「環状ユニット」説(=安蒜政雄氏)
「環状ユニット」とは、日本列島の後期旧石器時代初期(約4万年前~3万年前)の遺跡から検出される旧石器人の集団キャンプ跡と考えられる遺構です。石器を製作する際に飛散したブロックと呼ばれる剥片が、環状(円形)に分布して検出されるもので、当時の人々の生活・居住の実態に迫る遺構として知られています。
2019年(平成31年)時点で、全国で118遺跡146基確認されていますが、約半数の53遺跡71基が千葉県北部(下総台地)で検出されています。
ブロックのある場所は、細く簡易な木柱を組み、獣皮等をかけて屋根としたテントが作られ、家族などの構成員による小集団が共同生活をしていたようです。
約4万年前~3万年前までの、後期旧石器時代初期に現れる特有の遺構とされ、3万年前以降の旧石器時代遺跡では、環状ユニットは見られなくなります。