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私の2月|バレンタインがくれた最高の贈り物

今回もSHElikes・ライターコミュニティの#note投稿企画 に参加させていただきます🌟
第2回目のお題は「私の2月」です!


バレンタインがくれた最高の贈り物

窓の外ではまだ冷たい風が木々を揺らしている。でも、空気の中には微かに春の予感が漂い始めていた。
2月。この季節が近づく度、私の心は不思議と浮き立つ。

甘酸っぱい記憶

中学2年生の2月。教室の窓から見える木の枝に小鳥が止まっては飛び立っていた。同じクラスの彼とは、毎日メールのやり取りを続けていて、気づかないうちに特別な存在になっていた。

バレンタインデーが近づくにつれて、渡そうかな。でもな。と彼のことを考えることが多くなっていた。そんな時、最近彼女ができたことを友達伝いに知った。毎日メールしているのに、そんなこと本人は教えてくれなかった。

「彼女出来たんでしょ?バレンタイン渡そうかなって思ってたけど渡せないね」と伝えたら、「ほしい!」と彼は言った。

彼の言葉に戸惑う。それでもバレンタインデーはすぐそこまで迫っていた。クラス替えまであと少しだし。どうせ最後になるなら、と私は手紙を添えることにした。

“本当は、好きだったよ!”

一言だけ書いた手紙をチョコレートと一緒に特別なラッピングをした。
当日。彼の家まで行ってチャイムを鳴らした。出てくるまでの時間が永遠のように感じられ、手のひらには汗がにじんだ。玄関が開き、彼が姿を見せた瞬間私の心臓は早鐘のように鳴った。

「はい!これあげるー!じゃあね!」

と矢のように早く渡して、彼の反応を見ることもなく、その場から逃げるように帰った。渡した後の記憶は霞んでいる。ただ、胸の高鳴りと頬の熱さだけは今でも鮮明に覚えている。

手紙には気が付いたのかな?と帰ってからもソワソワしていた。彼からはメールで「ありがとう」と一言送られてきた。

バレンタインデーをきっかけに彼は彼女と別れたらしい。その後私に告白してくれたけど、なんだか乗り換えたように感じて、期末テストを理由に返事を保留した。期末テスト後再度告白してくれた彼に、私はOKした。

彼と付き合ってからも、毎年バレンタインには手作りをプレゼントしている。付き合ってから実はチョコがあまり好きでないことを知った。(じゃあなんであの時ほしいといったのだろうか。)
それからは、プリンやショートケーキ、フルーツタルトにミルクレープなど毎年何を作ろうかと悩んだ。同棲してからはお菓子ではなく、料理にシフトして、夕食を豪華にしたりお弁当をバレンタイン仕様にしたり。

9年目のバレンタイン

それから月日が流れ、9年後のバレンタインデーに彼がプロポーズをしてくれた。場所はかつて喧嘩をして別れ話をした場所。

「この世界に、二人の嫌な思い出の場所をそのままにしたくない」

という彼の言葉とともに、絵が得意な彼が初めて私のために描いてくれた絵を手渡された。指輪はいらないと言っていた私へのサプライズだった。あの日のバレンタインに意を決して手紙を入れたことが、今につながっている。

最高の贈り物

今、私たちには何よりも大切な宝物である娘が二人いる。朝は長女が「パパ、いってらっしゃい!」とハグをし、次女も続けて「いってらっしゃい」と真似をする。夕方には二人とも「パパだ!おかえり!」と笑顔で出迎えている。

あの日の選択がこのかけがえのない日常につながっていると思うと、過去の自分にグッジョブを送りたい気持ちでいっぱいだ。娘たちはまだ2歳と4歳でこのエピソードを話したことはないけれど、いつか恋バナをする頃になったら話したいなと思っている。

2月は、私にとって特別な月。バレンタインデーは私たち家族の物語の始まりの日。あの時のチョコレートと手紙がなければ、今の幸せな日々はなかったかもしれない。

これからも2月がくるたびに、あの時の胸の高鳴りを思い出すだろう。そして毎日の何気ない瞬間を大切な宝物として、彼と、娘たちと紡いでいきたい。

最後に

旦那との出会いは中学生で、仲の良い友達から始まりいつの間にか大切な存在になって、気づいたら誰よりも一番長くいる人になっていました。

#みらいと  さんのテーマを見たとき、これしか書くことが思い浮かばなかったくらい大切な思い出です💡そして、これを機に初心を思い出しとってもエモい気持ちになりました笑

14歳で出会い、15歳で付き合った夫とは、もう15年一緒にいてついに人生の半分を超える年になりました!バカップルだった私たちがバカ親になり、今も仲良くいられることが幸せだなって改めて思いました💝

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