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来週元カレと会う。あと2日。七夕の日。

ノブと疎遠になってから、また毎日のように元カレおさむのことを考えるようになった。

ふとしたときに、昔、一緒に行った場所のことや、

ある日話した会話のこと、

自分がしてきた行動や言動のことを思い出して後悔をしたり、思い直したり。


そして我慢できなくなった、私はおさむにLineした。

「おさむ、久しぶり。元気にしてる?私は4月に引っ越したよ。仕事もバタバタしてたけど、今は落ち着いて、新しい土地で自然の景色に癒されながら毎日頑張ってるよ(※近所の海の写真付き)」

「あっちゃん、連絡ありがとう。引っ越したんだね。海の景色きれいだね。僕は相変わらず仕事に追われてるけど、体調も崩さずに頑張ってるよ。」

会話はそれだけ。

変わらずのおさむに、なつかしさを感じてしまった。


だけど、そんな思いを振り切りながら、私は、新たにまた婚活アプリをはじめ、新しい人と会う日々を送っていた。


ちゃんと婚活と向き合わなきゃいけない、そう思って毎日いろんな人とマッチしては、会って、気持ちが乗らず、続かない毎日を繰り返し、6月になっていた。


そんな中、会社で次期組織変更で、上層部のコソコソとした動きがはじまった頃、私もそわそわしてきた。


名古屋(おさむの所)への転勤チャンスがあるなら次の期。次異動できなかったら、また1年後だ。


そう考えたら、婚活が手につかなくなってきた。


そして上司に相談した。

「私、今度異動できますかねぇ~?」
「そろそろ婚活したいなぁ~なんて♪」
「親も結構うるさいんですよねー。」

そしたら怒られた。

「お前は中途半端だ。何がしたいのか?どっちつかずなんじゃないか??」
「親がいうから結婚したいのか?お前はどうしたいんだ?」

そして、私は涙が止まらなくなった。

上司の前で泣くのは初めて。すごい勢いで泣いてしまった。

図星だったから。


おさむの所に帰れたらいいなぁ~なんて思いながら、

でもそれを直接、ヒトに宣言する勇気もないし、

仕事を辞める勇気もない。

愛知に帰れば、またおさむと復縁できるかもしない・・・なんて淡い期待をもちながら、その決断を自分の中でもできずにいたのだ。


そして、親。

私がおさむと別れる決断をしたのは、親からの「過度な結婚に対する期待」が辛く、そしてその「期待」に応えられない、自分が情けなくて本当につらかったのだ。

そして「結婚しないなら別れる」という道を選んだ。


もちろん、子どもをもった幸せな家庭を夢見る気持ちは、自分の素直な気持ち。でも、「親の期待に応えられない」自分が一番つらかった。

考えてみれば、おさむと付き合い始めたのに転勤する道を選んだのも「上司の期待に応えたい」という想いからだった。

もともと東京で働きたいとは一度も思ったことはない。でも上司が期待してくれている、という激励をもらって、なぜか自分は東京で仕事をがんばりたいという気持ちになってしまった。


昔から、ヒトが自分にどんな行動を期待しているか?を理解し、率先して動くことが、私は得意だった。

先生が期待していることをやって、学級委員になった。部活のキャプテンにもなった。

親が期待しているとおり、有名大学に進学して、就職した。


私は、これまで「誰かの期待」に添うことばかりを考えていたから、いつの間にか、自分がどうしたいのか?を考えることが苦手になってしまった。


自分は何をしたいのだろう…。


将来、自分の子供が欲しい。


でも、今一緒にいたいのは、おさむだ。


そうおもった。

また失敗して後悔するかもしれない。

おさむは私と一緒にいたいとは思ってなくて、またフラれるかもしれない。

きっと、この決断は間違ってるかもしれない。


でも、今自分がしたいこと。


それはおさむのところへ行くことだ。


私は心を決めた。


そして、そう決めた夜、


これまで連絡を取っていた人にさよならを告げ、婚活アプリを退会した。

そしておさむに連絡した。


会いたい。

明後日の夜、おさむに会う。

続く…


<第1話>来週元カレと会う。

<第2話>来週元カレと会う、あと4日。

<第3話>来週元カレと会う。あと3日。

<第4話>来週元カレと会う。あと2日。七夕の日。

<第5話>明日、元カレと会う。

<第6話>今日、元カレと会った。


2021年7月7日七夕 こじらせあっちゃん筆


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