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「大吉原展」見てきました
東京藝術大学大学美術館で開催されている、大吉原展を見てきました。平日の割に人が多く、関心の高さが伺えました。
公式HPの最初、展示のあいさつ文での、断り書き。これ、必要?正直思いました。
吉原が売買春の場であり、人権侵害や女性蔑視の場所であることは周知の事実。でも具体的にどのような場所で何をしていたかを、知らない人は多いと思います。文化的な面も含めて。
今回の展示は、良い悪いの判断を入れずに、その実態を淡々とそして歴史史料に基づき丁寧に伝えている、そんな感じを終始受けました。
それでも、展示物のキャプションは協議を重ねて慎重に書かれた、印象を受けました。不当な批判を受けないために。
何度も吉原が火事に遭ったのは「遊女たちが劣悪な環境に耐えきれず、放火した」から。
明治時代に入り、吉原遊郭がなくなり「強制労働でなくなったから、余計に差別されるようになった」(自分の意志でやっていると、捉えられる)
という負の側面も伝えていたのは、良かったと思います。
そもそも。『光る君へ』の私の考察投稿で書いていますが、「昔」は現代とはモラルも価値観も違うことを、頭に入れてほしいです。
現代の価値観で見ると、歴史的事実の9割は「不適切にもほどがある」状態だから。
違うものだと、受け入れた上で批判的に評価するべきところは評価してほしいです。
余談ですが。
自治体史編纂の仕事をしていたとき、古文書を原文のまま翻刻(文字起こし)をして書面に載せていました。差別的と言われる用語も多くありました。冒頭に、「現代では不適切と思われる文言もあるが、敢えて原文のまま掲載した。批判的に読んでいただきたい」の一文、どこでも入れていましたね(90年代の話)。