99ページ目だけ読めば良い?
前回の特集からなんと二年以上。この間もスマナサーラ長老の著書は毎月のように刊行され、本誌の編集後記でその都度ご案内をしてきました。なんでもネットで検索できる昨今、書籍案内にわざわざ誌面を費やすのも捻りがない。そこで今回はちょっと変わった趣向を挑戦してみました。
「99ページ目だけ読めば良い」という本選びの方法を御存知ですか? その本が読むに値するかどうか知りたければ、本を開いて99ページのあたりを読んでみるのです。面白ければ、最初から読みましょう。つまらなければ、はいサヨナラ。
けっこう大胆な選書法ですね。この「99ページ目だけ読めば良い」理論でスマナサーラ長老の本を読んだらどうなるのかなぁ、と思ったので試してみました。前回特集で掲載した2010年10月以降、2012年末までに刊行されたスマナサーラ長老の全単行本37タイトル(監修絵本、カレンダー、CDブックなどを除く。文庫化含む)を集め、99ページを開いて、印象に残った言葉を書きだしました。(該当ページが扉だったり、一連の流れで引用しにくかった場合は、前後のページから取りました。)
数日かけて抜書きしてみたら、あら不思議、まるで一編の金言・格言集のように読めるではないですか。やはりブッダの教えは、初めも善い、中ほども善い、終わりも善いものなのだなと感心しました。みなさんはどうでしょう?「これは!」と思う一言と出会えたならば、ぜひ本を手にとって、続きも読んでみてください。
(※初出:パティパダー2013年4月号)
身動き取れない時代
笑って生きる
性格より行為
誰でも失敗する
認識できない変化
すべて瞬間の判断
宗教の作者は原始人
苦しみを作る宗教哲学
執着という間違い
命は儚い
ブッダガヤーにて
釈尊は美男子
医者
やる気の理由
使うつもりで使われる
苦しみの再生産
希望が叶うこと
聞くための努力
性格は変わるもの
他人の性格
放置できない苦
誰も魂を知らない
無益な戦い
不安でいれば安全
心の力
死後の心配
不安という鬼
心を明晰に保つ
無執着で生きてみる
毎年が宿題
ブッダを意識して生きる
賭けごとは避ける
人間が考えること
理性が現れる条件
四無量心の実践
ブッダのメッセージ
変わり続けること
追記
2011年3月11日の東日本大震災とそれに伴う東京電力福島第一原発事故を挟んだこの時期は、文庫レーベルの立ち上げなど旧サンガの出版活動が旺盛な時期で、出版業界も全体的に過剰供給とも言えるほどの(末期的)活況を呈していました。協会にも出版企画の打診がひっきりなしに舞い込んでいたことを記憶しています。なお、『いつだって逆境 それでも「くじけない」心構え』サンガ(2012/7/1)は、スマナサーラ長老が福島など震災被災地で行った講演をもとにした書籍です。震災直後に協会ホームページを通じて発信されたメッセージも収録されています。