『剣と法典−小ナポレオン 山田顕義−』(古川薫)

「われ東洋のナポレオンたらん」(山田顕義)。

本書は、2015・3・16読了のもの。
『シリーズ学祖・山田顕義研究』があったりしますが、小説となるとなかなか私の思いをみたしてくれるものは、ほとんどない状態。
サーベルをペンに持ちかえ、法典の完成に力を注いだ山田顕義。
そして、母校や國學院大學の2つの大学の学祖であることは、知る人ぞ知る、というレベル。

当時、民法は山田顕義が力を注いだ「明治23年民法」を典拠として編纂され、その形をとどめるとともに、戦後の新民法にも生き続けています。

山田顕義を学祖とする学校で学べたことを嬉しく思います。

『民法典論争史』のなかでの星野通博士が述べられた言葉をご紹介し、まとめにかえたいと思います。
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「山田顕義は23年旧法典の完成者である。
勿論旧法典は公布されただけで施行されなかった。
しかしそれは色々な意味で、各方面に大きな影響を与えた。
謂わば法学史的にも、法思想的にも、立法史的にも、特筆すべき意義を持つ文化的所産であり、強引よく強行軍をとって、この大法典を一気に完成した法典伯山田の功は、最も高く買われるべきであろう。」
(P297〜298)
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愚直なまでに誠実で直線的な生きざまは、人を魅了してやまない。


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