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京王電鉄5000系(5738編成) J-TREC横浜事業所出場 2024年1月8日〜1月12日

・今年度京王電鉄増備車 約1年半振りの出場

1月8日未明から12日未明にかけ、京王電鉄5000系がJ-TREC横浜事業所を出場し若葉台工場まで陸送されました。

京王電鉄の出場は、2022年10月以来約1年半ぶりとなります。
※前回の出場は以下のリンクからご覧頂けます。

京王電鉄の路線は井の頭線を除き線路幅が京急線及びJR線と異なる規格を採用していると同時に、JR線と線路が繋がっている駅がありませんので、陸路にて輸送されることが特徴です。
※直通している都営新宿線も同様の理由で陸路での輸送となっています。

久々の京王電鉄の陸送ということで、今回も全日取材して参りましたので次項で振り返って行きます。


・出場時の様子

今回の陸送では担当会社が前回までのSBSロジコム(株)から丸池海運(株)に変更となりました。
恐らく、同時期に別の鉄道車両輸送があり、その担当がSBSロジコム(株)となった為に担当会社が変更になったと思われます。

この様な理由により、今回は時間及びルートが大きく変更になったことが特筆されますが、それ以外は従来とほぼ変わりありませんが小さな変更が幾つかありましたので順を追ってご紹介致します。

・陸送 1日目

若葉台工場の都合からか、1号車から順に輸送されます。

ということで、この日は先頭車が入る1号車、2号車からのスタート。

初日の1号車。
ここから長い5日間が始まる。

先頭車は従来通り運転台窓下以降は全て養生された状態となりました。

先頭車が入る日は他の日数倍のギャラリーが深夜に集まりますが、今回も同様のギャラリーが集まりました。

ほとんど見向きもされない2号車の中間車。
踏切の街灯に照らされ深夜の道を往く。

・陸送 2日目

ここから3日間は中間車のみの輸送となります。

したがって、ギャラリーはほぼ皆無となりますが、前回とは異なり久しぶりの京王電鉄の輸送であるのか、中間車でも片手で数えるほどの人が集まっていました。

そして、前回と小さな変更点として、全ての車両がクロスシート状態で出場しております。

画像が見にくく大変申し訳ないが、最終日の項にてクロスシートになっている画像を掲載しております。

この車両は用途に応じてロングシートモードとクロスシートモードを切り替えられるデュアルシートを採用しており、通常の通勤列車で使用の際はロングシート、座席指定車(京王ライナー)で使用される際はクロスシートと運用により使い分けられているのが特徴であり、前回出場車(5737編成)からはリクライニング機能を追加したデュアルシートを採用しており、今回出場車である5738編成においても同様の機能が採用されております。

車端部の座席はロングシートのままである。

前回までは全てロングシートモードでの出場でしたが、今回は全車クロスシートモードで出場という最近の陸送ではあまり見受けられなかった形態であります。

夜寝静まった京急の車両を横目に見ながらゆっくりと踏切を通過していく。

・陸送 3日目

3日目の陸送で1番注目すべきポイントとして、床下に一際目立つピンク色の機器箱であります。

ピンク色のバッテリーを間近で見られるのも3日目の醍醐味。

これは大容量蓄電池、所謂バッテリーです。
多くの鉄道車両のおいてバッテリーを搭載していますが、非常時(主に停電)の際の復旧までの繋ぎとしての役割が主であり、自力で近くの駅まで動かせる余力を持っていません。

そもそも電車は、架線から電気を取得してモーターへ伝わり走行することを主としている為に、異常時の際は走ることを前提としていません。

しかし、安全がより強化されている昨今で異常時の際に駅間の長時間停車場面が多くなっていることもあり、この様な状況を少しでも改善する為に近くの駅まで架線の電気を用いずに走ることが出来る様に大容量バッテリーが搭載された鉄道車両が最近では増えつつあります。

急にトレーラーが近代化する。
6号車
5号車。

この日からトレーラーが一部変更になりました。
建築会社から借用しているトラックと思われます。
急に最新型に変わり担当会社が再度変更になったのかと思いましたが、それは無い様です。

これから踏切周辺の夜間作業を行う従事者も大きな車体が渡る瞬間を静かに見つめていた。

この日は夜間作業のスタートがこの陸送通過と重なった為に、動画に納めている方もいらっしゃいました。

交差点での左折。
道路上では1両がとても長いのは分かる。

・陸送 4日目

ここまでがギャラリーもまばらな日。

この先の交差点を安全に曲がる為に暫し住宅街の近くで待機となった。
マンション群の前に立ちはだかる大きな車体はこの編成の8号車。
7号車

今出場において製造メーカーの銘板が新たに2024年となりました。
2024年の製造銘板がお披露目されるのは今回が初めてであります。

2024年の総合車両製作所の銘板も今出場が初披露。

今回の陸送は前述の通り担当会社が変更になったのと加え、ルートも大幅に変更されました。

幹線道路に出るまでは通常と変わらず。
従来は直進していた交差点にて今回は初めて左折。
この先が1車線道路になることを嫌ったのか、内陸側に行く方が早いと判断したのか。
前の車両に続き、2台目も同じ様に左折する。

時間も従来よりも遅くなり、余裕時間もあまりない中での移動となります。

しかし、ルートが変更になったことから、普段鉄道車両が曲がらない交差点での右左折を見ることが出来ました。

・陸送 5日目

今回の最終日となったこの日、初日の様子がインターネット上に流れた影響からなのかと、先頭車の為にギャラリーも初日の2倍程度の数に増えました。

最終日は初日とほぼ一緒の動き。
ネットの情報を聞きつけた人が多かったのか、初日以上のキャパシティだったことは言うまでもない。
相変わらず中間車は人気なし。
9号車

初日からほぼ同じ時間に出発しているのでそこまで焦る必要は無いのですが、今回が初めての方が多いのか、出発1時間以上前からかなりの人が集まっていたというのが印象的でした。

先頭車は初日同様、前面下部に養生が施された状態であった他、トレーラーの方も3日目、4日目に使用されていたものから初日、2日目に使用されたものへ変更となりました。

初日から全日クロスシートモードでの出場となった。

車内も全日クロスシートモードでの出場が確定。
この陸送をもち今年度における京王電鉄の車両増備が完了となります。


・最後に

今回は久々の京王電鉄の陸送ということで少しばかり注目されました。

担当会社及びルートが一部大幅な変更が実施された為に筆者もどう組み立てれば良いのか苦悩した部分でもあります。

しかし、初日の様子がすぐネット上に流れたせいか、ただでさえ先頭車が走る日は交通ルールが無法地帯となる場面で、最終日において追っかけ勢が多かった為に交通ルールがより無法地帯化になっていたことは事前に予想していたとは言えその通りとなってしまっていました。

カメラの技術とシェアビジネスの発展により、昔よりも容易に動き易くなった昨今ではありますが、事前にルートや時間を調べない人が年々増えているのかなという印象です。

需要に応じて動くというのはビジネスでは常識だと思いますが、今はある程度の予測を立てながらも場合によってはルールを度外視しないと収穫すら無くなるのは本末転倒です。

深夜は個人で動く人が少なく基本チーム戦となる為に、色々とある程度の戦略を立てながら行くのが色々とベストな場面が現れると思います。

今回は模索に時間が掛かってしまったのは反省点ですが、流石に連日の深夜は流石に身体に響きますね笑

これから70両製造される様なので、来年度以降も当分の間続くものと思われます。





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