表面をなぞるだけのことば


私が所属している会社が運営している自社サイトで、
「社員の横顔」というコンテンツがある。

タイトル通り、社員が書いた記事が掲載されているコンテンツなのだが、
そこに並んでいる先輩や同期、後輩が書いた記事、として紡がれることばに触れると私はいつも悲しくなる。

彼ら・彼女らの綴ることばは、うまく言葉で表現することができないのだが
何かが少し違うのだ。

ことばが、パソコンの画面上で一人歩きしているような、
画面から飛び出して私のすぐ隣に座って語ってくれているような。

うまくことばにはできないのだが、なんだか違うのだ。

それは、自分の持つ意味にピタッとあてはめる形で文を構成する要素となっている嬉しさや、自分をつむぐ主の気持ちや感情をそのまま忠実にのせようとことば達が奮起しているような、そんな感じがするのだ。

そして、そんな嘘偽りのないことばたちを受け取ると
私はこれまで自分が使ってきた、発してきたことばの適当さや軽さをしる。
そして自ら悲しくなる。

決して誰かから借りた言葉ではない、自らのウチから湧き上がる言葉であることだけは確かなような気がする。

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