来週元カレと会う。
来週元カレと会います。
世で言うなら元カレ、だけど私にとって「元カレ」っていう言葉は彼にしっくりきていない、「おさむ」。
最後にあったのは去年末。半年以上ぶりだ。
おさむとは名古屋で出会って、2年付き合った。
ずっと遠距離だったけど。
付き合ってからすぐに私の東京転勤が決まって、ほとんどの時間を名古屋ー東京の遠距離で過ごした。でも月に1回は会っていたと思う。
私は彼と結婚したかった。
そのために努力してたつもりだった。
でもうまくいかなかったんだよなー。
彼は、私に話を合わせてはくれていたけど、
まだ結婚に乗り気じゃなかったと思う。
彼は研究者なんだけど、いっつも忙しくしている。
朝から晩まで、休日まで、仕事のことを考えているような人。
彼のお父さんもお兄さんも立派な研究者でみんなそうだったみたい。
デートでカフェでゆっくりしていると、
「こんなゆっくりしてていいのかって不安になる…」
って言ってた。
サラリーマン家庭の私には信じられないこの感覚。
デートはいつも早めに切り上げて、仕事に戻っていた彼。
私は彼と過ごした2年間、ずっと不安だった。
おさむのような仕事人間に、自分は一生尽くせるのだろうか…
おさむとは、本当に結婚できるのだろうか・・・
わたし、32歳。
もう周りの友達はみんな結婚していて、
親からは会うたびに結婚どうするの?っと攻め立てられる。
自分も結婚したい。子供欲しい。
だから、なんかすごい焦っていたのだと思う。
彼とは結婚できないのかも…というか、たぶんできない。
ちゃんと切りをつけなければ…。
でもどこかで期待してた。
結婚には前向きじゃなくても、私のことは思ってくれていて、
「別れる」っていったら、気持ちが変わるのではないかと…
うん。多分それを期待していたんだと思う。
他人から見たらバカだと思われるかもしれないけれども。
そして去年末、宣言した。
「私はおさむと結婚したい…でも、おさむが違うなら、新しく婚活しなきゃって思ってる…。私、年越したら婚活するね。」
そして、2021年正月、私は宣言通り婚活アプリを始めた。
泣きながら。
婚活みたいなことは、27歳くらいからずっとやってるから、慣れてる。
アプリの始め方だって、
そこから「いいね」しあって、
メッセージしあって、
デートして。
20代のころのようにはモテないけど、経験値はあるから、それなりに男の子と複数人とデートしながら、さばいていける。
無心で、アプリを進めて、男のヒトと会ってた。
でも、ふとした時、おさむを思い出して、涙が出てた。
あぁ、私誰からも愛されないし、幸せになんてなれない。
本気でそう思ったし、友達にも、誰にも会いたくなった。
会ったら、彼のこと聞かれる。聞かれたら別れたって言わないといけない。まだ、そのこと人に話せるまで自分はこの現実、認められない。
引きこもりがちになって。
でもひたすら婚活アプリで人とマッチングして、デートして繰り返した。
自分の中では、おさむがいつか自分のもとに帰ってこないかと期待したり、逆に、今度会うときには別のイケメン男子を捕まえて、彼に後悔させてやる!って思ったり。
Youtubeで和尚さんの人生についての教えを語る動画(⇒だいぶいかれてきている(笑))を見て、「あなたは、彼と一緒にいたいんですか?」「それとも結婚がしたいんですか?」という問いに。「私は結婚がしたいのだ。私が選んだ道は合っている」と喝をいれたり。
2月に、おばあちゃんが死んだ。
とってもかわいがってくれたおばあちゃんだったけど、もう95歳だったし、幸せな人生だったと思う。
泣いた。
おばあちゃんが死んだ悲しさ。
そして、自分のふがいなさ。
親族だけの葬式でおばあちゃんのためじゃなく、自分の為に泣いているのは私だけだったと思う。お経の間、号泣した。
「おばあちゃん…助けて…私、今、すごく辛い…」
「私、誰にも愛されないし、幸せになれない。」
人生で一番の挫折だったかもしれない。
自己肯定感高めで常にポジティブな自分が、こんなことを本気で思っていた。
おばあちゃんのお葬式の次の日、久しぶりに友達(よくつるんでいるアラサー独女仲間)冬子と、椿にあった。
そして泣きながら、おさむとのことを報告した。
ほめてくれた。
「よく頑張った。辛いけど、その決断、絶対に幸せになれるよ」
そして私は立ち直った。
おばあちゃん、ありがとう。
<第3話>来週元カレと会う。あと3日。
<第4話>来週元カレと会う。あと2日。七夕の日。
<第5話>明日、元カレと会う。
2021年7月4日 こじらせあっちゃん筆