日本と台湾の高速道路を比較する
1.料金
日本の高速道路の料金の高さは有名ですが、どのくらいなのか、主要幹線の東名高速と國道1號で比較しました。参考にしたサイトはNEXCOのドラぷらと高速公路局の計程通行費試算です。
<50キロ圏>
東京~秦野中井(50.1km):1,710円
台北~湖口(58.8km):45.8NT≒165円
<100キロ圏>
東京~沼津(103.3km):2,190円(ETC割引)、3,130円(正規)
台北~苗栗(107km):103.7NT≒373円
<200km圏>
東京~菊川(201.8km):3,570円(ETC割引)、5,100円(正規)
台北~西螺(204.3km):219NT≒787円
<國道1號最長相当距離>
東京~岐阜羽島(357.2km):5,620円(ETC割引)、8,030円(正規)
基隆~高雄(358.6km):357NT≒1,283円
全区間にわたって日本のほうが4~10倍高いという結果になりました。特徴的なのは日本は短距離の料金が特に高く、10倍以上の差があります。これは、大都市近郊区間という制度があるためで、交通量の多い大都市近郊で割増料金が設定されているためです。
日本側の良い点をむりやりひねり出すなら、長距離での割引率が高いことでしょうか…
台湾の通行費は割引適用済みですが、割引率はそれほど大きくありません。基本料金は1kmあたり1.2元=3.6円です(日本は24.6円)。もっとも、元が安いのでそんなの誰も気にしてない。
2.料金収受方法
台湾では日本の料金所に相当するものが設置されていません。車にeTagというICタグを装着し、道路上のICとICの間にあるセンサーと通信して、料金は後から請求されます。1区間進むごとに料金が発生します。
高速公路局のこの図がとてもわかり易い。ちょっとコンビニ行くのに一旦降りてまた乗るという使い方も。
こちらが実際のETC装置。これが各区間に設置されています。
これがeTag。最近は透明で目立たないタイプもあります。日本のように高い車載器を買う必要がない。
料金収受システムは台湾のほうが何歩も先を進んでいると言えるでしょう。国土が狭いというのもあるかも知れませんが…
3.路線網
台湾の路線網は下の図のようです。
國道は1,3,5の奇数路線が縦貫方向で距離が長く有料、2,4,6,8,10の偶数路線は横断方向で距離が短く、無料です。7號は計画はあるが未開通、9は欠番のようです。
その他、西部では空白地を補完するように快速公路が走っています。快速公路も同様に奇数が縦貫、偶数が横断です。
一方、東部はほぼ整備が進んでいません。海岸から山までの平野部が少なく、人口も少ないため、一般道の改良で対応しています。
日本の路線網は省略しますが、国土の大きさを差し引いても日本のほうがかなり充実しています。
4.制限速度
主要路線は概ね最高が100~110km/hで設定されています。特徴的なのは最低速度も60km/h等で設定されている区間が多いことです。最低速度より遅く走るとどうなるんでしょうね?一般道と同じように設置されている速度違反カメラでも撮られたりするんでしょうか?
5.施設
路面の舗装は概ね良好と言えるでしょう。主要路線の國1、國3ではほぼ全区間で片側3車線以上が確保されていますし、私が走ったことのある範囲でも構造的に走りづらい場所は特にないと思います。ただ、案内がやや不親切で、出口を間違えやすいところもあります。
特に國道1號の台北~桃園の地上/高架の2重構造になっている区間では、目的地にどのように行けばよいかとてもわかりづらく、APPや服務區(サービスエリア)で下調べをしたほうが無難です。
その服務區は、日本とほぼ同じ30km~50km間隔で設置されています。売店、トイレ、レストランなどの施設もほぼ変わりないと思います。ガソリンスタンドのある比率が高いのが特徴でしょうか。最近の日本の高速では特徴的な施設があるSAもありますが、そういったものは無く、あくまで一般的なSAです。
逆に日本でPAに相当するものがあまりありません(知ってる限りで台北と新竹の2箇所だけ)。これはおそらく先述の料金収受の特徴から、ちょっとのトイレ休憩であればICから流出して、休憩後また流入する、という使い方ができるためではないかと思います。
eTag普及前の料金制度も、数十kmおきに料金所を設置してそこで徴収し、料金所の区間内は出入り自由のシステムでした。料金所の手前で降りて、下道で料金所回避してまた乗る人が多かったようです…。
料金システム的な背景から、PAのような施設は必要とされなかった、と思われます。
6.交通量・混雑具合
都市圏での渋滞は日本と同様多いですが、一番の名所は國道5號の雪山トンネルです。
國道5號は台北と東海岸を結ぶ路線で、赤い部分が雪山トンネルです。連休では1時間を超える渋滞もザラです。下道で台9線が並行していますが、おそらくこちらも…
台湾の渋滞情報は例えば「25K~28K 車速40km以下」みたいな案内をされます。これは、25km地点から28km地点まで車の流れが40km/h以下のような意味です。日本では「○○SAを先頭に12km渋滞」のように案内されるのでちょっと異なります。
また、都市圏の一部混雑しやすい箇所では路肩の通行が許可されている場所もあります。ただし狭いので走行には注意が必要です。
7.その他特徴
混雑に関連してですが、入り口に信号機が設置されています。
交通量が少ないときは黄色点滅で構わず進みますが、多いときは画像のように赤信号で車を止め、流入量を制限します。連休の日中よくみられる光景です。
以上です。台湾に来て一番驚いたのが高速道路に関してかもしれません(進んでるって意味で)。とにかく日本の料金が高いのでなんとかしてほしいですね。
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