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くらげになりたい。

看護師さんの視線が怖くてご飯を流し込む。そして食べ終わったらトイレに走って吐く。
自分の吐瀉物がトイレに流れていくのを見送って床にぺたんと座り込んで涙を流す。トイレの床なんて菌だらけでとっても汚いことぐらい分かってるけどそんなのどうでもいい。吐くと同時に出てくる涙が死にたいと叫んでいる。

私もこの吐瀉物と一緒にトイレに流されてあの世まで送ってほしい。何を意味のわからないことを言ってるんだろうね、私もわかんなくなってきちゃった。

死にたい。最初から産まれてこなかったことにしたい。

それか、死んで何も考えずにふわふわ浮いていられる幽霊になりたい。また人間に生まれ変わるとかは無理。もう一度、こんな世の中で生きなくちゃいけないのはごめんだ。

でも幽霊になっても感情や記憶があるならどうせ何も考えないなんてことは出来ないだろうし辛いだけだと思う。じゃあどうすればいいんだろう死んだら私はどうなるんだろう。もう何も考えなくてすむ、無になりたいのに。

…そうだ、クラゲだ。クラゲは感情がないらしい。それに死ぬ時は海に溶けて死ぬんだって。いいね、感情がない上に死ぬ時も最初からいなかったことみたいに跡形もなく死ねるなんて、最高じゃないか。

私は死にたい。そしてクラゲになりたい。
水族館で飾られるクラゲよりも、広い広い海の片隅にいるふわふわ綺麗で自由な儚くて感情のないクラゲになりたい。

クラゲみたいに海に溶けて跡形もなく死ねたらな。 
きっと苦しくないんだろうな。

死にたい。

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