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【メンバーシップ限定記事(一部無料)】 Mindfulness - Journey 02:脳機能とストレス応答のメカニズム

はじめに

 前回のJourney 01では、マインドフルネスの定義や歴史的背景、そして現代社会にどのように導入されてきたかを俯瞰しました。仏教に端を発する瞑想が、ジョン・カバットジンの「マインドフルネスに基づくストレス低減法(MBSR)」を嚆矢として、医療や教育、ビジネスなど幅広い領域に展開されている事例をご紹介しました。

今日のJourney 02では、マインドフルネスが実際に脳機能や神経生理学的プロセスにどのような影響を及ぼすのか、そのメカニズムを詳しく掘り下げていきます。神経科学の観点からは、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)やEEG(脳波測定)などの計測技術の発達によって、「瞑想によって脳のどこが変化し、どのようにストレスを低減しているのか」を客観的に検討できるようになってきました。

今回のJourney 02では、以下のステップで解説を進めます。

  1. 脳構造の基礎と主な関連部位

  2. マインドフルネス瞑想が脳活動に及ぼす影響

  3. ストレス応答のメカニズムとマインドフルネス

  4. 注意制御と感情制御の向上プロセス

  5. 具体的研究事例:慢性ストレス・不安障害などへの応用

  6. マインドフルネスと神経可塑性(Neuroplasticity)

  7. 新たな一歩

この構成を通じて、「なぜマインドフルネスが心を整え、ストレスへの耐性を高めるのか」について、脳科学レベルでの基盤を知る糸口を探っていきましょう。

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1. 脳構造の基礎と主な関連部位

1-1. 前頭前野(Prefrontal Cortex, PFC)

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