2019.07 富士吉田(『FAB BOX Ⅲ 上映会』)

2009年の年末からもうすぐ10年。長かったような短かったような不思議な気がします。

志村さんが自身を削るようにして曲を作り歌っていたあの年の2つのツアー。薄れ行く当時の記憶、もう体験することができない志村さんのライブ。

ずっと映像化を待っていましたが、なかなか実現されることはなく、半ば諦めかけていました。移籍のこともあるし、今のフジの路線と当時の路線はだいぶ隔たりもある。

それが音源化されると発表になり、発売日かつ志村さん39歳のお誕生日目前の2019年7月6日に、思い出の(旧富士五湖文化センターから建て替えられた)ふじさんホールで先行上映会も行われるとのことで、何とかチケットを手配し、二ヶ月ぶりの吉田に行ってきました。

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いつも通り寿駅で降りてうどんを食べに向かいます。

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だいたい肉うどんを食べるのですが、メニュー表を見て「あれ?」と思ったら50円値上げされていました。

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食後、歩いて下吉田方面へ向かいます。この日はあからさまに天気が悪く、いつもは写真の奥のほうにきれいに富士山が見えるのですが、全く見ることができませんでした。

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そして当たり前のように二杯目のうどんを食べます。

普段だったらこの後お茶をしたり「いつもの丘」こと忠霊塔へ登ったりまったり散歩へ出るのですが、この日は16:00からの上映会と、その前に「路地裏の僕たち」の皆さんが準備してくださった「志村正彦展」を見なければいけなかったので、少しお寺に寄った後、急いで富士山ホールへ向かいました。

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下吉田駅。上映会のポスターが貼ってありました。

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月江寺駅。2008年のライブの時に出ていた幕をまた飾ってくれていました。(最終電車の時刻は直してあった。笑)

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月江寺駅の中にも上映会のポスターが貼ってありました。

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会場に到着。昼の部の上映会が行われている時間帯だったので、あまり待たなくて済むかなという一縷の希望を持っていたんだけれども、やっぱり長蛇の列ができていました。一時間くらいは並んだかな。

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やっと建物の中まで入ってこられてあと少しというところ。路地裏の皆さん達による手作り感溢れる看板です。

ちなみにホール隣にある図書館では、

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こんな感じで館内で志村さんの曲を流してくださっていたようです。(時間がなくて聴けなかった。残念!)

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さて、展示会場の入り口です。階段上は撮影禁止だったので、撮っても良かったところの写真を置きます。

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FAB BOXⅢ監督の須藤中也さんからのメッセージ。

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志村さんのギター。

階段上は、過去2回の展示でも馴染みがある志村さんの写真(幼少期からデビュー前のもの、デビュー後のオフショットなど、2019年のお誕生日や亡くなる前日の写真を含む)や衣装、志村さんに向けられた縁の方や地元の生徒などからのメッセージや作品がたくさん並べられていました。そんな中、初めて見て「おや?」と思ったのはかなり使い込まれたG-SHOCK。しかも時を刻んでいました。これは見たことがないものだなと思って、ちょうど脇にいらしたFujifabric International Fan Siteのジャックラッセルさんに伺ったところ、明確な時期はわからないけれども志村さんがずっと大事に使っていたもので、当時からずっと変わらず動いているとのことでした。

そういえばBOX内の映像ではぼかしが入っていたミニーちゃんのTシャツもボロボロで(あれはデザインだという話もあったけどやっぱりかなり着込んでいるように見える)、志村さんは愛着のある物を大切にするんだなーと。あと、G-SHOCKの近くには懐かしの「うどんぶり」(過去グッズ)の中に入ったポプリが置かれていて、それも実際志村さんがそのようにしてポプリを使っていたということでした。そういうフジファブリックのフロントマンとして私達が触れることができた面以外の、志村さん個人の人柄も感じられる温かい展示でした。

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名残惜しいけれども、上映会の時間が迫っていたので会場を後にします。出口のところには、ジャックラッセルさんのサイトで説明があった、路地裏の皆さんによる「若者のすべて花火プロジェクト」の募金コーナーがありました。勿論、気持ちをお入れしてホールに向かいました。(*プロジェクトは花火打ち上げの目標額を達成したそうです!良かった!)

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入場前に、この日先行販売されていた詩集の新装版を買い

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ホールへ入ります。

上映会は定刻通りに始まり、初めにEMI時代のフジのマネージャー今村さんが出てきてBOX発売の趣旨などをお話してくださいました。フジは今村さんがEMIに入社して初めて担当になったバンドで、当日は自分もメンバーも若く、日夜ずっと一緒にいたので色々な映像が残っていた、亡くなる年の映像を出すことに葛藤もあったし、BOXの映像や音は、資料用・確認用として回していたカメラのものなので正直質が良いものではないが、それでもやっぱり見てほしい、聴いてほしい…そんなお話でした。

上映された内容については、まずは生々しいなと思いました。今の映像作品はかなり整えられているものが多く、自分が会場で聴いていたものとはだいぶ印象が変わって聴こえることも多いです。でも、このBOXの映像や音はそうではありません。おそらく、記録の元々の情報量が少なかったから修正がしにくかったのもあるのでしょうが、当時の生の雰囲気、もう味わうことができなくなってしまった志村さんのライブをなるべく変えることなく感じてほしいという意図があったんじゃないかなと思います。私は志村さんのボーカルは歌詞を間違えたり音をはずしたりというところも味だと思っていたので、そんな当時のことを思い出して懐かしくなりました。感覚的にはアルバム「MUSIC」を聴いたときと近かったです。(「MUSIC」もボーカルはラフなレコーディングで残っていたものを使っているので)

あと、この日は志村さんのお誕生日が近かったこともあり、2019年の大阪ライブ(誕生日開催)でのお祝いシーンや、路地裏の皆さんの展示で見た誕生日ケーキの帽子(?)を頭に乗せてはしゃいでいる写真の撮られた打ち上げの様子なども長めに入れ込んでいてくださっていて嬉しかったです。

あとはクロニクルのレコーディングの様子がこんなにたくさん残っているとも思っていなかったし、MC集のダチョウ倶楽部のところとかは笑ってしまったし・・・何だろう、見ていてつらいところもあったけれども、そこも含めての志村さんだし、思っていた以上にひょうきんなところのある人だったっていうのも伝わってくるし、色々な感情が沸き起こる2時間でした。

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上映会終了後は、M2さんに寄ろうかなとも思ったんだけれども、この日はきっと昼の部組の方や、夜の部が終わってから向かう人で混雑するだろうなと思ったので、見送りにしました。

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いつもの丘にも行けなかったし街歩きもほとんどできなかったけれども、おなかいっぱいな一日でした。

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買ってきたもの。

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