだか。梅津氏は。」

K「会田は、ガチの「真面目」? 良いことなんだろうか?(笑)。そこが、梅津氏の、間接的な直球の批判点では?」

O「梅津氏は、一時期だけでしたが、権勢をたのみにしていた時期があったと思いますけどね。これでも10年、Twitterをやっているので。見てきた読んできたことは忘れないので。」

K「梅津君と会った時の感触、柔らかさ(包容力か)。梅津君は「でも、自分はそうじゃないところがある」と私に言った記憶・・。」

「でも、上記、議論内容は、私は梅津氏の方に大方が理解ができる方ですよ。会田は、逆に全然知性が無いなと。」

O「梅津氏の「すり寄り」の立ち回りの達者さは、印象にあるけれど。」

K「ああ、そういう立ち回り方のリアルな自身の現場感を、私に表現していたのかも。一言で。」

O「”巨人”会田誠に勝つ気なんて毛頭ないという感じが、どうしてもしてしまう。会田こそ「権威」といってもいいでしょうが。上記ツイートも同格同士の応酬ではないような気が。これも「すり寄り」の一環として見えてしまう。」

K「会田は、巨大なんですか?権威なんですか?」

O「そこは疑問の挟む余地なく、巨大でしょう。」

K「全くリアリティが、私は無いんだけど。」

O「加藤豪さんが同じく巨人なので。梅津氏の「批評」が、誰かを殺す可能性はないでしょう。本人も、あらかじめ、それを分かっていて、やっている。」

K「うーん。考えるところ。梅津氏と過去に直に会って喋った経験がヒント。」

「なんかね、オマル マンさんに言われて、最近のパープルームのYoutube動画を見たところでも、あの数人のメンバーを抱えてやってくというのは、私は大変なことだと思うんですよ。会った時も、それに似たようなことに私は反応して、私はすぐに口に出た記憶。」

O「「助けてほしい」みたいな?」

K「いや、それは全然なく。私の方から一方的に、大変だろうなと。よくやれるなと、それにひたすら感心した記憶。」

「だから、動画を見ても、梅津氏だけが屹立して、場に「骨」を持たせようとして、喋り続けようとしている。」

【パープルームTV】第138回 わたしたちがパープルームです。メディアアートに進出しようかな。Part 2
https://www.youtube.com/watch?v=rsOurlMMWmA

「これは相当しんどいと。彦坂塾に対比すれば、明瞭だと思う。」

O「最近の動画、そうなのですね。ちょっと見なきゃな(笑)。どう進展するのかな?と傍目から見て、疑問符がたくさん付く、というのが本音ですけど。」

K「そうですね。一番新しいのを、さっき見たんですよ。他のメンバーが、終盤体が横になったり、無言でいなくなったり。「学級崩壊」みたいな(笑)。でも、梅津君は、場になんとか「骨」を最後まで持たせようとしている。まさに「柔らかく」。この気力。」

O「気力がある人でも、間違った判断をすることはある。」

 K「現実の大学教育や、または小学校でもいいですけど、リアルさをそこに映して体現しているような。」

「>「気力がある人でも、間違った判断をすることはある」。うんうん。そこは、「どうなるか分からない」というような感じで。「でも、作品が大事だよな」というところは、残して。」

O「私の兄も青山で会社をやって、経営者やっているので、いろいろシンパシーはありますよ。辛い見方も含めて。私も立ち上げの3年はアサインしていたし。ボッコボコにされたし。梅津さんを辛く見てしまうのは、そういう私自身のツラい経験と、被っているからかも。「でも、作品が大事だよな」ですね。本物に通用するかどうか、ですよね。「本物」っていっても、ネットを見渡しても、姿が見えない存在なのでしょうけど。私には梅津氏は、まさにそのような過酷な状況(本物たちに塩をまかれている)に追い詰められているように見える。」

K「そこを、動画で配信しているというのが、この業界にあって、稀有な感じがする。ほぼ未編集な形で。なんか「引っ越し」とかの必要性だとか、危機感は漂うのだが。これを見て彦坂氏などは、内心嬉々として消費するのだろうが。「去るのはお前。残るのは俺。」みたいなステレオタイプ。」

O「誰か救いの手が現れるか? そういう展開もあるかもしれない。」

K「それに「時代の節目」をすり合わせて、(自閉症的)自分にすり合わせて文脈化。アホかと。「反復」。」

「彦坂的権威主義的リアリズム(ラカン)は古い、まさに「仮想」。「現実」ではない。「学級崩壊」が現実。梅津氏は、言説においても、態度においてもそれを表している。」

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