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目標は腹八分目に-「漸進主義」の勧め-

 何かことを始めようとするじゃないですか、その際に、「絶対にやるぞ!」と思うのはとても素晴らしいことなんです。

 そして、そこから、実際に物事に取りかかるまでに一定の乖離があるのも確かです。

 物事には、いわゆる「慣性の法則」が働きますから、動いていないものを動かし始めるのに、大変労力を使います。
 ※反対に、動き始めれば、その動きを維持するのは、動き始めの労力よりは楽です。

 で、意を決して、取りかかるとするじゃないですか。

 そのときに、私が言いたいのは、「全力でやったときの100%に相当する行動目標は立てない方がいい」というアイデアなんです。

 「絶対にやってやる! やったるときはやったる!」と思い定めて、いざ行動を起こすのはかなり素晴らしいことなのですが、その際にやりがちなのが、初期設定の行動目標が、現実の行動に比して、高めにしがちであるということなんです。

 初期設定は、全力のときの腹八分目、つまり80%、いやいや60~70%でもいいとさえ、私は感じています。

 気分が乗っているときは、かなりの力が出せるものですが、それが持続可能な(サステイナブルな)ものかどうかとは別です。

 何かを達成するときに要する期間に関して、試験直前の一夜漬けみたいな安直なものは、ほとんど世の中にはありません。

 だいたいが、「質×量(投入する時間・期間)=成果」のような算式で決まります。

 ですので、最初だけ頑張っても、-やらないよりは絶対マシですが-大して成果が上がらないものなんですね。

 つまり、量である投入する時間・期間を持続的にすることが重要です。

 そのためには、最初でくじけないこと、途中でくじけないことが、重要となります。

 そのため、ご飯の炊き方にかかる言い伝えではないですが、「始めチョロチョロ、中パッパ、赤子泣くともふた取るな」のたとえにもあるとおり、最初はチョロチョロくらいでいいのです。

 そのためには、最初の行動目標は、こんなの余裕じゃん、くらいの腹八分目に設定しておく方がいいのです。

 また、さらには、それを一週間の行動目標に落として、月~金でできなかった分を土曜日で盛り返すための予備日を設定するのがちょうどいいのです(休息日としてもいい)。
 ※付け加えていうならば、日曜日は、その週の振り返り(復習に相当)と翌週の行動目標の設定(予習に相当)に充てるといいですね。


 だいたいが全力目標を立てて、途中で挫折してしまうケースが多いのです(だって本当の全力なら、続かないものですよ。)。

 しかしながら、腹八分目で余力を残して設定すると、ちゃんとやると、余裕ぶちかますこととなります。

 その余裕の時間に、少しずつ翌週の予定を前倒しで行うのです。

 このように目標の前倒し人生が始まると、次第に自信が付いてきます。

 その経過の中で、実際の行動目標をそろりそろりと次第に上げていくのです。

 これを私は、漸進ぜんしん主義」と呼んでいます。
 ※漸進…順を追って少しずつ進むこと。

 人生は、陸上自衛隊の人が得意とされる「ほふく前進」みたいなもので、這いつくばって、敵の攻撃をよけながら、それでも、少しずつ前進していく、それが大事ですね。

 こうすれば、長大な最終目標でも、達成される可能性がきっと高まりますよ。

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