第6章:Workawayで北欧滞在。暮らすように旅をした。
念願の岡山での暮らしが始まりました。
一緒に働く仲間も素敵な人ばかりで日々刺激を受けていました。
そして、瀬戸内海や中四国もたくさん旅行しました。
ゲストハウスには沢山の外国人が宿泊するようになりました。
様々な国や年齢の人と接する中で私の中での価値観がどんどん変わっていき、世界が広がっていきました。
そして色んな旅の仕方を知る事が出来て自分も海外旅に行きたいな、自分の目でもっと外を見たいな、と思うようになりました。
行きたい場所は山ほどあったのですがその中でも気になっていたのは北欧でした。
私が知りたかったのは「暮らし」
どこの国にもそれぞれの暮らしがあると思うのですが特に北欧エリアは季節の変化が激しく、そんな中でも自然とうまく付き合い、楽しみながら暮らしを営んでいるイメージがありました。
旅の妄想をし始めた時にたまたまデンマーク人のご夫婦がゲストハウスに泊まりに来ました。
彼らに私が北欧旅を考えている事を伝えると彼らは紙に家の間取りと庭、そして周辺の森。を書き出しました。
私たちはここで暮らしているからデンマークに来るなら私の家に泊まりなさい。喜んで歓迎するよ。
海外のゲストさんは「私の国に来るならうちに泊まって良いよ」と言ってくれる方はけっこう多いのですが、家の間取りと庭まで書いてくれた方ははじめてでした。きっとここでの暮らしを大事にしているんだろうな、と伝わって来て、彼らの暮らしを見てみたい!とデンマークに行く事を決めました。
そして3ヶ月の北欧バックパッカー旅へ出発。
香港から入り、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、そして台湾。というプランを大まかにたてました。
目的は観光ではなく、出来る限り現地の暮らしを体験する事でした。
そこでWorkawayという制度を利用しました。
「ワークアウェイ(Workaway)」はイギリス人のバックパッカーが2002年に始めた世界的なインターネットサービスで、「ボランティア(Volunteer)」が労働力を提供する代わりに、「ホスト(Host)」が宿泊場所と食事を提供するという、マッチングサービスです。
1日数時間お手伝いをするとその家に無料で滞在をする事が出来るのです。しかもご飯付き。まさに「暮らすように旅をする」が実践出来るサービスです。
私はデンマークとスウェーデンでこの制度を利用し滞在をしました。トータル1ヶ月ちょっとの期間はお金を一銭も使わず過ごしていました。すごいですよね。夢のような制度です。
家の掃除やガーデニングの手伝い。
オーガニックファームで収穫やマーケットの手伝い。
様々な仕事をしました。
仕事内容で1番印象に残っているのはスウェーデンのオーガニックファームでの直売マーケットの売り子です。スウェーデン語もお金の単位も野菜の名前もよく分からないのに接客を任せられました。最初はあたふたしましたが、最後の方は慣れてきてひとりでお客さん対応。その環境に投げ込まれると意外と出来ちゃうもんだな、なんて少し自信にもなりました。
このファームは田舎にあるのですが、毎週末、車で30分ほど行ったところの街で行われているマーケットに出店しています。こんなに沢山売れるの?っていうくらいの膨大な野菜の量を持って行くのですがすぐに売り切れます。「野菜はここのを買うって決めてるの」そう話す女性は毎週来てくれて両手いっぱいの野菜を買って行きます。「また来週ね〜」なんて会話を交わすお客さんが沢山いました。オーガニックを手にする事が特別でもなく普通のことなんだなと感じました。
買い物は投票だ、という言葉をよく耳にしますがまさにそれを目の当たりにした気がします。毎日食べる野菜は信頼するオーガニック農家さんのところで直接買いたい。そんな風に買い物を楽しんでる人が沢山いたように思います。
今では日本でもレジ袋が有料になったりプラスティックフリーの動きが出ていますがここのファームでは野菜の個包装はひとつもしていませんでした。一応レジ袋も用意はしていましたがほとんどの人がマイバック持参です。中にはリュックやカバンにそのままネギや葉物を入れて帰る人も。ここは環境問題への意識は高いだろうな、と思ってはいましたが想像以上でした。これがもうすでに日常でした。
滞在中に少し困ったのはご飯でした。基本的にこのWorkawayではご飯もいただけるのですが、私の分も作ってくれるお家と私がみんなの分を作らなきゃいけないお家がありました。「お昼はあなたの担当ね。キッチンにある材料は何を使っても良いよ」『...見た事ない調味料ばかり。どうしよう』「日本人はお米食べたいかな、と思ったから買っておいたよ!」『これタイ米じゃん。鍋での炊き方分かんないわー』
そんな調子でとりあえず「野菜や肉をオリーブオイルとハーブを振りかけてオーブンで焼く」味付けに困ったら「カレーパウダーをかける」という術を身につけて何とか乗り越えました。時には大量のリンゴを持って来て「これでデザート作れる?」とお願いされた事も。とりあえずシナモン振ってオーブンで焼きました。オーブン万歳。
ちなみに料理上手なホストの家に滞在した時の夕飯は毎晩ご馳走でした。何もかもが美味しかった。
食事は家によって全然違うので面白かったです。
でもどこの家でも毎日お茶の時間がありました。お昼食べた後は必ずコーヒーを飲む家。15時ごろになるとケーキが出てくる家。ゲストが誰でもいつでもお茶をいれられるティーカウンターがある家。
デンマークには心が落ち着く居心地が良い空間を表す「ヒュッゲ」
スウェーデンにはコーヒーやお茶を飲んでくつろぐ時間 「フィーカ」という言葉があります。
お茶をみんなで飲んでいた時に「今この瞬間がヒュッゲだよ」と話してくれて、観光だけではきっと知ることの出来なかった文化に触れられて嬉しくなったのを覚えています。
さて、この旅の話は書きたい事が山ほどありまして、、
次は旅を通して感じた理想の暮らしについて書こうと思います!
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