スイスで緊急病院へ行った話

naohaya

スイスで病院に厄介になってしまいました．

去る11月26日にあることがきっかけで左足を強打し，左足の薬指がありえない方向に曲がってしまいました (^^;;)
これはヤッてしまったな…と思いましたが，週末でしたので月曜まで待って，ヌーシャテルの救急病院へ行くことにしました．

ヌーシャテル州の救急病院はRHNe (Réseau Hospitalier Neuchâtelois) と呼ばれており，全部で7ヶ所あります．

  • Pourtalès (Neuchâtel中心部付近）

  • La Chaux-de-Fonds

  • Val-de-Travers

  • Val-de-Ruz

  • Le Locle

  • La Chrysalide

  • Policlinique pédiatrique des Montagnes（小児科）@ La Chaux-de-Fonds


私はヌーシャテル市街に住んでいますので，市街地中心部付近にあるPourtalès病院へ行きました．

病院内のスタッフにはほとんど英語が通じます（これが当たり前ではないことは滞在して痛感しています）．入ってすぐの案内に症状を伝えると1F（日本では2F）へエレベータで上がり，右側に進むと受付があると教えてもらいました．

1Fの受付では症状に加えて以下の書類や情報を要求されます．

  • ID（パスポートなど）

  • 加入している医療保険（医療保険証を持っていきました）

  • 住所

  • 電話番号

  • 勤務先

一通り手続きが終わると，カードが入ったクリアファイルを渡されるので，待合で待ちます．待合で待っていると，小さな部屋から看護師さんが出てきて待合の人の症状を軽く聞いて回っていました．おそらく緊急性などを把握して順序を決めていたものと思われます．私は，その中の2番目に呼ばれました．看護師さんとマンツーマンで患部を見せたり，痛みの程度や痛み止めの要不要などを聞き取り，看護師さんは目の前の端末に症状を入力しているようでした．この看護師さんは英語は正確に聞き取れていたものの，返答で出てくる名詞がたまにフランス語になっていたりしていました．

看護師さんの聞き取りが終わるとまた反対側の待合で待たせられます．しばらく待っていると，今度は医師が呼びに来てカードキーで開けて入る領域にある手術室のような個室へ案内されました．ベテランの医師，若手の医師，研修医の3名（もちろん英語はペラペラ）がベッドに寝転び足の患部を見ていましたが，ベテランの医師が「X線を受けてみる？」と聞いてきました（この辺は完全に患者の意向を優先するようです）．

おそらく折れているだろうと思っていたので，「X線を受けます」と言うと，「用意するので待っててね」と言って3人共部屋から出ていきました．

10分程度すると，X線技師らしき女性が呼びに来てX線撮影室へ入り，レントゲン撮影をしました．

終わってまた病室へ戻ってしばらくするとさっきのベテラン医師が帰ってきて一言「It's broken…」と言われました．まぁ，想定の範囲内だったので「やっぱり折れてたかぁー」という感じでしたが，とりあえず足の指を元に戻す簡単な手術をして4週間ほどかかるというふうに言われました．次回のアポイントメントは一週間以内に電話で連絡するとのことだったので電話を待つことにします．

今日のところは，下駄みたいなサンダルを提供され，患部が悪化しないようにこのサンダルを履いて外出するように言われました．また，1週間以内に電話で次の手術の予約を連絡すると言われました．さらに，「アイブプロフェン」の処方箋を出しとくから痛かったら飲むように言われました．…アイブプロフェンって…？と思って処方箋を見ると「Ibuprofène」と書かれていたのでいわゆる解熱鎮痛剤の「イブプロフェン」でした．発音が違うと分からないものですね．

スイスの病院ではどこもそうなのだと思いますが，上記で全て終わりで会計等もなく家に帰ってヨシとのことでした．薬も院内処方ではなく，薬局で処方してもらうとのことだったので，そのまま帰宅しました．

滞在許可のために必要だということと，こういうこともあるかと思ってそれなりの保険に加入していたのですが，在外研究の滞在前半でお世話になることになってしまいました．

一方で，スイスの病院のシステムを利用することができたことで日本との医療処置までの違いなどがなんとなく分かってそれはそれで良い機会だったような気もします．

つづく（たぶん）

追記（2022/12/5）

さて，一週間経ちました．病院からの電話は…ありません…！！！（予想通り！）
というわけで，本日再度Pourtalès病院に足を運びました（電話で解決できる気がしない！）．

病院の案内で経緯を説明すると，処置を受けた方と反対側の1Fの受付に行くように伝えられました．その受け付けに行きパスポートを見せると病院の端末で処置内容を検索し，医師に照会していたようでした．

そして「次回の予約は今日中に電話で連絡する」という回答を得ました．そして，約30分後に電話がかかってきて「次回は12月28日の午前9時に病院に来るように」と言われました…全治4週間どころか次の予約まで4週間以上かかっとるやないか！

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