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喜びと期待(=政変2日目のダマスカス)
11月末にシリア北西部から南へと進攻を開始した反政府勢力「ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、「シャーム解放機構」の意味)」は8日、首都ダマスカスに入り、勝利を宣言しました。
BBC Japan
喜びと期待の声
シリアのバッシャール・アル・アサド政権が倒れて2日目の9日、首都の中心部では引き続き、大勢が集まり、喜びをあらわにしていました。
HTSの戦闘員だけでなく、民間人も口々に「解放」を喜び、未来への期待を口にしています。
前日には市内各地で略奪や破壊行為が報告されましたが、9日はHTS戦闘員が政府庁舎や市場などを警備していました。
市内からBBCのヨギタ・リマエ特派員が報告します。
BBC Japan
シリアってどうなっていた?
2011年、民主化運動「アラブの春」が波及する形で、シリアでも民主化を求めるデモが起こり、アサド政権がこれを武力弾圧したことをきっかけに反政府勢力との激しい内戦に発展しました。
2014年には内戦の混乱に乗じて過激派組織IS=イスラミックステートがシリアとイラクにまたがるイスラム国家の樹立を一方的に宣言。
国際部記者 勅使河原 佳野
NHK NEWS WEB
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一方、アサド政権は、ロシアから空爆の支援を得て反政府勢力やISの支配地域に激しい攻撃を加えるなど、内戦は泥沼化します。
その後ISは弱体化、2020年にアサド政権の後ろ盾のロシアと反政府勢力を支援するトルコが停戦合意を交わして以降は、大規模な戦闘は起きずこう着状態となっていました。
国際部記者 勅使河原 佳野
NHK NEWS WEB
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トルコ難民問題
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はしばらく、シリア難民の帰還を可能にする外交的解決に向けた交渉に参加するよう、アサド大統領に迫っていました。
トルコにはシリア難民が少なくとも300万人おり、難しい国内問題になっていました。
だが、アサド大統領は参加を拒んでいました。
国際部記者 勅使河原 佳野
NHK NEWS WEB
アサド政権支援してきたロシアは?
地政学者のグラハム・フラー氏
「シリアの非常に不確実な状況に関与することは、ロシアの軍事資源にとって過度の負担になるでしょう。」
「そこは、罠にはまる危険性が非常に高いということです。」
「そして驚いたことに、トランプ政権移行チームもまた、その状況に深く関与したくないと決めたようで、私はそれを喜んでいます。」
今後のシリアはどうなる?
「シリア解放機構」のジャウラニ指導者はCNNのインタビューで「首都機能を完全に確保したら次は制度構築、統治にかかわるプロセスを進めていく」と答えています。
具体的には明らかにはなっていませんが、「シリア解放機構」が国際テロ組織に指定されている都合上、政府をこのまま構築したとしてもアフガニスタンのタリバン政権のように国際社会の承認を得られないわけです。
それはシリアという国をつくる上であまりにもメリットがないので、組織としては消滅をさせてアルカイダが統治を行っているという体裁を取らない形にしようとすることが予想されます。
国際部記者 勅使河原 佳野
NHK NEWS WEB
かつてアサド政権を強く支持した人たちが大勢暮らした地区では、脱ぎ捨てられた軍服がゴミ捨て場に積まれています。
BBC Japan
シリアとレバノンの国境地帯では、急ぎ故郷シリアに戻りたい人たちと、急ぎ故郷を離れたいシリアの人たちが行き交っています。
ジェレミー・ボウエンBBC国際編集長が現地から報告します。
BBC Japan