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東北日本プレート境界説とゾウの楽園

東北日本は北米プレート、西南日本はユーラシアプレートに属し、それぞれ太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込んでいます。

2023年10月29日
tokyo-np



北海道誕生

約1300万年前まで、北海道中軸部の日高山脈沿いに縦断していた北米プレートとユーラシアプレートの境界では、東北日本マイクロプレートが北米プレー トに附加されました。

日本列島誕生のトリセツ
昭文社
約1300万年前、北海道が誕生

東北日本プレート境界説

100万年前以降、北米プレートとユーラシアプレートの境界は日本海側へ転移しました。

東北日本プレート境界説は、
日本海東縁部~フォッサマグナ間に新生プレート境界が生れつつあると主張しています。

日本海東縁地域の地震活動とメカニズム
地学雑誌99-1(1990)
三雲健教授
東北日本プレート境界説

東北日本回転説

東北日本は樺太の北端を中心にして時計回りに回転すると仮定します。

フィリピン海プレートが北西に移動すると、東北日本は必然的に西に移動します。

ところが、日本海の地下の基盤は固いマントルなので変形せず、西に移動した東北日本は東西に圧縮され、隆起せざるを得ません。

2017/06/29
日本列島の地殻変動の謎を解明
産総研
東北日本背弧の地殻変動は、
フィリピン海プレートの運動が原因。

能登背弧プレート境界説

東北日本が時計回りに回転すると仮定すると、
能登半島の日本海側に、
新しいプレート境界が誕生する
可能性があります。

太古の日本列島はゾウの楽園

600万年ぐらい前、
ツダンスキーゾウというのが見つかります。
アジア大陸に当時いたでっかいゾウなんですがそれが日本に渡ってきています。

渡ってきた時点では、大陸と日本がつながっていたのかもしれないんですが、その後、しばらくまた切り離されて交流がない状態が続きます。それで、何百万年かにわたって日本で独自に進化していくんです。

ミエゾウ、ハチオウジゾウ、アケボノゾウという系列。ハチオウジゾウは2010年に命名されたばかりです。原始的なアケボノゾウという位置づけで別種にする必要はないという説もあるんですが。」
「アケボノゾウは、70万年くらい前まで生きのびていました。」

国立科学博物館
冨田幸光地学研究部部長
WEBナショナル・ジオ

ザンクリアン寒冷期の古東京湾

533万年前〜360万年前
大陸と日本はつながっていた
(火山活動の結果、海水が蒸発していた)

パストニアン温暖期の古東京湾

80万年前~60万年前

直立二足歩行

(中新世の終わり(約700万年前)頃から、地球は徐々に寒冷化と乾燥化が
進行しました。)

一部の古生物学者(スティーブン・グールド氏)は、未熟な果実を消化できる猿類がこの時代に登場しただろうと主張しています。そして、猿類の台頭と
拡大に対抗して、ご存知の我々の直立二足歩行が始まりました。

(故スティーブン・グールド氏は、米リベラル派の元大学教授)

クリストファー・ストリンガー

『八匹の子豚』(故スティーブン・グールド氏)

スティーブン・グールド氏

「我々ご自慢の進化の過程というのは、実際は失敗した系統の、
衰退し続けた多様化の記録なのです。
その後その系統は、たまたま”意識”と呼ばれる奇抜な発明
編み出したというわけです。・・・」

クリストファー・ストリンガー

祖先は「縄文系」「関西系」「東北系」の3つに

理研生命医科学研究センターゲノム解析応用研究チームの寺尾知可史チームリーダー、劉暁渓上級研究員や東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターの松田浩一特任教授らは、「3つの祖先系統」説を発表しました。

2024.07.24
内城喜貴氏
 科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員
サイエンスポータル

寺尾氏らの研究グループは、多くの人の血液や遺伝情報を集めて保存している組織「バイオバンク・ジャパン」を活用。
DNAの全配列を詳細に分析した結果、日本人の祖先は主に、沖縄県に多い「縄文系」、関西に多い「関西系」、そして東北に多い「東北系」の3つに分けられることが分かりました。さらに調べると縄文系の遺伝情報の割合(祖先比率)は沖縄県が一番高く28.5%、次いで東北で18.9%、関西では最も低く13.4%でした。

2024.07.24
内城喜貴氏 
科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員
サイエンスポータル

この祖先比率は縄文人と沖縄の人々の間に高い遺伝的親和性があるとの以前の研究とも一致しました。

また、東北系も縄文人との遺伝的親和性が高く、
沖縄県・宮古島の古代日本人や韓国三国時代(4~5世紀)ごろの
古代韓国人に近かったといいます。

2024.07.24
内城喜貴氏 
科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員
サイエンスポータル
「縄文人度合」を推定
東京大学大学院理学系研究科の
大橋順教授と渡部裕介特任助教ら

この研究成果は、縄文時代の狩猟採集民族である縄文人と弥生時代に大陸の北東アジアから渡来した稲作移民の弥生人の混血により現代の日本人が形成されたとする「二重構造モデル」に疑問を投げかける内容です。

『二重構造モデル』説は、「東南アジアからスンダーランド人が北上して、
縄文人の母体になった」と主張しています。
「その後、韓国・沿海州の先住民が対馬海峡を超えて列島に進出し、
地域的に混ざりあうことで縄文人が形成された」と『二重構造モデル』説は
説明しています。

2024.07.24
内城喜貴氏
 科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員
サイエンスポータル
「東北系」集団の構造
東北の人々(C図の黄緑の点)は、
細長いエリアにクラスタリングされます。

沖縄(C図のこげ茶色の点)と東北の人々のゲノムには、特異性があります。
また、東北の人々のゲノムには、多様性があります。(C図の細長いエリア)

この図は、大陸の近縁なゲノムの集団が長期に渡り、
連続して東北地方に渡来していたことを示唆しさしています。

『三重構造モデル』説

理研などの研究グループの発表に先立つ2021年9月。金沢大学などの共同研究グループは、縄文、弥生、古墳時代の遺跡から出土した人骨のゲノム解析した結果、現代の日本人は大陸から渡ってきた3つの集団を祖先に持つことが分かったと、同じくサイエンス・アドバンシズに発表しています。

2024.07.24
内城喜貴氏 
科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員
サイエンスポータル
『三重構造モデル』説
『Science Advances』
2021 年 9 月

不都合な現実

『三重構造モデル』説によると、
北陸の古墳時代の遺跡から出土した人骨のゲノム解析した結果、
大陸から渡ってきた集団(古人骨)を祖先に持つことが分かりました。

縄文人・弥生人・古墳人と時代を追うご とに,大陸集団との遺伝的親和性が高くなっていることが分かります。」と説明しています。

しかし、「3つの祖先系統」説では、

『東北系』集団は縄文人(南西諸島の古代日本人)との
遺伝的親和性が高い


と主張しています。


『五重構造モデル』説

「東北系」の「祖先系統」を以下の3集団に分類します。

①縄文人(南西諸島の古代日本人)との遺伝的親和性が高い集団
②大陸集団(沿海州の先住民・粛慎)との遺伝的親和性が高い集団
③上記①②のいずれにも該当しない基底集団(北方系プロト縄文人)

『五重構造モデル』説は、日本人の祖先を
「縄文系」「関西系」「東北系・プロト縄文系」「東北・縄文系」「東北・古墳系」の五つの集団に分類します。

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