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【メンバーシップ限定記事(一部無料)】 Mindfulness - Journey13:マインドフルネス実践の倫理と深層

はじめに

 前回(Journey 12)は、マインドフルネスが社会全体のマインドセット変容に向けて与えうる大きな影響を展望し、政治や公共政策、アート・文化、医療費抑制、公衆衛生など、多面的な応用可能性を考察しました。一方で、マインドフルネスが広範に普及するほど、その“限界”や“危うさ”、そして倫理的・哲学的な課題がいっそう鮮明になってくるのも事実です。

今日のJourney 13では、マインドフルネスの実践と指導にまつわる倫理的側面や深層心理への影響について、より踏み込んだ視点から考えてみます。宗教性やスピリチュアルな体験との境界づけ、自己概念の揺らぎに対するリスク管理、トラウマを抱える人への配慮など、専門家や指導者はどんな責任感を持つべきなのか。また、学習者自身も自分の内面を探るなかで、どんな“深層”へ踏み込むことになるのか。こうした論点を整理しながら、「マインドフルネスを安全かつ効果的に実践・共有していくために必要なマインドセット」とは何かを探っていきましょう。

今日の構成は以下のとおりです。

  1. 宗教・スピリチュアルとの境界―どこまで踏み込むべきか

  2. トラウマや強い不安を抱える人への配慮―安全確保とリスク管理

  3. マインドフルネスの“深層”がもたらす自己変容―脱中心化の行き先

  4. 倫理的責任と指導者の資格―プログラム運営のためのガイドライン

  5. 逆説的効果や“瞑想の落とし穴”―過度な個人責任論を避けるために

  6. ケーススタディ―リスク事例と学び

  7. まとめ


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