嵐が教えてくれた「推しは、推せる時に推せ」

「推しは、推せる時に推せ」

中学2年生のときから11年間。ジャニーズからハロプロ、地下アイドル、最近だとK-POPアイドルなど、あらゆるジャンルのアイドルに時間とお金と愛を捧げてきた私が学んだ言葉。

アイドルオタクをやっていると、よく耳にする言葉のひとつです。

日本のアイドルの寿命は本当に短くて、20歳ではベテランに仲間入りし「卒業」の文字が見えてきます。

「いつ卒業してしまうのか」
「どのライブが最後になるのか」

アイドルは「idol」と書き、直訳すると「偶像」という意味。つまり、アイドルはみんな偶像。本当に存在するのかもわからず探っているうちに、卒業してしまうのがアイドルでなんです。

私は毎日、いつか推しがいなくなってしまうかも…という恐怖をかき消そうと、最高傑作アイドルプレイリストをずっと流し、YoutubeではMVやライブ映像を見て、「今この瞬間」のアイドルとの時間を楽しむ毎日を送っていました。

そんな恐怖を、ここ最近で一番突きつけられたのが、
10年以上推している「嵐」の活動休止のニュースでした。

忘れもしない2019年1月28日。

Twitterのタイムラインで
「え！嵐卒業！？まじ」
というツイートを見た瞬間、一瞬心臓が止まりました。
地球上の酸素がなくなったのかと思うくらい呼吸をするのが苦しくなって、理由もわからず涙が頬をつたう…。

数年で卒業する女性アイドルとは対照的に、何十年とアイドルを続けている「嵐」。

人生で一番長く推している、国民的アイドルの5人グループが、リーダーの大野くん(私の推し)が「普通の生活に戻りたい」という、トップを走り続けて来たからこその願いによって、一旦休むことになったのです。

ニュースを見た時は
「人生が終わった…」って思いました。

他のアイドルは「そろそろ卒業しちゃうかな」と何回か頭を過ぎることがあっても、その心構えができていたから、卒業発表されても「やっとか！お疲れ様。」と素直に受け入れることができます。

卒業しちゃうかもしれないから、一回いっかいを大切に過ごそうって。
まさに「一期一会」だと思って、イベントを全力で楽しんでいました。

でも、嵐はちがいます。

ジャニーズは10代から50代まで、幅広い年齢の男性グループがアイドル活動を続けていて、とても寿命が長い。

嵐は今30代後半なので、「あと10年以上は続くだろう」と勝手に思ってたんです。ほんと、勝手に。

だからコンサートに行くときは、大好きな人と久しぶりのデート前みたいに嬉しいし、ドキドキしたけれど、どこか「次もあるよな」って思いながら楽しんでいました。

アラシック(嵐ファンの総称)の友達とも
「嵐が50歳になったら良いおじさんになってそうだよね」とか
「10年後は、嵐も私たちも良い大人になってるよね」とか
未来の事ばかり話してました。

卒業する
活動をやめる
解散する

1ミリも予想していませんでした。

そんなときに、嵐の活動休止のおしらせ。

ニュースを聞いたときには、終わってしまうという事実を受け入れることができず放心状態…。

何が起こってるのかわからなくて、脳内のパソコンがフリーズ。

「いや、これもしかしたらドッキリなんじゃないか。隠しカメラとか仕込まれてて、【もしガチアラシックが嵐解散を伝えられたらどんな反応をするのかドッキリ〜】みたいな企画にのせられているのかも…」

と、だれかに騙されているんじゃないかという疑いの気持ちさえでてきました。

「どうかデマであってほしい…噂であってほしい」

しかし、ジャニーズ公式サイトからも活動休止のお知らせがあり、テレビの速報にも流れ、夕方のニュースはそのネタでもちきり。

現実であることを受け入れざるをえなかったのです。

もう悲しくて、悲しくて…。

涙は止まらず、ひたすら「嵐がいなくなった世界」を想像して途方に暮れていました。

嵐がいたから辛い部活のトレーニングを乗り越えられた
嵐がいたから受験期間はグレずに勉強できた
嵐がいたから働いていて怒られても立ち直って前を向けた
嵐がいたから起業して不安なときも明るい未来を見せてくれた

ガラスのハートだねって部活仲間から言われることが多かった私が、ここまで元気にやってこれているのは嵐がいたからです。

けれど…嵐もアイドル。
終わりがあることはわかっていたけど、考えたくなくて、脳が勝手に「終了」の2文字を消していたのかもしれません。

あと3ヶ月もしないで、嵐は活動休止します。

先日無観客ライブをやることが決まって、「そりゃ、そうだよな」っていう納得する気持ちと、もう二度と直接会えないかもしれないっていう胸がぎゅっとつかまれるような悲しさ。

うん…悲しい…書きながら涙がでてきますが、嵐本人はもっと辛いし、そんな中で世界に向けた新曲を出したり、慣れないSNSに果敢に挑み続けています。

悲しんで立ち止まってるだけじゃ、ダメじゃん。わたし。

いくら考えても現実は変わらないし、考えても悲しくなるだけです。

今の嵐を全力で楽しみたいと思います。
嵐、これからもよろしくね。