一人称パパに憧れる話。
夏季営業プールでのアルバイトを始めた。
屋内レストランや雑貨店ではなく、少しばかり外に出て働きたかった。こんな情勢だからこそ何かと明るくてキラキラしたところで働くのが健康的でいいかと思ったのだ。始めて2週間弱、正直、同僚も太陽もキラキラは疎かギラギラしすぎているのでワンシーズンでもう十分と思っている。ソフトテニス県大会ベスト4入り強豪校の中学生か、というくらい日に焼けてしまった。
ウォータースライダーの受付やキッズプールの受付をやっていて何かと子どもと接する機会が多い。このバイトから分かったのは子どもは相変わらず可愛い、けど時々ヒヤッとすることもあるという事。
楽しいプールでテンションがあがってしまって結果的に危険な行為をする子は少なくない。無邪気な天使にも小悪魔にもなりうる子どもを育てている保護者の方たちに尊敬の眼差しを常に送っている。と同時に家族での微笑ましい瞬間を見ると、僕も一人称パパになれたらいいなぁとふわふわとした願望もでてくる。
そんなプールでのバイト経験を皮切りに子どもの事について恋人と電話で話していると、日本とアメリカどっちで子どもを育てたい?という質問が何気なく飛んできた。
一応、真剣に交際する(所謂official relationship)以前から、お互いのパートナーに求めたいこと、結婚願望や子どものことについて幾度となく話していて、僕らは今のところ結婚もしたいし子どもも欲しいね、というなんとなくの合点で交際を進めてきた。
けど、彼がここまでストレートに子どもの話をするのは初めてだったかなと。
Where would you want to raise your kids? という仮定の話ではなくWhere do you want to raise OUR kids, Japan or the States? という現実的な質問だったから、彼と僕が家族になり子どもを育てる前提なのだと読み取れた。嬉しいけどなんか変な感じだった。
2人で出した結論はこんな感じ。
・子どもも僕らも色々な意味で安心して暮らしていけるような場所がいい。保守的な地域よりもリベラルな地域。
・国籍にかかわらず一定の収入を得られる仕事があるところ。
・まだわからないけど30歳くらいで子供を持つのがもしかしたらお互いのベストかも。
・結局まだ先のことだから分からない、けど今のところ僕らは同じ方向を向いている。
まだお互い準備できてないからゆる〜くいこう。と話してその日の電話は終わった。