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【メンバーシップ限定記事(一部無料)】 Mindfulness - Journey 12:社会全体のマインドセット変革

はじめに

 前回(Journey 11)では、マインドフルネスに宿る仏教的なルーツや、「空」「中道」「無常」といった東洋哲学のキーワードが、現代科学や西洋哲学とどう交わりながら再定義されてきたのかを探究しました。仏教的瞑想と近代科学・行動分析理論の融合によって、マインドフルネスは「単なるストレス軽減策」や「心理療法の技法」を超えて、人間の意識や存在に深く関わるものとして再評価されつつあることが見えてきたかと思います。

今回のJourney 12では、社会全体のマインドセット変革を視野に入れながら、マインドフルネスがさらに広い領域でどのように展開しうるのかを考えていきます。すでに企業経営や教育、地域コミュニティなどでの取り組みが進んできましたが、政治や公共政策、医療費抑制、公衆衛生、アート・文化といった多彩な分野との接続も試みられています。こうした動きが進むとき、マインドフルネスは一体どのような形で社会を変えていくのか。その長期的ビジョンと可能性、そして具体的な課題や倫理的な留意点も含めて探ってみましょう。

今回の構成は以下のとおりです。

  1. リーダーシップ開発・コミュニティ活性化を超えて

  2. 政治や公共政策への影響―意思決定プロセスの変容

  3. アート・文化・芸術分野でのマインドフルネス応用

  4. 医療費抑制や公衆衛生への長期的影響

  5. 学術研究と大規模実践―大学・研究機関での取り組み

  6. 長期的展望と普及シナリオ

  7. まとめ

マインドフルネスが個人や一部組織の枠を超え、「社会全体の意識の変革」に関わる可能性を、より大きな視点から見渡していきましょう。

1. リーダーシップ開発・コミュニティ活性化を超えて

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