世界は偉大だ。
世界は大きい。私は地球に浮かぶ島国の一住人。20世紀の終わりに生まれて、たぶん200年したら誰も私の事なんて覚えていない。あなたが上司に怒られて落ち込んだことも歴史に残らない。教科書には載らない。上司が総理大臣でもない限り。そんな小さな存在な私はどれくらいの人に会って死んでいくんだろう。
世界は広い。まだ見てないものをもっと見たい、聴こえるものに耳を澄ませたい、全身と心の隅まで使って触れたい。自分の事をもっと考えたい。言葉を介して人の事をもっと知りたい。私がここに書いた事も世界の一部の人にしか理解されないし、私もあなたの言葉が分からない。あなたの事が知りたい。
だから共通言語を勉強して世界に出ていきたい。とても単純だ。
いまから書くのはそんな世界に関わる話。
やっと留学の手続きが落ち着いてきた。GWに入る前に入学許可証が全く来ずアメリカの大学に連絡した結果、忘れられていたらしい。こういう事よくあるんだろうか。交換留学のためのJ-1ビザは取るのに時間がかかると聞いていたけれど。
本当に手続き面に恵まれてないというか。何やってもうまくいかないなぁと落ち込んだ日があり、twitterに文字通り同じことを呟いた。
5月前半はほとんど手続きに追われていた。16時間ほどの時差があるため最短で連絡をしても、かなりラグがある。そんな中で、免疫検査とワクチン、履修アドバイザーとのやりとり、住居探し、VISA申請。かなり忙しかった。今はVISA面接の日にちも無事決まって一安心。
そして、住居も決まった。アメリカの大学はキャンパス内に寮があるのが一般的。そして僕も寮に住もうと思っていた。
けれど寮は3人1組の部屋。溜まるもの溜まってしまいそう。ストレスとか、ホコリとかアレとか。アレってのはアレだよ。
だからキャンパス外のシェアハウスを探して、アポイントメントを取って住むことにした。炊事洗濯掃除に関わる事は基本的に共用部だけど、部屋は個室。そこは僕と同じようなアメリカ、及び英語圏出身ではない学生が住むシェアハウス。同じような境遇の人が集まるので友達もできそう。
手続き面がひと段落し、アメリカでの学生生活が楽しみだ。なぜかあまり不安がない。というかそれほどに手続きが大変だった。たぶん行ったら出来ないことだらけで挫折すると思う。けど今できる事はなるべくしているつもりだからあまり不安がない。
留学中にしたい事は勉強以外にも沢山あるけどその内1つはLGBT associationに入る事。なぜかといえば、単純にゲイの友達、あわよくば彼氏(たぶん無理だろうけど)が欲しい。
真面目な事を言うと、同性婚が認められている州でのセクシャリティに対するアティチュードや世間の空気感を知りたい。僕自身、結婚という制度に憧れている人間なので。彼氏が出来なくてもいいし、結婚しなくてもいいんだけど、ただ単に興味がある。
それに、お世話になっている教授がアメリカの大学出身なのだけれど、この前ふとしたキッカケでLGBTの話になった。所謂GAY PARTY というものが1970年代のアメリカの大学で行われていた事。ゲイやレズビアンの人たちの社交パーティーと言われるやつだ。かなり進んでいるのだなぁ。アメリカで同性婚が法制化されたのは州にもよるけれど2015年前後。今の状況はどうなんだろう。
台湾でも同性婚が認められた。アジア初の事だ。婚姻関係が全てではないけれど、とても大きい転換点。
僕はまだ21年しか生きていないけれど、自分を取り巻く世界を見た。夏休みに訪れたカナダではレズビアンカップルが堂々と街を歩いていた。研究のため訪れたフィリピンでは大学の中に自由な性表現を支援するセンターが設立されていた。
人の思考、経験、人生史を聞く事が好きなんだ。教科書に載らない歴史が詰まっている。一対一の対話、それも世界。だから人と触れ合う、コトバを勉強する。まだまだ知りたい、もっと見てみたい。
世界は偉大だ。私は死ぬまでにどれくらい世界と関わる事ができるだろうか。